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テーマ:小学生ママの日記(28707)
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昨日が我が州では終業式だった。
といっても8時半から始業で、成績表を渡され、校長先生が退任するのでお見送りをみんなでして、9時過ぎには解散だったらしい。ニコチャンは返却しないといけない教科書を家に忘れていたようで、何度も家と学校を往復しないといけなかったらしい。自業自得なのだが・・・。そして案の定、借りていた教科書を汚してしまったという理由で15ユーロ支払わなくてはいけないと言われたらしく、再び家に戻ってきて恵子にお金を借りて学校に戻ったと恵子から報告があった。 5年生の成績表は評価だけではなく、各教科の担任から短いコメントがついてくる。ニコチャンの場合、全教科の担任から「集中力がなく授業についくるのが難しい」と書かれていた。 私は半休をとりお昼すぎに家に戻った。 ニコチャンは私の顔を見るなり、「ママ、良いお知らせがあるよ。僕の成績表に「versetzt(進級)」と書いてあったよ。」と大喜びで伝えてくれた。私はニコチャンに「ギムナジウムでは6年に進級できない」と伝えてしまっていたからだ。 しかし転校を勧めれれている事実に変わりはない。ギムナジウムの担任から転校先として勧められていた隣町の統合学校に電話をしたが、5年生にも6年生にも空きがないと言われた。 地元のRealschuleに電話をしたところ、成績表を見せてほしいと言われた。 すぐにニコチャンを連れて伺った。 校長はニコちゃんの成績表を見て、「6年生はドイツ語コースとバイリンガルコースの各1クラスづつだが、ドイツ語コースには空きがない。しかしこの成績ではバイリンガルコースに入れる訳にはいかない。」と言った。「バイリンガルコースの生徒は1年間すでに英語以外の2科目を英語で授業受けている。ギムナジウムでの英語の成績が「3」では6年生からついていけるとは思えない」と説明された。「家では英語を使っていますし、ボキャブラリー的には問題ないと思います。」と食い下がったが、「じゃあ、なんで成績が「3」なんですか?」と相手にしてもらえなかった。「いくらしゃべることができてもこの成績では授業についていけないと判断しますので、受け入れられません。5年生から始めるのであれば、受け入れられます。」と話し合いを打ち切られた。「ケンモホロロ」とはこういう事を言うのだなーと思った。そばで聞いていたニコちゃんは受け入れを拒否をされてショックを受けていたようだった。 次に少し離れた町の全日制の統合学校を訪れた。 アポなしだったのだが、運良く校長先生と思しき人と話をすることができた。 1年生から10年生まで通う学校だが、各学年一クラスづつしかなく、ニコちゃんの通うギムナジウムに比べこじんまりした印象だった。しかし建物も新しく、きれいな学校だった。 校長先生と思しき女性はニコちゃんの成績(英語と体育が3以外はすべて4)を聞いて「それほど悪くないじゃない」とニコちゃんに話しかけた。Realschuleの校長の塩対応のあとだったので、やさしいなーと思った。今の5年生は22人なので来学期6年生からニコチャンを受け入れることはできますよ、と言ってくれた。学区内の統合学校に空きがないという理由があれば交通費の補助も出すと言われた。私達の住んでいる町から通っている子も何人かいるそうだ。朝は私が車で送っていくことは可能なので、悪くない選択肢だと思った。しかしニコチャンは「こんな学校に来たくない。こんなところに僕は1日中いないといけないのか?」とふくれっ面だった。 次に予約していた「塾(Nachhilfe)」に話を聞きに行った。 塾の経営者は「XXさんですか?お待ちしてました。」と部屋に案内してくれた。 「どの教科を習いたいんですか?」と聞かれた。 「どれというか・・・全てですが、特にドイツ語です。」と伝えた。 「成績はどうでした?」と聞かれた。 「ドイツ語は「4」です。」と答えた。 「数学は?」と聞かれた。 ニコちゃんは「3です」と答えた。私はすぐに「4です」と訂正した。 「今ギムナジウムに通っていますが、学校を替わるように勧められています」と事情を話した。 「ギムナジウムは高いレベルを要求されますからね。小学校の時の成績はどうでしたか?」と聞かれた。 私が答える前にニコチャンが「良かったです」といったので、びっくりした。 私が「問題は学力と言うよりも集中力なんです。ADSだと言われています。」と言ったら、「あーそれならうちでは教えられません。うちの講師陣は優秀ですが残念ながらそういう子供に対応できる専門家はいません。すみません。」と謝られた。でも正直に言ってもらえて良かったと思った。 「地元の学校にはどこも空きがなく、先程XXという全日制の学校を見てきました。」という話をしたら、塾の経営者は「XX学校ですか・・うーん、あんまりいい噂は聞きませんね。」と言った。「詳しく教えてください」と頼んだところ「うちの塾に通う子供の保護者から聞いた話なのですが、しょちゅう授業が休講になるんですって。先生の数が足りていないから、代わりの先生が来ることはなくて、子供は授業がなくなって嬉しいでしょうけど、親は文句を言ってましたよ。こんな学校だと知っていたら通わせなかったって後悔してらして、その子は別の学校に転校しましたよ。今年聞いた話です。」と教えてくれた。「でもあそこは全日制ですよね?」と聞くと、「表向きはね。」と言った。その話を聞いて学校選びが怖くなった。でもニコチャンはその話を聞いて「僕はその学校に行きたい」と言い出した。 次にADHS児専門の塾に行って、塾の経営者と話した。 塾の経営者は「ニコに必要なのは基礎を叩き込むことです。書き取りや算数の練習問題をさせるよりも文字や数字になじませることを毎日してください。こんなことをしてなんになるのかと思うかもしれませんが、それが一番有効な方法なんです。それだけでも書き取りのミスが現在の40から35へ、30、25,20とどんどん減っていって、最終的には0にすることができるんですよ。それが半年で効果が出るか、1年半かかるかは人それぞれですが、間違いなくどんな子でも向上します。」と言い切った。そして家庭でできる簡単なゲームをいくつか教えてくれた。 私は「ADS児のスペシャリストとしての意見を伺いたいのですが・・」と現状を説明し学校選びのアドバイスを求めた。彼は「私の子供なら、ギムナジウムの5年生をやり直しさせます。ニコの問題は学力ではなく集中力です。この塾に通わせながら、もう一度チャンスを与えるのがベストです。」といった。 ギムナジウムの担任、ADS専門の小児心療内科医、ADS専門の教育者・・・みんなの意見がそれそれ違う。夫と私の意見も全く異なる。 私はニコをこれ以上ギムナジウムに通わせるのは誰のためにもならないと思っている。 しかし夫はどの学校に通わせてもリスクがあるなら、本人が一番望んでいる現クラスにそのまま残って進級させるのがベストだと信じている。そのために仕事もやめて10月からはニコにつきっきりになる覚悟がある、と言った。「ニコは6年生に進級できると聞いてあんなに喜んでいたんだぞ。子供が喜ぶ道に進めるようにサポートするのが親の仕事ではないのか?」と夫とはどこまでいってっも平行線のまま。 私は担任に電話をして夫を説得してくれるように頼んだ。担任には「前回の話し合いで、あなた達夫婦に意見の食い違いがあるのはよくわかった。それに干渉しようとは思わない。」と言われてしまったが、ギムナジウムから転校させるのは私のエゴと言われているので、私だけがそういう考えを持っているわけではないことを伝えてほしいとお願いした。担任は夫に電話をしてくれたが、夫は自分の意見を変える気はないと言った。 本人にやる気がないのに、周りが何をしてあげられるのだろうか?? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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