ドイツでマルチリンガルを育てる

暑いんだか寒いんだか天気がはっきりしない。
賢浩はアメリカの学校で新学期が始まったようだ。
先日義姉の誕生日だったのだが、義姉夫婦と賢浩の３人でレストランでディナーを楽しんでいる写真が送られてきた。賢浩はネクタイにスーツというフォーマルな格好だった。

賢浩たちは来年のイースターホリデー（３月末から４月上旬）にジャマイカに行くそうで、すでにフライトもホテルも予約済。しかしAbiturのスケジュールを調べたら、ドイツの各州は４月下旬になっていた。イースターに遊んでいる余裕のある１２年生はいないはず。大丈夫なのかと聞いたら、アメリカのドイツ学校ではAbiturが２月にあるという返事が来た。賢浩たちの学校はチューリンゲン州の教育要綱に基いて授業が行われている。Abiturも同じ試験問題だと思うのだが、２ヶ月も先に行ったら、どこからか試験問題が漏洩する可能性もあるのではないだろうか？それとも海外のドイツ人学校は本国とは別の形式でAbiturを行うのだろうか？

BW州ではAbiturはドイツ語と数学が必須試験科目で、あとは外国語１教科と自由選択１教科。
外国語は大半の子が英語を選ぶ。自由科目は体育でも音楽でもかまわない。恵子はラテン語を選択した。日本語や中国語も選択可能ではあるが、すべての学校で可能なわけではない。学校によって選択できる科目が違ってくる。

賢浩たちの学校では、ドイツ語と数学のほかは、外国語から１教科、自然科学から１教科、となっている。体育や音楽という選択肢はないし、英語と他の外国語という組み合わせも不可能。賢浩は英語と生物で受験するようだが、その組み合わせで受験する生徒はかなり多い。

義姉から、賢浩が来年ドイツに帰る時の格安チケットを見つけたので、予約するように、という指示が来た。恵子の日本へのフライトを早めに予約して、あとで買い直しになった経験から、そんなに早く格安航空券を購入するのはリスクが高いのではないか？と夫が返事をした。すると義姉から「後になればなるほど値上がりする。ましてや片道チケットを安く買うのは難しい。しかしそれは私の問題ではないから、勝手にしたらいい。」と冷たい返事が来た。夫はすぐに来年６月末の航空券を予約した。
義姉たちは１年先の予定までたてているので、本当にびっくりする。

来週恵子がスイスのWGを引き払うので、今週と来週、何回か荷物を取りに行こうと考えている。
近くに動物園があるので、にこちゃんをそこに連れて行って、帰りに荷物を取りに行こうと考えているのだが、現在恵子は試験中で、なかなか予定が決められない。
さっき「今日の午後５時から口頭試験。全然自信がない。全くわからないから、受ける意味がないような気がする。先週の試験も落としたと思う。でもそれは実験に忙しくて授業に殆ど出ていなかったのが原因。だけど今日の試験は勉強したのにわからない。もう逃げ出したい」とメッセージが来た。いつもピリピリしているし、試験勉強の邪魔はしたくないので、なかなか「そっちにいつ荷物を取りに行けばいいかな？」という簡単なことさえ聞けない。

先週、私が東京で勤めている時に、同期だった子に久々にメールをした。
彼女のお父さんは有名人で、入ったときから「彼女はXXの娘だ」と噂されていた。彼女は「他にやりたいことがある」といって、２－３年で退職してしまい、その後は音信不通になった。最近彼女のお父さんの名前をよく日本のニュースで見聞きするようなり、彼女のことを思い出した。勤め先は知っていたので、ネットで調べたら簡単に連絡先がわかった。彼女からはすぐに返事が来た。彼女は４０歳を過ぎて職場のすすめで修士過程で勉強し始め、数年前に博士号をとったとのことだった。

私は長いこと音信不通だった友達に近況を報告する時は、職業訓練や子供の話しのほか、松潤のファンであることも伝えている。そうすると必ず「意外」と言われる。しかし彼女からは「あー、あの顔が一番きれいな人だよね？嵐って６人組だっけ？みんな顔が同じに見えて、誰が誰だかよく区別がつかないのだけど、松潤だけはなんとなくわかる。学生の間では翔くんとか言う人が人気みたいだったよ。」と返事が来た。そりゃあ普通この歳になれば、アイドルなんて興味ないよね。

彼女とはその後何往復もメールのやり取りをしている。ドイツに住んでいても簡単に旧交が温めることができた。ネット社会になって、弊害も多いけれども、やっぱり恩恵がそれを上回ると実感。