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カテゴリ:子供
今日の夕方にこちゃんの担任二人と夫と私の四人で話し合いが行われた。
場所は学校の職員室の隅にある部屋。 初めて職員室に入ったが、日本の学校の職員室とはまるで違う。 個人の机はなくて、丸いテーブルが10個ほどおいてあって、図書館みたいな感じだった。 話し合いは午後6時半からだった。私は仕事から帰り急いで食事を済ませた。にこちゃんはその時間ちょうど卓球の練習で都合が良かった。 夫はまずビデオにとってあった家での様子を先生に見せた。勉強をさせようとするとにこちゃんはすぐに泣きわめく。先生は「さすがに学校では泣きわめくことはありませんが、授業中集中していないのは事実です。特定のクラスメートと口論になって他の子に迷惑をかけることもあります。おしゃべりも多いので、N君(ニコが一番仲良くしている子)のママからはニコと離れて座らせてくれと要望が来てます。」と言われた。 ニコチャンの担任はドイツ語の先生と英語の先生。ドイツ語の先生は「ニコのドイツ語力はとても低い。筋道を立てて話すことができない。」と言った。この前のテストを書き直して提出させたのだが、注意されたところが全然改善されていないし、短すぎる。」といって、私たちににこちゃんが書き直したノートを見せた。 「これはいつのテストですか?」と聞いたら、先生がびっくりして「えっ、このテスト見てないんですか?」と逆に聞かれた。「見たことありません。テストをしたことも返されたことも知りませんでした。」と正直に答えた。先生は「じゃあ、もしかして、明日ニコは居残りをしなくてはいけないことも知らないのですか?」と聞いた。「知りません。」と言うと、「保護者向けに手紙を書いて渡したのに、見てないんですか?」と先生もあきれていた。 先生は「家でドイツ語を話す機会がないのはマイナスです。身近なことをドイツ語で話し合える人がいないのがとても残念です。」と言った。夫は「誰か家庭教師になってくれるような人をご存じないですか?」と聞いた。先生は「別に資格がある人でなくてもいいんです。学校であったこととか面白いと思ったことやなんでもいいからドイツ語で話せる人が身近にいればいいのですが」と言った。賢浩や恵子とはドイツ語で話しているが、数週間に1回10分ほどスカイプをするだけ。親戚にはドイツ語ができる人はほかにいない。 賢浩もニコちゃんほどではないが、ドイツ語に問題があった。10年生の時には家庭教師をつけたが、あまり効果はなかった。11年生からアメリカに行き、向こうでも家庭教師をつけている。劇的に改善されたわけではないが、「普通」レベルにはなった。 ニコちゃんの場合は、色々な問題がありすぎて、ドイツ語だけでの問題ではないのだけど、もしかしたら、ドイツ語が分からないことがすべての遠因になっているのかもしれない。ニコちゃんはドイツ生まれのドイツ育ちだが、「ニコにとってドイツ語は外国語なのです」と言われてしまった。 夫は家でにこちゃんに英語の本を読ませているのだが、先生から「英語の本ではなく、どんな薄い本でもいいのでドイツ語を読んでください。」と注意された。 「子供用のニュース番組もあります。10分程度ですから、一緒に見てそのあとに感想を求めたりしてください。本人がスポンジボブを見たいというのなら、一緒に見て、そのあとどこがおもしろかったのか説明させてみてください。とにかくドイツ語に触れ、話す訓練をさせてください。」と言われた。 「ニコには集中力がありません。15分でも彼には長く感じるでしょう。15分勉強したら5分休むというように、終わりを提示してあげてください。またすぐに気が散るので、彼の勉強部屋には物を何も置かないように。机は壁に向かった配置にしないと、目にいろいろな物が飛び込んできて集中力が妨げられます。机の上にも教科書とノートとペン以外は置かないようにしてください。周りのおもちゃや本は片づけてください。」 「勉強するたびにお菓子やご褒美をあげるのはよくないです。よくやったね、って肩をポンポンとたたいてあげれば十分なはずです。成績が良かったらXXを買ってあげるというような学校の勉強と物をリンクさせるのはよくないです。頑張ったら週末一緒にXXに出掛けよう、とか一緒にスケートに行こうとか、物質ではないものをモチベーションにするべきです。」 「いい成績をとってきたら、その瞬間を写真にとってあげて、学年末にそれをアルバムにしてあげると、目に見えて自分の成果がわかりますよ。私は自分の子供にそうしてます。」 「今頑張らないとあとで困るよ、ギムナジウムに入れなくなるよ、というような「脅迫」は10歳の子には理解できないです。」 「悪い成績を見せないのは、自分をよく見てもらいたいからだし、怒られたくないからです。悪い成績をもらってきても頭ごなしに叱らないで、残念だったね。次に頑張ろうね。でもどんな成績であっても、ママ(パパ)の大切な子には変わりないよ。ということをきちんと伝えることは子供の信頼を勝ち得るうえで、大切ですよ。」 「ニコはすごく不確かな中にいるように見えます。テストのあとにどうだったか聞いても「ほぼできた」というようなことを毎回言います。でも全然できていません。問題を理解していないんだと思います。」 話し合いは1時間以上に及んだ。 平日の夕方にこんなに時間をとってくださってありがたかった。 しかし先生の言ったことは理想に過ぎないとも思った。 そういう方法でうまくいくこともあるが、一人一人子供は違うというのであれば、うまくはまらない子もいるだろう。迎合するのと妥協するのと寛大に受け止めるの違いは何だろうか? 私は迎合したくないし、妥協もこれ以上できない。 寛大になるには、にこちゃんの行動を無視するしかない。 さんざんいろいろなことを試してきた。先生から言われたことはすごく心にしみたけど、一般論に過ぎないとも思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2017年12月13日 05時34分27秒
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