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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2015年03月05日
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テーマ:海外生活(7773)
カテゴリ:子供
先週末、奨学金の選考会があり、恵子はライン川のほとりの町まで行って来た。
2泊3日の選考会では、個人面接が2回、グループでのプレゼンとディスカッションが行われた。
グループは6人一組だったが、一人が参加しなかったので、5人。プレゼンテーションのテーマは時事問題であれば自由だか、プレゼンの後、グループでディスカッションがしやすいテーマを選ぶように指示されていた。一人の持ち時間は7分。その後10分間の討論。恵子は、「地球温暖化に対するメディアの影響」についてプレゼンした。プレゼンテーションはまあまあだったが、その後の討論があまりよくなくて、たぶん選考からもれると思う、という弱気な発言をしていた。討論では、とにかく話した者勝ち。誰かが話している時に、それをさえぎってはいけない。しかし、一人の男の子はいつも先頭を切って話しはじめ、長々と話すので、他の人の話す時間がなくなってしまったそうだ。その子が終わってようやく自分の意見を言おうと思うと、先に他の人に話し始められてしまう。外国語大会でも、ギムナジウムの選考会の時も、いつもそうで、「全然話せなかった~」と嘆き、その結果、期待していた結果が出ないことばかり。

個人面接では、1回目は結構意地悪な人で、話がかみ合わなかったが、2回目の面接官は、ものすごくいい人で、45分も話してしまった・・・と言っていた。
1回目の人からは、「夏休みにアメリカの国立衛生研究所で研修したことを詳しく話してください」と言われたそうだ。恵子は、メタボ研究のセクションに入れてもらったのだが、どういう実験をしているかということを詳しく話した。すると、面接官は「私が細いのは、家の温度が低いからなのねー」と感想を言い、恵子が話したこととはあまり関係なかったので、リアクションに困ったそうだ。この人は私の話に興味がないんだな、と思ったそうだ。
そのほか、「この奨学金をあなたはどういう形で還元できると思っているか?奨学金を出すことで、私たちはあなたからどんなメリットが得られるか?」ときかれたそうだ。恵子は答えに詰まった、と言っていた。「私はこんなにすごい。」ということは、自慢話みたいで言いたくなかった・・と言っていた。しかし、自分はこんなに優れているということをアピールするのが選考会の目的ではないのか?この場合、能ある鷹がつめを隠すのが美徳ではない。隠していては、誰も爪を持っていることに気づいてくれない。とりあえず恵子は、「私はマルチカルチャーのバックグランドを持っているので、他の人とは違った視点から物事を見ることができると思う。また、年齢も他の人に比べ、若干若いので、違ったインパクトを与えられると思う。」と答えたら、「年齢差はあと1-2年もしたら関係なくなるでしょ。」と冷たく言われたそうだ。まあ、確かにそうだけど、現時点では、この1-2歳の違いが結構大きいのだけどなー

そのほか、「どんな社会的貢献活動をしているか?」と聞かれたそうだ。恵子は、「xxxとxxxxをしているが、それを社会的貢献と言っていいかわからない。」と謙虚に答えたら。「なんで?」と質問されたそうだ。恵子は、バカ正直に、「それほど仕事がないから。」と答えたそうだ。バカだなーと思った。でも、恵子は、「大学の勉強が忙しすぎて、社会的貢献活動をする時間がない。大学生は、勉強することが本分ではないのか?社会的活動をたくさんできる学生は、たいした勉強をしていないということではないの?そういう質問は不公平だと思う。」と私に不満を漏らした。

2回目の面接官は、スイスの大学で教えている人で、恵子の状況をものすごくよく理解してくれていた。
「君は、あの大学のこの学科にいるなんて、ものすごく忙しいでしょ?趣味をしている時間が君にあるとは思えなかったから、あえて自由時間の活動を聞かなかったんだよ。」と言ってくれたそうだ。恵子が、「バイオリンが趣味でオーケストラに入りたかったけど、選考会で落ちた。」という話をしたら、「落ちた時、どう思った?}と聞かれたそうだ。「私はいつも1回目の挑戦ではいい結果が出せない。高校の入学試験も補欠だったし、中国語大会も2回目でようやく賞がもらえた。大学も試験を受けなくてはならなかったし、スムーズに結果を手に入れたことはない。だから、今回もそうだと思っていた。次のチャンスに頑張りたい。」と答えたら、「君はすごいね。あきらめない子なんだね。」と言われたそうだ。
振り替えができないので、7月に中国に1ヶ月の語学研修に行くという話をしたら、「それは最悪だね。」と言ってくれたので、「この人は私の立場をすごくわかっている。」と思って感激したそうだ。中国に行くというと、みんな「いいねー」としか感想を言わない。しかし、8月は試験期間。その試験がどんなに大変かということを、スイスの大学で教鞭をとっている面接官はよくわかっているからこそ、「最悪だね」という感想になったのだ。
家に帰ってから、この教授のことを調べたら、優れた教育者に送られる賞を受賞したこともある人だということがわかったそうだ。恵子の隣の大学で教えていることもわかった。「本当にいい人だった。話していることが楽しかった。こういう教授に教わる人は幸せだと思った。」と感想を述べていた。

この奨学金を今までもらった人のリストがあるそうだが、ノーベル賞受賞者をはじめ、そうそうたる顔ぶれ。しかし、その中に、ドイツ赤軍のメンバー数人いるそうで、ある意味、ドイツ政府はテロリストを援助していたことになる。なんだが、すごいなーと思った。

昨日、電話で話した時、「今日は、夕方に買いものに行ったら、ラズベリーが安くなっていたのでうれしかった。」と言った。夕方に買い物に行くと、賞味期限が切れそうな商品が安くなっているので、うれしい、と言ったので、「なんか、恵ちゃんって主婦みたいね。」と私がおちょくったら、「えっ?そう?それを言うなら、典型的学生ね、が正しいんじゃない?」と言われた。私は自宅通学だったし、友人の大半もそうだったので、学生が夕方のセールを狙ってスーパーに買い物に行くイメージがない。ちょっと目からうろこだった。





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最終更新日  2015年03月05日 14時21分26秒
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