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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2015年02月05日
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カテゴリ:子供
寒い日が続いている。
火曜日はマイナス10度だった。
昨日も寒かった。
しかし、賢浩の代わりに新聞配りをしなくてはいけなかった、火曜日、水曜日とダッハウ強制収容所を見学のため、賢浩がいなかったからだ。歴史の授業の一環で、わが州のギムナジウムに通う生徒は9年生で強制収容所を見学するのは義務だそうだ。
昨日は、新聞配りを終えて、すぐにニコちゃんの担任の先生と面談。火曜日にほとんどの保護者が面談を終え、昨日は残りの5人だけ。私の順番は一番最後だった。一人10分の面談時間。予定の10分前に教室の前に着いたのだが、まだ私の前の人も廊下で待っていた。10分では足りなくて、一人15分から20分かかっており、結局私は30分待たされたが、最後だったので、後の人を気にせず、好きなだけ話すことができた。

まず、先生から、ニコちゃんのテスト結果と今までの評価を聞かされた。
ドイツ語は、短いテキストを書き写す問題が、最低の評価「6」だった。しかも、2回も「6」がついている。賢浩も今まで「5」という評価をもらってきたことはあったが、さすがに「6」はなかった。ニコちゃんは、軽々と記録を更新してくれる。
先生は、「子供たちに自己評価をしてもらいました。ニコは、ほぼ全ての項目について、自分は上手にできている、と評価しています。しかし、書き写しは、どうみてもよくできる評価にはならないはずです。もし、自分で、本当に上手にできていると思っているのなら、改善が期待できません。そのほかにも、自己評価が高すぎる項目が多いです。自分がどこができないのかわかっていないのは、問題です。」と言った。
しかし、直近のテストを見せてもらったら、ドイツ語の読解問題も、算数もかなりよかった。今まではクラス平均の3倍の時間をつかっても空欄が目立っていた答案だったのに、クラス平均を上回る速さで解答し、しかも、算数は、足し算と引き算を間違えたケアレスミスを一問しただけであとは全部正解だった。先生もその進歩に驚いていた。全般的に、ニコちゃんの成績は向上しているとのことだった。
英語についてはすごくほめられた。「私が言うことを全部理解しています。とてもよくできます。」とのことだった。
生活面では、友達にすぐちょっかいを出したり、人との距離がうまくとれない時も多々ある、と言われた。
教室では、おとなしい子の隣に座っていたり、前方に座っている時はいいのだが、後ろに座っている時は、まったく話を聞かない、と言っていた。また、クラス全員に「XXXしましょう」と話しかけても、ニコは聞いていないで、無反応らしい。「ニコ、XXXして!」と個人的に話しかけないと聞いてもらえないそうだ。
また、手を上げて発言する時も、指名しても、「あれ、何を言おうとしたか、忘れた」ということが多いそうだ。
先生の話は、家でもそうなので、特に驚くことはなくて、「やっぱり・・・」と思うことばかりだった。

私からは、注意欠陥障害の可能性が高いといわれたこと、学力的には問題がないが、言葉の発達問題とも関係していて、新しい項目を理解するのに時間がかかるので、配慮をしてほしいことなどを伝えた。先生には、注意欠陥障害という診断を書面でもらわないと、サポート体制が組めない、と言われた。私も書面で報告書がほしいと学習障害センターにお願いしたが、無理だったと説明したが、正式な書面がないと対応が難しいとのことだった。
週に1回、定年になった先生がサポートに来てくれる。クラスで交互に2-3人の生徒がその先生と勉強する時間が1時間ある。なるべくニコがその先生と個人的に授業できるように配慮しますという解答をもらった。

現在、ニコちゃんは、学習障害センターで、週に1回、1時間程度、先生とマンツーマンで勉強している。ドイツ語だったり、算数だったり、内容はその時々で変わる。先生は、「ニコは理解力もあるし、あまり問題は感じない」と言った。「ニコは、明るくて楽しい子ね。」とも評していた。ニコちゃんは、人見知りがすごく激しいし、誰にでもうちとける子ではない。まだ数回しかあったことのない先生にこれだけフランクに接することができるのは、やはり専門家だけあって、子供の扱いがうまいからだと思う。

例えば、ニコちゃんには、「注意深く問題を読む」「注意深く人の話を聞く」という基本的なことが抜けているのだけど、先週の補講のあとで「よく問題を読んだり聞いたりするのはすごく大切なことなんだよ。ニコだけじゃなくて、大人だってそうしないといけないんだよ。」と先生はニコちゃんに諭した。
ニコちゃんは「ママも?」と聞いた。先生は、「そうだよ。ママもパパもみんなそうだよ、ママがここにニコを連れてくるのに、車を運転してくるでしょ。その時、信号を見なかったらどうなる?止まれって標識があるのに、止まらなかったどうなる?」と言った。ニコちゃんは、「わー。そしたら、事故になるよ。」と言った、「そうでしょ。お医者さんだってそうだよ。患者さんが、右足を骨折しましたって言ってるのに、よく聞かないで、左足にギプスをしちゃったらどうなる?」
こんな風に、身近なたとえをあげながら、よく見る、よく聞くことの大切さをニコちゃんに教えていた。ニコちゃんも笑いながら納得していた。先生の言い方やしぐさが大げさで、私でさえ、先生と一緒にいるのが楽しいと思えた。

ニコちゃんは、担任の先生のこともすごく好きみたいだ。こういう言い方は語弊を招くかもしれないが、今の担任の先生は、お子さんがいらっしゃないので、家庭で自分の子育てに時間を割かなくてもいい分、クラスのためにものすごく時間を使ってくれているように思える。ピアノの先生もいい人だし、学習障害センターの先生も理解のあるすばらしい人。周りに恵まれて、ニコちゃんも少しずついい方向に進んでいるように思える。





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最終更新日  2015年02月05日 13時14分44秒
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