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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2017年02月14日
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テーマ:海外生活(7774)
カテゴリ:カテゴリ未分類
昨日仕事が終わり、いつものように駐車場から車を発進させようとした。
マンションの脇の駐車場は2台分で私とマンションの下の診療所の受付をしている若い女性の二人がいつも使っている。とても狭い場所でしかも道路に面しており、その道路も大して広くないのに向こう車線にいつも2台縦列駐車してある。車の行き来も結構あるので、駐車場からの出し入れをもたもたしていると迷惑になる。しかし何度も切り返しをしないと私のような下手くそには駐車が難しい。いままで1度マンションの壁でこすったことがある。
昨日も大変な状態で、後ろの縦列にとめてある車を気にしながら何度も切り替えてようやく駐車スペースから抜けることができた。しかし、縦列で止まっている車に私の車のお尻が当たってしまった感触があった。まずいと思った。すぐに車を止めて後ろを振り返った。40代ぐらいの女性が「ご愁傷様」とでもいいたげな顔で立ち止まって私を見ていた。急いで縦列駐車中の白いAudiに駆け寄った。しかし幸い傷もへこみもなかった。そのまま家に帰った。
でもあの女性の顔が何かいいたげだったのが気になって家に帰ってから自分の車を点検してみた。お尻の部分は何も変わったことはなかったが、フロント部分に大きな傷があった。それが以前こすったときについた傷だと思った。

しかし、だんだんと時間が経つにつれ、もしかして何度も切り替えしているうちに駐車場の隣の車をこすってしまったのではないのか?と心配になってきた。そうだとすると、あの女性の顔も合点がいく。夫に相談すると「やったかやってないかわからないことで悩む必要はないでしょ。木曜日に出勤したときに相手の車を確認して傷があったら、素直に申し出ればいいんじゃないの?もしひどい傷だったら、相手も誰がやったかわかるんだから、君の社長に抗議するか、警察に届けるんじゃないの?向こうから連絡があってから心配しなよ。」と言われた。

でも、考えてしまうと寝れなかった。
私の車の傷は結構ひどかったので、相手の車も相当ダメージを受けているのではないか?当て逃げは悪質で警察に事情聴取されるかもしれない、もしかして法を犯したので、研修先もクビになるかもしれない、相手はわたしのことを不誠実だとものすごく腹を立てているか、傷がついた車を見てものすごく悲しんでいるかもしれない等々、いろいろと悪いことばかりを考えてしまい、とにかく何も手が付かなかった。

今朝はまず保険会社に電話をした。保険会社に「勤め先は知っていますが、名前は知りません。それに傷をつけたかどうかはまだわかりません。もし付けてしまっていた場合はどうすればいいですか?」と聞いてみた。親切に色々と教えてくれた。たぶん私の声が相当落ち込んでいたのだろう。「このままでいたら当て逃げの罪に問われますから、とにかく相手と話してみてください。その後の相手とのやり取りはこちらが引き受けますから大丈夫ですよ」と励ましてくれた。

ニコちゃんが学校から帰ってきてから、一緒に車で30分離れた職場の駐車場に行ってみた。彼女の車はなかった。診療所もしまっていた。ちょうど近くに派出所があったので、思い切ってドアベルを押してみた。
「私がぶつけたかどうかわからないので確認したかったのですが、本人がいなかったので、もしかして届け出が出ていないかと思い、ここに来ました。」と事情を話した。警官はその診察所に電話をしてくれたが、診療時間は午後は4時からという留守番電話になっていた。「私なら4時になったら電話をして聞いてみますね。」と言って診療所の電話番号を教えてくれた。

「もしかしてご存じないかもしれませんがドイツでは車でぶつかったときには必ず警察に報告する義務があるんですよ。それを怠った場合は、罰金刑か免停になる場合もあります。あれ?と思ったときは、これからは必ず確認するようにしてくださいね。」と言われた。私がかなり落ち込んでいたので「大丈夫ですよ。そんなにひどいことではないですよ」と慰めてくれた。
そのまま帰っていいような雰囲気だった。私から「住所や名前をいわなくてもいいのでしょうか?」と申し出ると「そうですね。じゃあ、身分証明書を見せてください」といって私の名前、住所、電話番号を聞いた。そばにいたニコちゃんが「電話番号なら僕が言える」と口を挟んだ。警官はニコちゃんに色々話しかけてくれた。「この子は将来警官になりたいと言っているんですよ」と伝えると「そうか、じゃあ頑張ってAbiturを受けないとね。」と警官はニコちゃんに言った。「スポーツもいっぱいするのはいいことだよ。」とも付け加えていた。
すごく優しい人だった。警察に報告したことでちょっと肩の荷が下りた。でも彼女に謝らないといけないので、4時まで約2時間あったが、近くで時間をつぶした。

4時過ぎに戻ってくると、彼女の車があった。
近くに行ってみてみると、5cmぐらいの傷があった。それが私が付けたものかどうかはわからない。もしかしてドアが凹んでいたらどうしようと思っていたのだが、目立たない傷でちょっと拍子抜け。一瞬これなら向こうが言ってくるまで黙っておこうかな?と思ったが、とりあえず診療所の中に入り、彼女を呼び出してもらった。
「車に傷をつけてしまったかもしれないのですが?」と切り出すと「えっ?いつ?」という反応をされた。一緒に駐車場に行って車を見たのだが、「この傷のこと?それともこれもかな?」とこすり傷をさした。彼女はそれを指でこすりながら「これぐらい大丈夫よ。わざわざ報告してくれてありがとう。もしなんかあったら連絡するわ。」と言った。

これで一件落着なのだが、ちょっとスッキリしない。
もしかして私はぶつけていなかったのかもしれない。わざわざ警察や保険会社に連絡する必要はなかったのかもしれない。彼女の車も新しいわけではなく、結構色々と傷がついている。だからその傷が私が付けた傷かどうかはわからない。何かあったら連絡するってどういうことなんだろう?もしかして彼女の知り合いに「折角のチャンスだから、相手の保険で修理してもらいなよ」とか入れ知恵をされて私にたかってくるのではないだろうか? 

夫は私のネガティブ思考にあきれている。「問題が起きてから対応策を考えればいいのに、いつも必要ないことで悩んでいて馬鹿みたい」としょっちゅう言われる。確かにそうだと思う。私は損な性格なのだろう。





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最終更新日  2017年02月15日 06時18分11秒
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