ドイツでマルチリンガルを育てる

この冬一番の大雪。
朝から雪かき。今日が休日で本当によかった。
しかし明日も雪の予報。今日は最高気温マイナス２度、最低気温はマイナス１５度。
明日は最高気温マイナス７度、最低気温マイナス１２度の予報。
車で出勤するのが怖い。途中除雪されていない道路を通る。というか、半分は除雪されていない。おまけに坂道やカーブが多く、今までも冷や汗を握る瞬間が何度かあった。
私の住んでいる町を出てから事務所まで２０ｋｍほどの距離だが、その間ひとつも信号機がない。
渋滞もない代わりに、事故でも起こしたら助けを呼ぶ手段もないようなところ。
１２月までは暖冬だったのに、働き始めてからほぼ毎回雪の中を通勤。ついてないなー。

でも、ニコちゃんは大喜び。
昨日も今日もそりすべりを楽しんでいる。さっきもクラスメートが「ニコいる？」とうちにきた。その子もそりを持っていた。「ニコはもうそりすべりにでかけたよ。」と言ったら、「じゃあ、その辺をさがしてみる。」と言って、そりをひいて坂を登っていった。
　
私には雪が降ってうれしいという感覚はまったくない。
こんな日は暖かい部屋で温かい飲み物とおいしいお菓子で日本の動画を見るのが一番！

そういえば、昨日アメリカに住む義姉から電話があった。ニコちゃんが一番にとったのだが、結構長いこと話していた。義姉は「（賢浩に持って帰ってもらった）私たちからのプレゼントを気に入ってくれた？」と聞いたようだ。「お礼も言ってくれないのね。」と義姉が言ったのだろう。ニコちゃんは「パパにお礼を伝えるように言ったよ。聞いてないとしたら、それは僕が悪いのではない。パパが悪い。」というような言い訳をしていた。今年の夏休みはどうするの？と聞かれて、「アイルランドに行くよ。ぼくの友達も一緒だから楽しみ。」と答えていた。義姉は「それなら米国に来るのは来年の夏だね。２０１７年にはアメリカに来てね。」と言った。２０１７年の夏休みの予定までもう決まっていて、なんだかすごいな、と思った。

賢浩はもう５年近く日本に帰っていないので、５月の学校休暇に帰すことに決めた。しかし土日出発便はすでに安い席は売り切れ。帰りも土日着便だと値段が２倍になる。それで２週間の休暇に前後一日プラスして帰国させようと考えた。でも、それはドイツでは違法。空港で警察に「学校の休暇はまだ始まっていないのに（もしくは、もう学校が始まっているのに）なぜ旅行をしているのか？」と尋問される事もありえる。その時に学校側からの「渡航承諾書」をもっていないと面倒なことになる。
それで、予約する前に学校の許可をもらう必要があった。夫に手紙を書いてもらった。朝、手紙をみたら「賢浩の祖父は重度の病なので、見舞いのために賢浩を一時帰国させたい。ついては５月X日からX日まで休むことを許可してもらいたい」と書いてあったので、驚いた。
とにかく、飛行機の残席も残り僅かだったので、早く予約したくて、その手紙を携えて学校に行った。
校長に「私は１０年X組の賢浩の母親です。賢浩はもう５年も日本にいる私の父に会っていません。父は今健康問題を抱えており・・」と話し始めたら、なぜだか涙が出てきてしまった。校長は驚いて、「ここではなんですから、座って話しましょう」といって、校長室の中に案内してくれた。校長は「あなたのお父様の状態がどの程度かわかりませんが、もしもっと早くに帰国の必要性があったり、もっと長く滞在する必要があれば言ってください。そういう事情であればいつでも許可します。」と言った。校長は完全に誤解してしまったようだ。申し訳なくて「（泣いてしまって）すみません。今すぐにどうのこうのという状態ではないのですが、長いこと帰っていなかったもので・・」と言い訳すると、「いや、貴方の気持ちはよくわかります。大丈夫ですよ。学校のことは心配しなくても。でも、許可書がないと空港で警察に捕まるかも知れませんでの、行きと帰りの２通分の許可書を持っていくようにしてくださいね。」と校長は言ってくれた。

家に帰ってきて、すぐに航空券を予約した。予約の際に、１６歳未満の搭乗者は１６歳以上の搭乗者と一緒ではないとHPからオンライン予約できない、と表示された。この基準は航空会社によって違っていて、１２歳以上なら単独でHPから予約できる航空会社もあれば、１８歳以上でないとHPからは単独で予約できない航空会社もある。賢浩はちょうど日本に滞在中に１６歳になるのだが、航空会社に電話で問い合わせたら１６歳以上として予約してもよい、と言われた。１２歳以上は大人料金なのに、オンラインで予約する時だけ大人扱いされないのは理不尽だなーと思う。
我家の場合、子供のほうがよほど世界を飛び回っている。自分の高校生時代には考えられなかった環境だ。