ドイツでマルチリンガルを育てる

今日児童相談所から手紙を受けとった。
話し合いの日時が記されていた。
水曜日にあなた方の子供ニコが警察に通報した件で、と書かれてあった。

木曜日にニコちゃんは数学のテストがあった。
夫が一緒に勉強をしようと言ったのに、「夜、ママと勉強したい」と言い張り、ずっとスマホで遊んでいたとのこと。土曜日はピアノの発表会なのに、ピアノさえも全く練習しなかった。

夕飯のあと、ニコちゃんに勉強しようと言ったが、スマホでゲームに夢中。私も一息つきたかったので、「じゃあ、１時間後（１９時３０分）から勉強を始めよう。それまでに明日の用意とシャワーを済ませておいてね。残りの時間は自由に使っていいから。」と約束した。

１９時半になって、ニコちゃんが部屋に現れた。
問題をさせてみたら全然理解していなくて愕然とした。
それで一番最初のページに戻って説明し始めたのだが全然聞いてない。
そのうち「疲れた、眠い」と言い出し、「これ以上はできない」と勉強を放棄。
叱りつけても意味が無いので、「それなら仕方ない。寝てもいいが、スマホはこの部屋においていきなさい」と伝えた。ニコちゃんは「それはできない」と言い張り、「スマホを持っていくのは許さない」という私と対立。ニコちゃんはソファーの肘掛けにおいておいたスマホの横に座ったまま動かない。「眠いんでしょ？」と聞いても、スマホをここにおいておくことはできない、の一点張り。
「じゃあ、この問題を全部できたら持っていってもいい」と私は妥協案を出した。問題はかなり簡単で１０分もかからないはず。ニコちゃんは問題を見ようともせず、「いやだ」というだけ。

こんな不毛なことに１時間も２時間も使っていることに疲れて、「ニコちゃんといることが本当に虚しい。私はもう面倒を見ることを放棄する。」と泣きながら夫にバトンを渡した。

夫は私と違ってすぐに声を荒げたりせず、かなり忍耐強い。
「眠いんだったら、歯を磨いて寝なさい」と言い聞かせたが、スマホを取り上げられたことに腹を立てたニコちゃんは、どんどん暴言を吐きまくり。Fワードを使ったので、夫が「そういう言葉遣いは許せない。撤回しなさい。」ときつく注意したが、聞く耳持たず。何度もFワードを口にするので、夫もとうとう堪忍袋の緒が切れて、ビンタをした。ニコちゃんは「傷害罪で警察に電話する」といい出した。夫は「それなら今電話しろ。これから腫れ上がるぐらいにお尻を叩くから、その前に電話したらいいじゃないか。」。と煽った。ニコちゃんは「電話すると電話代がもったいないから・・・」とか電話しない言い訳を始めたが、「電話代なんかこの際関係ない。どうした？しないのか？電話番号を知らないのか？パパは今夜は留置所で、お前は病院に横たわることになるだろう。」と煽りながら電話を差し出した。結局ニコちゃんは警察に通報した。というか、せざるを得ない状況にパパに追いやられた。それでもしないという選択もあったと思う。本当にするとは私も思わなかった。

警察からは事情を聴取された。

そして今日、その件で児童相談所から話がしたいという手紙を受け取った。

私も一緒にいるのにほとほと疲れた。
日本に一時帰国するつもりで５月に２週間有休を申請したのだが、ニコちゃんと一緒に行くのが怖い。できれば一人で行きたい気持ちが強い。ニコちゃんと一緒だと、休みにならない。仕事に行っていたほうがまだましだ。

そんなことをされても夫は普通に接している。あんな勝手な子の面倒を見るの無理という私のスタンスを「親なんだから、どんな時も愛情を示すべきではないか？言うことを聞かないからと言って手間隙かけることを放棄してはいけない」というが、もう私はニコちゃんのために何かしてあげよう、という気にならない。お互い離れて暮らすのがベストではないかと思えてくる。
もし私がこういうことを児童相談所に話したら、どうなるんだろう？
ニコちゃんには「よかったね。もしかしたらママと離れて暮らせるチャンスになるかもよ。このママには子供の面倒を見る資格はないって判断されるかもしれないからね。」とついつい嫌味を言ってしまう。ニコちゃんといると心に平穏が訪れない。どんなことをされても子供に無償の愛を注げる人はすごいと思う。私はそこまで人間ができていない。ニコちゃんの将来を悲観してしまう。ニコちゃんにはもちろん幸せになって欲しいけど、このままではお互いが不幸だ。