ドイツでマルチリンガルを育てる

昨日ニコちゃんから衝撃的なテスト結果をみせられた。
成績も衝撃的だったが、先生のコメントもかなりインパクトがあった。

「6月21日に返しましたが、たぶん結果をご存じないのでしょう。ニコはあなたのサインのコピーを貼り付けて答案を戻しました。そのため木曜日に2時間居残りをさせます。」

10日間ほど前にも「宿題を5回忘れたので居残りさせます」という手紙を事後報告でみせられた。
その話をカウンセラーにしたところ「そういうときは怒ってはいけません。確か前回は15回以上忘れて居残りになったんですよね。それに比べたらずいぶん改善したじゃないですか。そこは褒めましょう」と言われた。

しかし先週末ニコちゃんの勉強道具がおいてある棚を整理していたら、6月上旬の日付で「ニコは10回宿題を忘れたので居残りさせます」という手紙が出てきた。その2週間後に宿題を5回忘れたという手紙をもらってきたのだ。その手紙は親のサインを貰って返さないといけないのに、ニコは放置していたので先生が提出しないともう一度居残りさせると言ったらしく、「5回」の方は私にサインをするように頼んだのだ。しかし10回の方は隠していたというわけ。

毎回「宿題はしたの？」とは確認している。「やったよ」とか「今日は宿題がなかった」とかそんな返事しか返ってこない。それ以上は追求したくてもできない。疑ったり否定的なことを言うと切れてしまうからだ。

先週の土曜日、地元のギムナジウムの謝恩会があった。賢浩は友達がたくさんいるので参加した。そこには先生たちもいっぱいいて、賢浩はニコちゃんの担任や地理の先生にかつて受け持ってもらったことがあったのでいろいろ話したそうだ。
先生たちは「ニコは頭が悪いわけではない。授業の妨げをするわけでもない。でも集中力がない。授業も聞いていないし、板書も書き写さない。」と言って「もう一度5年生をすることを薦める。Realschuleに転校することは勧めない。ニコのような子はいったんレベルを下げるとそれ以上は努力しなくなるから、ギムナジウムにいたほうがいい」とアドバイスされたそうだ。そういう意見の先生は一人だけではなく、ニコちゃんを知る先生はみんな同じ意見だったそうだ。

私はニコちゃんがギムナジウムにいる意味を感じない。授業に全然ついていけていない。しかしRealschuleに行ったところで同じ状況になるであろうことは目に見えているのも事実。次はHauptschuleへの転校を検討しなくてはいけなくなるだろう。

ニコチャンになぜ数学のテストを見せなかったのか？怒られるのが嫌だったのか？と聞いたら「ママに見せると必ず問題を全部やり直させられる。それが嫌だった。」といった。どうして間違ったのかを理解しなければ進歩しない。しかしニコチャンは「学校で答え合わせしたからもうわかった」といつも言う。でもやらせてみると全然わかってない。

宿題を忘れるのも「家で他の勉強をエキストラでしたから宿題をする時間がなかった」と言い訳する。10分で終わるような簡単な問題をさせただけで、「宿題をする時間がなくなった」「他の勉強をしたから宿題ができなかった」と言うのだ。しかしそもそも本人が「宿題はない」「宿題はもうやった」と言ってずっと遊んでいるし、テストも近いと言うので簡単な問題をさせただけのに、そのせいで宿題ができなかったと他人のせいにする。

本人にやる気がまったくない。もう私の手には負えないので全寮制の学校も検討しているのだが、私が週40時間働いた報酬としてもらう月給より月々の学費のほうが遥かに高い。もうすぐ学年末だというのに9月からの進級先が不明のまま。ニコチャンが私に話すことの９０％は作り話。彼のために何ができるのか、どうするのがベストなのか全くわからない。