|
カテゴリ:子供
今朝、車の中から前方に大きなお月様が見えた。後方には朝日。なんだかとても贅沢な気分になった。
賢浩の生活態度は以前と大差ないように見えるが、本人は「10年生からは頑張る」と言っている。とりあえず、テスト勉強は必ずすると決意したようだ。 月曜日にフランス語の単語テストがあった。「ママ、一緒に勉強してくれる?」と週末頼まれた。一緒に勉強というのは、私が問題を出し、賢浩が書き込み、私が採点する、ということをさす。土曜日から始めたのだけど、ほとんど覚えていなくて、「大丈夫なの?」という感じだった。日曜日もフランス語と木曜日にあるプレゼンテーションの準備を手伝った。賢浩は一人では面倒くさくてできない性格で、誰かに尻を叩かれなければゲームばっかりしてしまう。日曜日は、夜11時すぎまで勉強した。いつもは、適当に何回か練習したらやめてしまうのだが、今回は「全問正解するまでやり続ける」と頑張った。だから、先週末は賢浩と二人で部屋にこもっている時間が長かった。 その時、賢浩と勉強のことだけではなく、いろいろなことも話した。なぜ、いつも夫のいとこのCさんと長電話しているのか?何を話しているのか?と聞いたら、「いろいろ相談に乗ってもらっているよ。Cさんも3人姉妹の真ん中だから、両親から疎外されて育ったという共通点があるからね。」といったので、びっくりした。「えっ?そう思っているの?」と聞いたら、「思っているよ。ママはいつもニコちゃんのことばかり。パパは恵ちゃんのことばかり。僕のことなんて誰も気にしていない。」と答えた。カリフォルニアに住んでいる夫のいとこJさんも香港に来ており、Cさん、Jさん、夫の2番めのお姉さんと賢浩は、いかに3人兄弟の真ん中は不遇されているかという共通の認識で絆を深めたらしい。 賢浩と進路についても話した。今までは銀行家になりたいと言っていたのだが、Cさんのお姉さんと妹が銀行家で、出張ばかり、残業ばかりで、そういう現実を目の当たりに見て、嫌になったらしい。賢浩は、獣医になりたいといったのだが、ハイデルベルグ大学では学べないと知って、獣医学をやめて、医学を勉強したい、と言い出した。「医学部は成績が1.0ぐらいでないと無理だよ。特に、ハイデルベルグの医学部はドイツ国内で一番難しいって聞くよ。」と言ったら、本当に涙目になっていた。私は、幼なじみの女の子がハイデルベルグに住んでるから、賢浩はハイデルベルグ大学に行きたいと言っているのかと思っていた。しかし、どうやら、Cさんが、賢浩に薦めていたようだ。賢浩の今の成績では無理だと思う、と正直に話した。すると、賢浩は「ママは、僕がやる気になったのなら、全面的に応援するって言ったよね。あれは嘘なの?」と抗議した。私は黙ってしまった。 恵子に相談してみた。恵子は「賢ちゃんとさっき話したけど、遺伝子工学とかそういう方向に行きたいみたいだよ。私よりもずっと明確にやりたいことがわかっていて、すごいなーと思ったよ。」と言った。私は「でも、やりたいこととできることは同じではないからね。恵ちゃんは、できることが多いからどれでも選択できたけど・・・」と言ったら、「やりたいという気持ちがあれば、できないことはないはず。絶対に大丈夫だと思う。」と言い切った。 とりあえず今の私にできることは、何があっても味方でいてあげること、全面的に応援すること、疎外感を感じさせないこと。賢浩がこんなことを考えていたなんてびっくりした。なるべくいいところを見つけてほめてあげよう、やる気にさせよう、と思う。Cさんとの長話は「時間の無駄」と思っていたけど、きっとCさんには賢浩は正直な気持ちを打ち明けることができ、いろいろアドバイスをしてもらっているのだろう。Cさん自身、すごく頭のいい人で、電気工学で博士号をとった(しかも、大学を首席で卒業した)のだが、そのあと心理学を学び、現在は大学で心理学関係の仕事をしているそうだ。大学で働いていることは知っていたが、てっきり電気工学を教えているのかと思っていた。最初、大学に来たばかりの時は、職場でゴミのように扱われていたが、今では地位も上がって、すごく居心地が良くなった、と言っているそうだ。 香港で賢浩は、夫の親戚や友達に会う機会があった。弁護士や起業家、銀行、大学、IT・・・それぞれの分野で成功を収めた人が多く、刺激を受けたのだと思う。自分もこのままではダメだ、頑張らないと・・・と思ったのだろう。それほどドラマチックに変わったとは思わないけど、いい方向に舵を切り始めたように見える。このままAbiturまで頑張ってほしいなー。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年09月29日 23時30分41秒
コメント(0) | コメントを書く |