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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2014年10月25日
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カテゴリ:子供
今日から冬時間。時計の針を1時間遅らせ、日本との時差は8時間になった・・・と昼過ぎまで思い込んでいたが、明日からだと言うことに気づいた。


今月に入り、私は毎週試験を受けていて、すでに3科目が終了し、今週3科目とも返却された。簿記、商業計算、税法で、簿記と商業計算はドイツ語の作文をしなくていいから、ある程度点数はとりたいと思っていた。結果は、簿記はクラス平均と同じで1.6。商業計算は、クラス平均2.5で、私の成績は1.9。税法はクラス平均2.5で私の成績は3.3。税法はもっと悪い成績を覚悟していたから、思ったより良くてうれしかった。商業計算はもう少しよくテキストを読めば満点を取れていた問題で、悔しいなーと思った。簿記も凡ミスが多く、残念な気分だった。

テストは各教科4回づつあるそうで、次は今回よりは成績をよくしたいなー、と思うけど、クラスメートと比較する気は更々ない。ところが、テストが返されるたびに、「あなたは何点だった?」とみんなに聞かれる。私は自分の成績をクラスメートにいいたくないし、別にクラスメートの成績も知りたいと思わない。クラス平均は先生が公表しているのだから、自分がどの程度の出来か客観的に判断できるので、それで十分だが、まわりの狂騒ぶりに驚く。ドイツでは、点数と成績がつく。100点満点のテストはない。たとえば、税法のテストは29点満点。私は20点で3.3。21点の人は3だったそうだ。クラスメートの一人が、「XXは28点で、1.2、私は26点で1.7。##は25点で2という成績のつけ方はおかしいではないか? どういう基準なのか?」と先生に質問した。0.5点の差で成績は大きく変わってくる。テストが返されるたびに、そういう類の質問が繰り返される。大の大人が、テストの点数に一喜一憂しているので、本当にびっくりする。別に、次に頑張ればいいじゃないか、ほかの人と比べる必要はないのに・・・と思うのだが、まわりがあまりにも騒ぐので、税法が3.3の成績でも満足していていたのに、だんだん恥ずかしい成績をとってしまったのだなー落ち込んできた。

昨夜、恵子にSkypeでこの話しをしたら、「ドイツの学校ではいつもそうだよ。テストが返されるたびに、成績のつけ方や採点の仕方にみんな文句をすごく言うよ。」と別に驚いた様子もなかった。ドイツでは当たり前の光景なのか・・・大人の学校でもそうなのか・・・いちいち疲れるなーと思った。

今日から賢浩とニコちゃんは秋休み。昨日、にこちゃんのランドセルの中から、ドイツ語のテストの答案がでてきた。2年生の前半は成績はつけない方針だそうで、点数だけ書いてあったが、69点中9点だった。もし、成績がついていたら、限りなく6に近かっただろう。
3ページあって、たぶんできた子から提出していいというテストだったようだ、クラス平均は40分となっていたが、ニコちゃんは65分かかったと書いてあって、しかも、後半はすべて白紙。65分かかって、全部で25個ぐらいしか単語を書いていない。しかも、問題を読んでいないのか、理解できなかったのか、ほぼ間違っており、点数は、たまたまあっているの拾ってくれただけのもの。
どんな問題だったかいうと、たとえば、Apfel、Hund、Baum。。。。など8個ぐらい名詞が並んでいて、ABC順に書きかえなさい、という問題。ニコチャンは、並び替えずに、Apfel,Hund,Baumとそのままの順番で書き写しただけ。たまたまApfelは1番最初であっていたので、点数がもらえた、という感じ。
そのほか、ente,klein,buch,schnell,mutter,omaなどの単語が15個ぐらい上げてあって、その中から名詞だけを書き出せ という問題だった。にこちゃんは、この問題も、ente,klein,buch,schnell,mutter,oma と順番に書き写しているだけ。しかし、ドイツ語の名詞は大文字で書き始めるというルールがあり、そのまま書き写しただけでは、正しくない。どういうわけか、最後のomaだけ、Omaと最初の文字を大文字で書いていて、それだけは正解とみなされ点数がもらえていた。
ほとんどそんな感じで、「偶然答えがあっていた」のでかろうじて0点を免れただけ。全然問題を理解していないことは明白だった。先生のコメントは、「時間がかかりすぎる。もっと名詞を勉強して下さい」だった。
あまりの低レベルに、びっくりした。このままでは、1年生に落第になってもおかしくない。
夫もこのテストをみて、ようやくニコちゃんに危機感を抱くようになった。今までは、「ニコは普通だ。Ergotherapieに連れて行ったり、検査に連れて行ったり、やることが大げさ」と私の行動に批判的だったが、そんなこと言っている場合ではない、と気づいてくれたことは、収穫だった。

