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テーマ:海外生活(7774)
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今日、私達がドイツに来たときにいろいろお世話になったご夫婦が遊びに来てくれた。
ハンスとソニア。一番付き合いが長いドイツ人だ。 私達よりも少し年上で子供の年齢もぜんぜん違うので、私達が引っ越してからはほとんど付き合いがなくなり、4年前に会ったのが最後で、それ以来音沙汰もなかった。 今週夫が休みを取っていてずっと家にいるので、彼らに連絡をしたところ、ハンスも休みを取っているというので、うちにお誘いした。14時という約束だったのに、「渋滞で30分ほど遅れる」という連絡が入った。彼らが来たのは16時近かった。彼らは時間通りに来たことがない。かならず遅れて来るのだが、2時間も遅れるというのは初めてで、もしかして本当は来たくなかったのではないか・・と疑ってしまった。 ハンスは足が悪く、支えがないと歩けない。進行形の病気で、いずれ歩けなくなるということは10年前からわかっていた。車椅子を使っていると聞いたので、我が家に来てもらうのに、玄関の階段をどうするか、と頭を悩ませた。またソニアはアトピーで食べられる物が限られている。コーヒーは飲まないので、5種類のティーパックと3種類のジュース類を用意した。これだけ用意すれば好きなものが一つぐらいあるだろう、と思っていたのだが、ソニアは「ペパーミントティーかカモミールティーがいい」と言った。あいにく私はいわゆる「ハーブティー」が好きではなく、私が用意したのはフルーツティーと中国茶。健康志向が強い人にはハーブティーを用意しておくべきだった。 ハンスとソニアは愛犬のアイラを連れてきた。アイラが子供のときにうちに来たことがあるが、小さくて落ち着きのない犬だった。でもそのアイラも今では11歳で病気による脱毛でお腹の毛がなかった。ニコちゃんは大喜びで犬と遊ぼうとしたのだけど、ボールを投げても反応せず、芝生に横たわっていることが多かった。テラスでお茶をしたのだけど、庭のドアを開けっ放しでも外に逃げたりせず、本当におとなしかった。ソニアが持ってきたビーフジャーキーのようなものをニコちゃんはアイラにあげた。「おすわり」「お手」とニコちゃんが言ってもちゃんということを聞く。躾が良くできている犬だなー、こんな可愛い犬なら飼いたいなーと一瞬思ったけど、病気になることも多く、心労が耐えないという話を聞いて、やっぱりペットは飼いたくない、と思った。 帰り際、私とソニアが二人きりになった時、いきなりソニアが「最近調子があまり良くないの」といい出した。「実は今日も夜中にパニックになって救急車を呼んだのよ。そんなこともあって、出かけるのが遅れて、今日は大幅に遅刻してしまったの。ごめんなさい。」と言って、泣き出した。今まで楽しくおしゃべりしていたので、彼女の神経が病んでいるなんて全く気づかなかった。彼女は「innere Unruhe」という言葉を何度も使った。私はなんと言葉をかけていいのかわからなかった。ただ黙って話を聞いていた。 気の利いた言葉の一つもかけてあげられない自分が情けなく思えた。ソニアに心の平穏が訪れることを願ってやまない。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2016年09月29日 04時59分20秒
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