ドイツでマルチリンガルを育てる

今朝はバスの中で熟睡してしまい、気づいたら車庫にいた。
運転手さんに、「あのー、ここはどこでしょうか？」と聞いたら、「どこにいたんですか？」と驚かれた。後ろの方の座席に座っていたので、運転席からは見えなかったのだろう。
「隣のバスがまた駅まで行くからそれに乗りなさい」と教えてくれた。
ドイツで寝過ごしたのは初めて。本当に恥ずかしい。

途中の駅でクラスメートにいつも会う。彼女と話しながら通学するのも楽しい。
今朝は彼女が「ニュースを見た？オーストリアで・・」と話しかけてきた。
オーストリアで、放置トラックの荷台から難民の死体が見つかったという悲惨なニュース。実に７１人もの難民が荷台に詰め込まれていたらしい。トラックはハンガリーからきたようで、トラックの運転手と所有者は逮捕されたが、今朝の時点では捜索中だった。毎日のように難民のニュース。ドイツでも難民が来ることに何色を示している人が多く、難民用の住宅が放火されたりなどの事件も起こっている。でも、クラスメートの彼女はとても優しい人で「命からがら逃げてきているのだから、みんなで救いの手を差し伸べてあげなくては・・・」と力説した。

今週、恵子が久々に家に戻ってきたのだが、今日また香港に向かって飛び立った。
まったく忙しい子だ。
昨日は元クラスメートと会う約束をしていて午後３時に家を出て行った。
帰ってきたのは午後８時過ぎ。
地元のアイスパーラーに実に５時間近くもいたことになる。
暑い日だったこともあり、アイスパーラーにいたら、次から次へと見知った顔に出会い、いろいろと話しが長引いたようだ。

今日は恵子と買い物に行った。中国で知り合った香港に住む「ドイツのチーズが大好き」な子にお土産を買いたいと恵子が言うので、チーズ屋さんがはいっているスーパーに行った。「強めのチーズが好きな友達へのおみやげを探している」と相談したら、色々なチーズを少しづつスライスして試食させてくれた。エスプレッソ味というチーズがあった。面白い味だった。アメリカ産と書いてあったので、お土産にはどうかと思ったが、話の種にオモシロイと思って義父母用に買ってみた。ほうれん草のような色のチーズもあった。バジリコ入りだそうだ。試食させてもらったら美味しかったので、それも義父母用に買った。そのほかにも、結局試食させてもらったものをすべて買った。あんまりチーズに興味が無かったのだけど、結構奥が深いな、と思った。

スーパーの中で、恵子は「久しぶり！」と男の子から声をかけられた。小学校の時のクラスメートだった。小学校のときのその子の印象は「勉強のできるおとなしくて気が弱い男の子」。ところが、すごくかっこいいスポーツマンタイプに成長していた。それにすごく饒舌だった。その子もお母さんと買い物に来ていて、お母さんはとっくに会計を終えて外で待っているのに、彼はおかまいなく恵子と話していた。
あとで恵子に「何くんだっけ？」と聞いたら、「私も名前が思い出せないの。まだバイオリンをしているの？って聞かれて、なんでそこまで覚えているんだろうって思ったよ。彼も何か楽器をしていたのかな？って思い出せなくて、とりあえず、あなたは？と話をふったら、僕はもうクラリネットはしていないよ、って言ったから、ホッとしたよ。でも、昨日もアイスパーラーであった子が、最初は誰だかわからなくて、申し訳ない気持ちになった。」と言っていた。
「でも、やっぱりこの街は小さいね。どこに行っても知っている人に会うよ。この４年間、ほとんどここにいなかったのに、みんな覚えていてくれてうれしい。」と言った。

今日スーパーで会った男の子は今年ギムナジウムを卒業して、１年間は病院で社会奉仕活動をするそうだ。その後は大学に行こうと思っているけど、何を勉強するかは決めていないとのこと。
昨日会った友達は、ギムナジウム卒業後医学部を目指していたが、医学部から入学許可がもらえなかったので、浪人するつもりで１年間病院で研修をしていたのだが、「医学は自分のしたいことではない」と思ったらしく、音大をめざすことにしたらしい。恵子は「すごいよねー、すごいよねー」と何度もうらやましそうに言っていた。

明日からまた独り身生活。
結構快適で、全然寂しいなんて思わない。
もしかして、私って共同生活にむいていないのかも・・・と今更思う。