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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:子供
恵子から時間があるときにSkypeをしようと打診があった。
珍しいなと思いつつ、何か相談があるのかと心配になった。 今週はあまり授業に出ていないといった。 授業にでても面白く無いし、最近すごく疲れているからだそうだ。 私は「え-、大学の授業で面白いなーと感激したことなんて一度もないよ。」と経験談を話したら、「そんなことはない。いい先生なら、その学問がどんなに面白いか伝えられるはず。高校のとき、ITの授業は本当につまらなかったけど、今はITの先生が面白いから、授業も面白いと感じる。環境学だって面白いはずなのに、授業にでても、すごいなーと思うことがほとんどなくてがっかり。家で専門書を読んでいたほうが面白い。それに400人も聴講生がいるのに、一人も知っている人がいなくて寂しい。」と言った。恵子の友達はほとんど生化学の分野に行って、環境学の授業に出ている人が一人もいないのだそうだ。でも、友達と同じにしたいからという理由で専攻を決めたくはなかった、とのことで、恵子は我道を行った。その結果がひとりぼっち。 「みんな学生時代が一番楽しい時代だったというけど、私にとっては高校時代のほうが楽しかった。」と今の自分の状況を嘆いていた。 高校時代の友人から手紙が送られてきたそうだ。紙の真ん中に「大学生活」と書いてあり、三角形でその文字を囲んである。3辺にはそれぞれ、「良い成績」「社会生活」「充分な睡眠」と書かれており、一番下に、「この中の2つしか手に入らない」と注釈がついていたそうだ。でも、その友達自身は「今は2つどころか、一つしか手に入れられない状況だ。」と言っていたそうだ。恵子も激しく同意していた。 恵子の悩みは、たぶん、自分が何をしたいかわからない、ということだと思う。将来、漠然と環境に関わる研究がしたいと思っているようだが、具体的なイメージはわからないと言う。香港で「環境学を学びたい」と言ったら、ほぼ全員から「うわー、暗い話ばっかりで悲観的になりそう」とネガティブな反応をされたそうだ。環境問題というと、ごみ問題とか、地球温暖化とか、砂漠化とか、海洋汚染、大気汚染、絶滅危機の動物たちとか、考えるだけで落ち込みそうな話ばかり。しかし、恵子は「問題の解決策を考えることはポジティブなことだと私は思う。」と反論していた。 恵子がある講義に出席していたとき、教授が恵子の横に来て、「君は恵子ですか?」と突然聞いたそうだ。400人ぐらい学生がいて、出席も取っていない授業だったのでびっくりしたそうだ。 「君は、僕にメールをくれたよね?きっと君が恵子なんだろうな、と思ったけど、ビンゴだった。」と教授は楽しそうに話したそうだ。 恵子はL君たちとオーケストラを立ち上げようと部員募集をしていた。音楽好きが集まるネットコミュニティが有り、そこに登録している人すべて(80人ぐらい)に「一緒に音楽をしませんか?」という勧誘メールを送ったのだが、その中の一人に教授もはいっていたらしい。教授からは「お誘いありがとう。でも、僕はもう白髪の大人だから、そのグループには合わないと思います。」という断りの返事がきたそうだ。恵子は教授とは知らずに「大丈夫。私達のオケは年齢は関係ないですよ。一緒にやりましょうよ!」と返信したそうだ。そもそも、最初のメールも「君もモーツアルトが好きでしょ?一緒にモーツアルトを演奏しようよ!」と完全に友達のノリの文章。まさか教授もメールリストに入っていたとは思わなかった、と笑いながら話してくれた。 今月はウルム大学で勉強している高校の同期に会いに行くそうだ。先月はフライブルグとマインツに住んでいる友達に会いに行っていた。うちに帰ってくるほうがよほど近いのに、うちは素通り。「社会生活」もそこそこ充実しているみたいで、本人が悲観するほど惨めな学生生活でもないのではないかと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2015年10月10日 15時04分59秒
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