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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2016年09月16日
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カテゴリ:子供
にこちゃんも学校が始まり、通常運転に戻った気分だ。

ドイツの学校では教科書は貸与される。ギムナジウムになると自分で買うという選択もできるが、小学校の場合は新学期初日に配布され、学年末に回収される。教科書はハードカーバーのものもあり、1冊がかなり重たい。最低5年間使いまわすことになっているので、貸与されるとすぐに扉ページに自分の名前を書かされ、家で透明のビニールカバーをかけてくるように指示される。
月曜日ににこちゃんが学校から手紙をもらってきた。「(3年生の学年末に)返却された教科書をチェックしたところ、かなりのダメージが見られたので、買い取ってください。」という内容で、4ユーロ60セント請求された。実は賢浩の時もそういうことがあった。辞書だったのだが、新品で賢浩が3年間使った。かなり汚れていたという理由だったので、仕方ないと思った。しかし今回私たちが買い取ることになった教科書は、にこちゃんが4人目の使用者だった。中に書き込みをしたとか、破ったとか、水をこぼしたというわけではない。かなりくたびれた感はでていたが、普通にあと2-3年使えるレベル。なんで買い取らないといけないのか、基準がわからなかった。そう夫に言ったら「僕に言わずに学校に言いなさい。」と言われた。さすがにこんなことで学校に抗議したくないので、「愚痴じゃなくて疑問をつぶやいただけ。学校のことを全部私に押し付けないで、たまには自分も何かしろ!!」と反論した。夫は「来週学校に行って聞いてくる」と言った。本当に行きそうで怖い。

月曜日の夜、寝る前にニコちゃんに「ごんぎつね」を読んであげた。日本語でしかも方言なので、にこちゃんがトンチンカンな質問ばかりしてきて、「この子は内容がわかっているのかな?」と心配になった。しかし、ごんが銃で撃たれ、最後に兵十が「いつも栗を持ってきてくれるのはお前だったのか・・」と愕然とするす場面でにこちゃんは泣いていた。泣き顔を私にみられるのが恥ずかしいのか布団を頭からすっぽりかぶってしまったが、「ちゃんと心情を理解できていてよかった」とほっとした。

水曜日、ニコちゃんが学校から帰ってきて、私に「ママ、D君の弟(1歳)が病気で死なないといけないんだって」といった。「どうして?」と聞くと「わかんない。なんか体の中に悪い黴菌がはいったみたい。この話はもう僕したくない」と言って、この話題は終わりになった。
にこちゃんは昼食後Gくんに電話をして遊べるかどうか聞いた。Gくんは「時間がない」と言ってすぐに電話を切った。次ににこちゃんはL君に電話をした。L君とにこちゃんはなんか口論みたいになって「僕はそんなこと言ってない」とにこちゃんはしきりに否定していた。電話のあと「何の話?」と聞いたら、「SくんがDくんに「にこが、お前の弟なんて死んじゃえばいいって言ってたよ」って言ったの。だからL君はなんで僕がなんでそんなことを言ったの?って聞いたの。でも僕はそんなことは言ってないって言ったら、信じてくれた。」と言った。学校で先生に注意されたので、クラスのみんながSくんのうそを信じてしまったのだそうだ。S君は前からにこちゃんとは何かと問題のある子で、私は一緒に遊ぶことを禁止している。あまりにもたちの悪い嘘だし、にこちゃんはそれにより友達の信用も失ってしまったので、私はにこちゃんの担任にメールを書いた。

「Dくんの弟の件はかわいそうに思う」
「ニコも同情している」
「それなのに、S君にニコはDくんの弟が死ぬことを喜んでいるといううそを流され傷ついている」
「看過できない悪質な嘘だ」
「自己防衛のため、今後ニコとSくんを同じグループにさせないでほしい。特に2週間後の修学旅行では絶対に同室にしないでください。」と訴えた。

担任からは「休憩時間のあと子供たちが「ニコがDの弟は死ぬべきだと言った」と騒いでいたので、ニコは否定しましたが、ニコとDを廊下に出して二人で話し合いをさせました。Sがからんでいるとは知りませんでした。二人を同じグループにしないように考慮します」と返事が来た。

いちいち学校に文句を言うのは気が引けるのだが、やはり今回の件はニコの名誉のために真実を明らかにするべきだと思った。結局S君はうそをついたことを否定したままだったが、クラスのみんなはニコを信じてくれたそうだ。まあ、ニコちゃん側からの話しか聞いてないから、どこまで本当なのか私もわからない。もしニコがDくんの弟のことを言っていたら、それは本当に最低なこと。一時的でもクラス中から総スカンを食らったことは、いい薬になったと思うし、クラスの子たちがみんな正常な感覚を持ち合わせているということでもある。
何度聞いてもにこちゃんは「僕は絶対にそんなこと言ってない」と涙目で訴える。でも私の中には「もしかしてこの子はうそをついているのではないか」という疑問が全くないわけではない。自分の子供が100パーセント信じられないのは悲しいことだが、普段から嘘ばかりついているので、ある意味ニコちゃんの自業自得。こんな子たちの相手を毎日しないといけないのだから、先生も大変な職業だと思う。





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最終更新日  2016年09月16日 14時44分02秒
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