ドイツでマルチリンガルを育てる

ニコちゃんの学校での成績はかなりまずい状況で、担任の先生からも「５年生のレベルではない」と言われている。私は普段は週末しか家にいないので、土曜日日曜日ぐらいはニコちゃんと一緒に過ごそうと、ニコちゃんには週末はお友達と遊ぶ約束をしないで、と伝えてある。

先週の土曜日は一緒にゲームをしたり、買い物に行ったり、来週ある英語のテスト勉強を少しさせたりと、午前中は私の計画通りに進んでいた。午後は４時まで自由時間で、その後１時間、ピアノと数学の復習をし、それから一緒に夕飯を作る予定にしていた。
午後Cくんから電話がかかってきたが、「週末は遊べない。」とニコちゃんは自ら断っていた。３時頃ヨハネス君がニコを誘いに来た。ニコちゃんは「ママと約束しているから遊べない」と断ったのだが、「僕は明日から旅行に出かけるから今日しか遊べない。」とヨハネス君は居座った。それで私は「それならいまから１５分ピアノの練習をしたら遊びに行ってもいい」と妥協案を出した。しかしヨハネス君は「僕は少ししか遊べないから、その後にピアノをすればいいでしょ。」と納得しない。ニコちゃんはいつもヨハネス君の言いなりになるのが私には不可解。結局ニコちゃんはヨハネス君と遊びに行き、６時まで帰ってこなかった。帰ってきてからピアノの練習もしなかった。なんだか無性に腹が立った。

今日、明日は祝日で私も家にいるので、ニコちゃんと一緒に教科書を読んでいた。しかしまたヨハネス君に邪魔をされた。「旅行中じゃなかったの？」と聞いたら、もう行って帰ってきたと言われた。土曜日は散々ニコちゃんに「今日しか遊ぶチャンスがない」と言っていたが、あの脅迫文句は何だったのか？ニコちゃんが「いま遊べない」と一旦は断っても、彼は「何で遊べないの？」「じゃあ何時から遊べるの？」「それは今しなくてはいけないことなの？」と結局はニコちゃんを説き伏せてしまう。

「僕の友達は«ニコの親はいったい、どんな親なんだ。休み中まで子供に勉強させるなんて。»ってみんな言ってるよ。」とニコちゃんに文句を言われたことがある。普段全くしないから、私が家にいる休みぐらいはさせようと思っているのに、それではまるでずっと勉強漬けにさせているようではないか。私に対してはものすごく口答えをするのに、なんでヨハネス君には言い負かされるのかと不思議に思う。たぶんニコちゃんもヨハネス君と遊びたいと思っているので、彼の詭弁に納得してしまうのだろう。

しかし毎度毎度ヨハネス君に計画を狂わせられるので、本当に頭にくる。何故いちいち彼の予定に全部あわせないといけないのか？彼の親に「週末うちにこさせないで！」と頼んでこようかとすら思う。

ニコちゃんの面倒を見る以外は、私は基本的に家ではネット三昧。
日本のドラマも海外にいても見られるので、ついつい見てしまう。
最近はまっているドラマにいわゆる「毒親」が登場する。「このお母さん、怖い。あなたのためだといいつつも、本当は自分の思うように子供をコントロールしたいだけ。」と思いながら見ているのだが、よく考えると、実は私のやっていることもこの母親に近いのではないか、とゾッとする。私もよく「いい子のニコちゃんは好きだけど、悪い子のニコチャンは嫌い。」「今日のニコちゃんはママとの約束が守れなくて、悪い子だった」というようなことを言ってしまう。「XX君とは遊ばないで」というようなことも言ってしまう。子供を傷つけることを口にしている自覚もある。私も十分毒親、もしくは毒親予備軍なのかもしれない。