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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2015年01月15日
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カテゴリ:子供
火曜日はニコちゃんのピアノのレッスンの日。
クリスマスの休みで3週間も間があったので、前回出されていた宿題はほぼ完璧に弾けるように練習していった。しかし、先生の前ではミスを連発。同じ箇所を何度も間違え、その都度先生にもう一度弾いてごらん、といわれる。家でだったら、ニコちゃんはかんしゃくを起こしてしまうところだが、先生の前では不思議と従順だ。宿題の中に、ハ長調の曲があった。それを二長調に直して弾いてごらん、と先生が言った。私が言ったら、「なんで、そんなことしないといけないの?」と文句を言うはずだが、先生の指示には従う。

その後、先生が新しい曲のコピーを渡して、「この曲を今度の発表会で弾いたらどうかな?っておもうの。まだまだたくさん時間があるから、少しずつ練習していこうよ。」と言った。「ピーターとオオカミ って聞いたことある?」と先生が聞いた。ニコちゃんは知らないといった。私は、「羊飼いのピーターがオオカミが来た!とうそばかりついて村人をだましていたので、本当にオオカミが来た時には村人はまたうそをついていると思って誰も助けに来てくれなかったっていう話を何度もニコちゃんにしてあげたのに、覚えてないのかな?」と思った。しかし、その話ではなかった。
ピーターとオオカミというのは、ロシアのプロコフィエフ(S.Prokofiev)が作曲したナレーターつきの「子供のための交響的物語」。いろいろな動物が登場する。ニコちゃんに割り当てられたパートは小鳥。本来はフルートが担当する。かなり高音で、小鳥がさえずるような弾き方をするところがある、ニコちゃんは、それがとても気に入ったようだ。

半分ほど練習して、また違う曲を先生は導入した。
バッハ(J.S,Bach)のブーレ。
ニコちゃんは、「ブーレって何?」と聞いた。私も知らなかった。先生は、「フランスのダンスだよ。」と説明した。楽譜の上に、バッハのイラストが書いてあった。「昔は、こんなカツラをかぶって宮廷でダンスをしたりしていたんだよ。」と付け加えた。ニコちゃんは、「前にもバッハの曲をしたことがあるよ。」と言った。先生は、「そうだったけ?忘れちゃったなー。もしかして、こんな曲だった?」と弾いてみせた。確かに、そんな曲をニコちゃんは練習したことがあった。私も忘れていたことだった。でも、ニコちゃんの記憶の中には残っていて、そのことがわかってうれしかった。

中味の濃い30分だった。「もしかして、これからはもう少し長い時間レッスンをお願いしたほうがいいのかしら?」と思うほどだった。先生も、「今日はすごく集中していたね。」と言った。
こういう場面に遭遇すると、ニコちゃんが注意欠陥障害とは思えなくなる。30分ぐらいなら、調子がいい時は、集中を持続することができるのかもしれない。なんだか、明るい兆しが見えた気がした。





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最終更新日  2015年01月15日 14時10分04秒
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