ドイツでマルチリンガルを育てる

今日、夫と一緒に学習障害児支援センターに行ってきた。
ニコちゃんをテストした二人の先生にテスト結果を聞かされた。
結論を言えば、ニコちゃんの知能は平均よりやや上だが、集中力に問題があるADS注意欠陥障害にあてはまる、ということだった。
私は、文章で結果をもらえると思っていたが、全部口頭での説明だった。テスト結果については、ニコちゃんが全体でどのあたりにいるか見せてもらえたが、あとは客観的な診断ではなく、どちらかという先生の心象を聞いているだけだった。「意外な結果でしたか？」と聞かれたが、今まで散々耳にしてきたことと大して変わりはなかった。ニコちゃんの知能には問題ないことがわかっただけが収穫といえる。

「今回の結果は、レポートのような形でもらえるのでしょうか？」と聞いたら、「私たちはフルタイムで勤務していないし、たくさんの家族との面接をこなさなくてはいけないので、レポートを書く時間はありません。」といわれ、少しがっかりした。

ニコちゃんの弱点は、５+７-4+・・・・というように、5+7を計算し、その答えにさらにたしたり引いたりしていくような積み重ねを必要とするタスクにあるといわれた。
あと、（　）＋８＝１０-１というような式は、ことごとく、イコールの後の右側の最初の数字が答えになるような数字をいれていた。いつものことだが、やはり作業に時間がかかりすぎるとも指摘された。自分に自信をもっていない、ということも今回はじめて言われたわけではない。
夫は、「自分の興味があることには集中できますが、そうでないものは、やる気をみせない。それはニコの個性とはいえませんか？」と聞いた。先生は、「学校の勉強は必ずしも興味あることばかりではない。しかし、学習しなくてはいけないことです。興味のあることしかできないというのは十分に問題ありなんです。」と言った。

先生方からの提案は、
１．ADS,ADHSの子供を持つ親を対象にしたセミナーに参加する。そうするといろいろな情報を共有できる。
２．薬を飲む
３．支援センターの先生によるセラピーを受ける。ただし、週1回1時間、10回が上限。
だった。
Ergothrapieはすでに60回も通っており、これ以上通っても効果は期待できないのではないか？とのことだった。Logopaedieについては、ニコちゃんの場合、発音には問題なく、問題は文法や語彙力だから、処方箋をもらうのは難しいだろうとの判断だった。

私からは、現状では担任の先生からの協力は期待できない（ニコちゃんのクラスにはニコちゃんよりももっと授業の妨げになる子がいるから）ので、補助教員をたまにつけてもらえないか？と聞いてみた。支援センターの先生は、「補助教員は、もっとできない子につけるもので、ニコには望めないと思う。」と言った。しかし、ニコちゃんは、1ヶ月に1回ほど、３－４人のクラスメートと一緒に別の先生に算数を教えてもらっている。そのことを告げると、「まあ、そういう制度もあるんですけど、それほど頻繁には望めませんね。でも、一応担任の先生と話してみますね。何のお約束もできませんけど・・・」と言ってくれた。

とりあえず、早速来週から、週に1回、支援センターでセラピーを受けることにした。場所が離れているので、週に1回通うのは大変ではあるが、仕方ない。
この結果をもらうまでに、10ヶ月かかったが、結局はドラマチックな結果にはならなかった。
ほとんど今までと変わりない。
夫は「小さいことなのに、大騒ぎして馬鹿みたいだ。ニコは今のままでいい。もう少し、僕たちが本を読んだり一緒に遊んだり、ニコと一緒に何かをする時間を取ってあげればいいことなんだよ。こんなセラピーとかテストとか、大げさすぎる。」と言った。私は夫の考えには賛成できないが、夫からは「絶対に薬なんて飲ませるな。」と何度も釘を刺された。

そういえば、支援センターの先生からニコが描いた絵を見せられた。家族を動物にたとえた絵を描いて、とニコに指示したところ、自分自身はウサギで、理由はかわいいから、と言ったそうだ。紙の真ん中にかわいいウサギとにんじんが小さく書かれて、その上にニコと書いてあった。ママは小さいからねずみなのだそうだ。ウサギの横に豆粒みたいなねずみの絵があった。賢浩はドラゴン。辰年生まれだからだそうだ。口から火を吹いていた。そのあと、ニコはネタが尽きたのか考え込んでしまったらしい。パパはこうもり（私にはどちらかというと、ふくろうの絵に見えた）、恵子は猫だった。理由の説明はなかった。家に帰って、ニコちゃんにどうしてママはねずみなの？と聞いたら、「でも、チーズも書いてあったでしょ？」と言った、絵が小さすぎてチーズには気がつかなかった。自分自身をウサギと書いたのと賢浩がドラゴンなのは、なんとなくわかるけど、あとはやっぱり意味不明。パパが「どうしてパパがこうもりなの？」と聞いたら、「えっ？こうもりだった？」と言った。たぶん、適当に思いついたのを書いたのだろう。自分でも何を書いたのか忘れていたようだ。
明日から新学期。
心機一転、頑張って欲しいなー。