にこちゃんの勉強やピアノの稽古をみていて思うのは、出来(やる気)にものすごくムラがある。「この子には脳みそがあるのだろうか?」と思うときと、「結構出来るじゃないか!」という時の差が大きすぎる。小児科医は、そういう状況を薬で改善したほうがいい、という。そうでなければ、能力があるのに、発揮できなくて、本人も不本意な生活を送ることになる、というのだ。その考えに、最初は嫌悪感を抱いていたが、もしかして、正しい考えなのかもしれない、と私は最近思うようになってきた。しかし、夫は、頑なに反対していて、私がニコちゃんに「注意欠陥障害」かどうかのテストを受けさせることに決めたときも、ものすごく非難された。

しかし、実は、先週の月曜日に、担当者と話し合ってきた。2月に申し込んだテストの順番がようやく廻ってきて、まずは、私と担当者だけで話した。ニコちゃんのことについて、いろいろなことを2時間にわたって質問された。そのとき、「ニコのいいところはどこですか?」という質問があった。そのとき私はすごく考え込んでしまい、すぐには返事できなかった。「私にとってはかわいい子ですが、具体的な言葉が浮かびません。」と答えてしまった。それまで短所をずらずらと説明できていたのに、子供の長所を言ってあげられないことに、かなり自己嫌悪。

今後は、ニコを交えて専門家との3者面談、2日間かけてニコちゃんをテスト(朝8時にニコちゃんを事務所につれていき、昼の12時に迎えに来てください、と言われた)、親への診断報告、の3ステップになるといわれた。まだ、それぞれの日程は決まっていない。

夫は、昨日のニコちゃんのテスト結果をみて、確かに、どこかニコちゃんのねじは緩んでいるのかもしれない、と相当危機感をもったようだ。義姉夫婦にも相談してみると言った。義姉夫婦は医者ではあるが、外科専門だし、ニコちゃんに最後に会ったのは3年前だし、旅行先の様子でしか知らない。そんな人に意見を求めても意味がないと思うのだが、投薬の是非については少なくともど素人よるは詳しいはずだ、というのが夫の考え。私の意見より義姉の意見なの?とちょっと不満。

来週も私はテストがある、会社法の問題で、利益の分配とか契約の有効性とか、ドイツ語力の低い私には、ハードルが高い。自分の勉強もしないといけないのに、ニコちゃんのことに何時間も時間をとられるので、イライラして、ついついどなってしまう。
「どうしてもっとさっさとできないのか!」
「同じことを何度も聞くな!」
「なんで、自分で考えようとしないのか?」
「なんでそんなにばかなの?」・・・・
とにかく、罵声が口をついて出てしまう。Ergotherapieやピアノの先生は、本当に忍耐強く、決してニコチャンをしからない。注意することはあるが、声を荒げることはない。ママはすぐに怒鳴るからいやだ、と昨日ニコちゃんに言われた。しかし、Ergotherapieやピアノの先生がニコちゃんにかかわる時間は45分とか30分と限られていて、時間がくれば、まだ途中でも、そこで終わる。私の場合は、時間で区切ることが出来ない。宿題は終わるまで、やらせないといけないし、簡単な問題に2時間、3時間かかるのが日常茶飯事で本当に疲れる。
今ニコちゃんに時間をかけなかったら、本当に1年生に落第する可能性さえある。でも、調子のいいときは、普通に2年生の問題がこなせるのに、1年生になったら、本当に勉強をしなくなってしまうと思う。どうしても、子供をほめて伸ばすことが私には出来ない。ものすごく危機感を感じている。





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最終更新日  2014年10月25日 19時57分34秒
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