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テーマ:海外生活(7774)
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土曜日の午後にドイツ語コースに通っている。レベルはC1なのだが、あくまでも自己申告。後期のコースがスタートした時には9人いたが、そのうち4人は2回目からは来なくなった。
時間どおりに教室にはいったら、生徒は私だけだった。少し遅れて2人来て、30分ぐらい遅れてあと2人来た。 いつも宿題が出るのだが、やってくるのは私一人だけのことが多い。 C1の試験を受けるためにコースに通っている人は一人もいなくて、私のように家でドイツ語を話す機会もなく、ドイツ語を上達させる手段が他にないから、とりあえずここに来ているという人が多い。 授業中も関係ないおしゃべりが多い。いつも話すのはポーランド人の女性とルーマニア人の女性。 今日は1時間以上ポーランド人女性が自分のことについて話していただけだった。 先生もコントロールしようとはしない。 しかし、ポーランド人の女性の話は結構興味深かった。 彼女はポーランドで経済学と環境保護の勉強をしたそうだ。5年間大学で学んだが、卒業してもポーランドでは職がなく、ドイツに来たと説明した。 彼女は人材派遣会社に登録して、今の会社で働くようになったそうだが、そもそもその人材派遣会社も派遣先もポーランド人が設立した会社で、社長も社員もみなポーランド人。派遣先は製品管理の会社で、部品を自分たちで作っているわけではない。もともとポーランドにあった会社だが、部品も部品の供給先もドイツにあるので、支社をドイツにつくったのだそうだ。ポーランド人のほうが安く働いてもらえるので、会社で寮を借り上げて、ポーランドから働き手をよんでいる。正社員はほとんどおらず、ほぼ全員が派遣社員らしい。 ドイツにある会社だが、ポーランドの法律に基づく契約で、ドイツの年金や健康保険もなく、病気や怪我や妊娠などで働けなくなった場合は、すぐに首を切られてしまう。何よりもお金を貯めたいので、みんな進んで残業や休日出勤をするらしい。彼女も土曜日の午前中に働いてから、いつもドイツ語コースに来ている。 しかし、ドイツの法律が変わり、ドイツにある会社は、たとえ外国企業であってもドイツの法律の下で労働契約を結ばないといけないことに今年からなったそうだ。今までは何年同じ会社で働いても「派遣」身分のままで不安定な立場だったが、今年からは派遣社員は同じ会社には18ヶ月までしか働けず、それ以上になる場合は、会社側は正社員として雇わなくてはいけなくなったらしい。年金も健康保険もドイツのものに加入できるようになったそうだ。 ドイツでは妊婦を解雇することはできない。また出産後育児休暇を取る権利もあり、1年間は休業中給与の65パーセント(上限1800ユーロ)の手当がもらえる。彼女はその制度が非常に羨ましいと言っていた。もし正社員になれたら、自分も結婚して子供が生みたい、と話した。でも今のままでは職を失うのが怖いから何もできないと言った。彼女の話は私のドイツ語の上達には何も貢献しなかったが、結構インパクトがあった。 インパクトがあるといえば、試験対策講座のため学校に通っていたときのクラスメートの話も結構すごいと思った。 彼女は20歳ぐらいのときにロシアからドイツに移民してきた。ドイツではギムナジウムに通ってAbiturもとったそうだ。しかし結婚して妊娠したので、進学や職業研修はあきらめたそうだ。 それで今Umschulungを受けているのだけど、研修先の税理士から「もう少しロシア訛をなおしなさい。そのためには家でもドイツ語を話すようにしなさい。」と言われたそうだ。彼女は「家はプライベートの空間で、私が家族と何語で会話をしようが社長が口出すことではない」と憤慨して、学校の校長に「こんな理不尽なことを言われた」と訴えたそうだ。強いなーと感心した。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年05月14日 05時22分52秒
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