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カテゴリ:子供
大晦日は、近所のヨハネス君一家と食事したあと、予想通り、カウントダウンの少し前に我が家の前に集まり、年明けとともにゼクトで乾杯し、子供たちは花火を楽しんだ。今年は雪がたくさんあるので、ロケット花火を打ち上げるのに、雪に突っ込めばいいだけだし、バケツの水を用意する必要もなかった。しかし、終わった後の花火の残骸を片付けるのは苦労した。
年が明けてからは気温が上がり始め、少しずつ雪がとけてきた。大晦日の日、午後、ニコちゃんはヨハネス君とそりすべりに行った。私が歩道の雪をきれいに掃除していた時に二人が帰ってきた。「ママ、鳥がいたの」といって、ニコちゃんのそりの上にのせていた鳥を両手で持ち上げて私に見せた。「羽が折れているみたい。かわいそうなの」と言った。「死んでいるんじゃないの?」と聞いたら、「うん」と答えた。それなのに、一緒懸命からだをなぜてあげているので、「もう死んでしまったものは手当てをしても意味がないから、どっかに埋めてあげなさい」と私が言うと、ヨハネス君が、「僕のママにもみせたいから・・・」といって、二人はヨハネス君の家に向かった。しばらくして、また戻ってきたので、「どこかに埋めてあげなさい」とまた言ったら、「学校に持っていってみんなにみせたい。」とニコちゃんが言い出した。「今、学校に行っても誰もいないよ。」と言ったら、「学校が始まるまで持っていたい。」というので、「あと1週間以上もあるよ。今すぐ埋めなさい」と強く命令したら、二人でしぶしぶうなづいた。 夕飯の席でも、その話になった。ヨハネス君のママが「あの鳥はどうなったの?まさか、ゴミ箱に捨ててないよね?」と聞いた。ニコちゃんとヨハネス君は、「公園に埋めた。」と言った。ヨハネス君のママは、「まさか、雪の中に埋めたんじゃないよね?こんな状況じゃ地面の土なんて掘れないよね?」と聞いた。案の定二人は雪の中に埋めたようだ。まったく・・・ ヨハネス君の家は教育者一家で、パパは少し離れたギムナジウムの校長、ママは近くの特殊学校(?)で宗教を教えている。特殊学校というのは、普通学級に通う能力がない子が行くところ。基本的には知能指数の低い子が対象のようだ。ニコちゃんの問題もあって、生徒はどんな感じなのかものすごく興味があって、たくさん質問してしまった。ADHSの子がいるそうで、薬を飲んでいる時はいいのだが、飲み忘れた時は、とてもじゃないが、手をつけられなくて、授業にならないそうだ。そういう子をみていると、薬を飲むのも致し方ないと思う、と言った。ただ、薬は持続力が短いので、薬の効力が切れる午後は反動でさらに手がつけられない状況になるらしい。怖いなーと思った。人数が少ないので、学年ごとの授業はできない。全部で2グループあるそうだが、1グループ7人でも一人の先生ではきついと言っていた。 特殊学校の子供は、がんばって卒業しても、「中卒」の資格さえもらえないらしい。特殊学校の卒業生を対象にした職業訓練校があるらしいが、やはり普通に就職するのは難しいらしい。 恵子は、大晦日の日は高校時代の友達の家でパーティーだったのだが、その前まで3日間マインツにいる友達の家にいた。友達はギムナジウムの13年生。「ギムナジウムでも13年生(G9)まである州がいまだにあるのですね。」とヨハネス君のパパに聞くと、「BW州でも、今はまたG9が復活して、13年生まで学べるようになったのですよ。」と教えてくれた。恵子や賢浩の時は、G8の選択肢しかなかったが、それでは詰め込みすぎで生徒の負担が大きいということで、G9が復活したそうだ。ニコちゃんがギムナジウムにいけるかどうかはわからないのだが、もしいけたとしたら、G9を選びたい、と思った。 大晦日の日、ヨハネス君のパパから、賢浩は、Sternsingerをやらないか?とリクルートされた。Sternsingerとは、東方の3賢者に扮し、各戸を回り歌を歌い、寄付金を集めるカトリック教会の慈善事業。恵子も賢浩も今まで何回かやったことがある。たいてい寄付金だけではなく、子供たちにお菓子もくれるので、1日やると手提げ袋いっぱいのお菓子が手に入る。賢浩はそのお菓子目当てにとりあえず一日やることを承諾した。ニコちゃんもお菓子がほしいから自分もしたいと言い出した、夫は、「じゃあ、僕も付添い人としてニコも連れて手伝いますよ。」と言ったら、ヨハネス君のパパが、「なんで、ニコも来るの?ニコは歌えないでしょ。」と冷たく言い放った。普通、Sternsingerに参加する子は、2-3回12月中に歌の練習に参加しなくてはいけない。それでも、ニコちゃんは行きたいと言いはるので、家で歌の特訓をした。 昨日は、ヨハネス君と同じグループに入れてもらい、夫が付添い人として各戸を回った。でも、家で練習した3曲とは違う歌を歌ったので、ニコちゃんは歌えていなかったらしい。本来は子供3人に大人一人の4人で訪問するのだが、昨日は、子供5人に夫、それから15歳ぐらいの女の子の7人で回ったそうだ。女の子は今まで付添い人をしたことがないので、どういうことをしなくてはいけないのか、経験を積むために経験者の夫と一緒に回ることになったそうだ。訪れた家の人は「まあ、なんて大人数・・・」と驚いていたそうだ。そのたびに夫は、「見習い中の者(Lehrling)もつれてきました。」と言って笑いを取っていたそうだ。 ニコちゃんは帰ってきてから、「ずっと歌を歌っていなくてはいけなくて、大変だった。」と文句を言った。「大変なら、明日はいかなくてもいいんだよ。」と言ったら、やっぱりお菓子ほしさに「行きたい。」ときっぱり。 夫は、ヨハネスとニコは雪合戦をやりだしたり、星のついている棒をスコップのようにして雪をすくったり、付き添いをしていて恥ずかしかった、と言っていた。 とにかくグダグダしていて、訪問予定区画の半分しか回れなかったそうだ。居留守を使う人も結構いるのだが、中には本当に彼らの訪問を心待ちにしている人もいるそうだ。道中、「私の家にはいつ来てくれるの?去年は待っていたのに、来てもらえなかったわ。」といわれたりしたそうだ。その人の家は訪問区画にははいっていなかったので、「よければ、ここで子供が歌いますよ。」と夫が提案すると「お願いするわ」といわれ、歩道で子供たちが老婦人のために歌ったそうだ。子供たちとしたら、お菓子ももらえないのに、歌うなんて・・ということなのだろうが、やっぱりありがたがってもらえたほうがいいにきまっている。老婦人は寄付をして満足げに帰っていったそうだ。 ほとんどの子供たちはお菓子がもらえるから参加している。慈善事業をするのにそういうモチベーションでいいのか?と疑問に思う。本当にこの行事を心待ちにしている人もたくさんいるので、賢浩やニコちゃんには、やるからにはまじめにやってほしいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年01月03日 18時40分26秒
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