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賢浩のドイツ語のテストが返された。
結果は、「4」。 賢浩は、2ヶ月前からドイツ語の家庭教師に家に来てもらい、1週間に1回1時間半教えてもらっている。先生は、いろいろな子供に教えた経験があるそうだが、今まで自分が教えた子の中で、テストの成績が「2」に届かなかった子はいなかった、と賢浩の成績にショックを受けていた。次回も点数が上がらなければ、家庭教師を辞めたい、と言われてしまった。そもそも賢浩にやる気が無く、本人も望んでいないのに、義姉の命令で、強制的に家庭教師をつけている状態。先生は、「彼のドイツ語力には問題はないが、文章を書く力がない。彼の書く文には形容詞が少ない。構成力もない。もっと本を読むべきだ。」と言う。ごもっともなのだが、本人は片時もスマホをはなさず、ゲーム三昧。1冊も読まない月のほうが普通。 確かに生徒側に問題があるのだけど、問題があるからこそ家庭教師をお願いしているわけで、こちらもそれなりの報酬を払ってる。彼女は、「私が教えて、成績が上がらないはずがない。上がらないのは、生徒自身の問題。」と言い切る。その自信がすごいと思う。 この辺でチェーン展開(?)をしている塾があり、そこは「成績向上を保証。成績が上がらなければ、全額授業料を返金します。」とうたっている。賢浩の家庭教師はそれとは全く反対の考え方。非常に興味深いと思った。 私のほうも、所得税法のテストが返された。 今回は、初めてクラス平均を上回ることができた。 先生は、「今まで3回テストをしたが、今回のテストの成績を2倍にして、今までのテストの成績を足して4で割った成績を最終成績とするか、追試を受けて、4回のテストの成績の合計の平均を最終成績とするか、自分で決めてください。追試は2週間後です。」といった。私はそれまでの2回の成績が非常に悪く、今のところ平均が3.2。もし、追試を受けなければ、最終成績は3.1になる。それではあまりにも低いので、先生に、「追試を受けたいです。」と申し出た。先生は「あなたの場合、たとえ追試で1をとっても、平均は2になりませんよ。受ける意味が無いです。」とあっさり言われた。1.5未満が1、2.5未満が2、3.5未満が3、4.5未満が4で、これらの成績は一応合格の範囲。私の場合、いくら頑張っても2.5未満にはならないので、受ける必要がないと言われたわけだ。それは事実だろうが、それでも、追試を受けるとなれば、それなりに勉強をするわけで、先生としては歓迎することなのではないかと思っていたのに、テスト問題を作るのも面倒だし、点数をつけるもの面倒だから、なるべく受けないで欲しいなーという態度がありありだった。もともとは4回試験があり、授業も6月半ばまでという話だったのに、6月は休暇をとっているから、授業は5月まで、と勝手にスケジュール変更。なんかすごくいい加減だな~と思った。 来週は簿記のテストもある。簿記はパズルをといているようでおもしろい。それほど難しいとは思わないのだけど、問題はやはりドイツ語。問題文によっては、ややこしい書き方がしてあり、家賃収入なのか家賃を払わないといけないのか、請求書が手元にあるのかないのか理解できないことがある。 今日もいくつかの問題を解いた。取引先がドイツ国内か、EU圏内か、その他(第3国)かで帳簿の付け方が変わってくる。クラスメートの一人が、「先生、ノルウェーはEUですか?」「スウェーデンは?」と質問した。ほとんどのクラスメートは知らなかった。日本の高校生でも知っている知識ではないだろうか? 今年は、第二次世界大戦が終わって70周年。数カ月前には、アウシュビッツ解放70周年記念の行事の話がカーラジオから流れたので、アウシュビッツってポーランドにあるんだよね?と言ったら、クラスメートに「知らない」と即座に言われた。ヨーロッパのことでさえ、興味が無いのだから、日本や他のアジアの国を知らないのは当然といえば当然なんだろうな、と納得した。 日曜日に、我が家に物乞いが来た。ニコちゃんがドアを開けてしまい、「ママ、誰かいるよ」と私を呼びに来た。女性が一人立っていて、私にドイツ語で書いたメモを見せた。彼女は、「お金を恵んでください。私には家もありません。」といった。それで、「どこに住んでいるのですか?」と聞いたら、「テント暮らしをしている」といった。「どこですか?」と聞いたら、20kmほど離れた町の名前をあげた。「どうやってここに来たんですか?」と聞いたら、「歩いてきました。」といった。私は、「近くに教会があります。そこに行けば、助けてもらえると思いますよ。」というと、「もう教会には行きました。教会は何にもしてくれません。」といった。「そんなことないですよ。XXXにも慈善団体の事務所がありますよ。」と伝えると、「子供がお腹をすかせています。お金をください。」とそればかり。頑なに「教会に行ってください」と言い続けたら、帰っていった。 かわいそうな気もするのだけど、ああいう人達は、その家にどんな人が住んでいて、どんなものを持ってるのかなどを「下見」する係だという話をよく聞く。一度施しをすると、仲間内にあっという間に広がり、いろいろな人が来るようになるのでやめた方がいい、とみんな言う。 それにしても、テントに住んでいるとか、20kmの距離を歩いてきたとか、胡散臭いと思った。 この話をクラスメートにしたら、「ルーマニア人だった?」と聞かれた。「そこまではわからない」と答えると、「肌の色が濃かった?髪は黒かった?」と聞かれた。なんだか、ちょっと差別的な感じがして、いい気持ちがしなかった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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