ドイツでマルチリンガルを育てる

昨日、恵子への連邦奨学金が承認されたという通知が届いた。9月に最初のコンタクトをとってから、大量の書類を送付し、その都度不備を指摘され、何度やりとりをしたことか・・・
この奨学金は、BAFöG（バーフェック）と呼ばれているもので、支給額の半分は補助金として受け取ることができ、残りの半分がローンになる。このローンの条件は、無利子で、学業が終了した時点から5年以内に返済し始め、返済期間は２０年以内となっていた。
恵子への支給額は月額６４２ユーロ（約95.000円）。この算定基準は、基本支給額プラス住居援助プラス帰省費用プラス健康保険・介護保険費用。恵子の場合は、社会保険費がかからないが、保険を自己負担している人や、自宅からかなり離れたところに留学している人は、支給額がもっと大きくなるのだと思う。
日本では、大学卒業後、何百万円も奨学金を返済しなくてはいけなくて、返済不能な人も増えているというニュースを読んだ。恵子の場合、月々３２１ユーロの貸付金が生じる。もし、3年間奨学金を受けるとして、3年間で１１５５６ユーロ、日本円に換算して、１７０万円強の借金ができるわけだ。しかし、これを20年間で返済するとしたら、1ヶ月の負担は５０ユーロ弱。恵子が就職した後、問題なく個人で返せる額だ。

先日、大学内の日本人会のパーティーに参加させてもらったそうだ。学部生は恵子だけで、日本の大学から研究者として派遣されてきている人が多かったらしい。そういう人たちに、「日本の研究者の給料は安いし、選択肢が少ないから、やっぱり欧米にいたほうがいいよ。」と散々言われたらしい。「この大学の博士課程の学生は、日本の大学の教授と同じぐらいの給料をもらっているからね。うらやましい環境だよ。」とも言われたそうだ。パーティーに参加していた女性は恵子以外は皆さん研究者の配偶者の方々。みんなでクリスマスマーケットに行く話をしていて、いいなーと思った、といっていた。「私もご一緒させてください、って言えばよかったのに・・」といったら、「時間がない」と言われた。恵子の話を聞いていると、大学と家の往復だけの毎日。週末さえほとんど部屋にこもって勉強している。友達がいないのかな？と心配になる。
私の学生時代は、サークル活動とコンパとバイトの合間に講義に顔を出すような本末転倒な学生ばかりがまわりにいたが、欧米の大学の学生は大変なのか、恵子の学部が忙しすぎるのか、恵子がまじめすぎるのか、よくわからない。とにかく、今のところ、恵子にはバイトをする時間はまったくないので、奨学金がもらえるようになって、本当によかった。来年の2月末に、返還義務のない奨学金の選考会がある。2泊3日のセミナーに参加しなければ、受給資格が自動的に消滅するらしい。この奨学金はもらえること自体がステイタスらしい。もらえたらいいのだけど・・・・