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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2018年07月27日
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カテゴリ:子供
昨日も昼休みを前倒しでとって、近くの統合学校(B校)を訪れた。
受付で息子の転校先を探しており、すでに校長には受け入れは可能だと言われている旨を話した。
しかし「校長でなければ状況がわからない。校長は休みに入っており、9月10日以降でないと校長との面談はできません。」と言われた。
9月10日は新学期の初日。
「X市に住んでいるのに、なんでここに通わせたいんですか?」と聞かれたので、「X市及び近隣の学校には空きがないと断られた。」と状況を説明した。受付の人は「X市の学区域内にX市の子が通える枠がないというのはおかしな話だ。」と言ったが、事実はそうなのだからどうしようもない。コンスタンツにある学校庁に問い合わせればどの学校に空きがあるかわかると思うと言われた。しかし学校庁に問い合わせても担当者が夏休みとのことでなんの情報も得られなかった。昨日から子どもたちは夏休みに入ったが、学校関係者も子供と同じ期間ずっと夏休みになるのだろうか?私達の住む州では「契約社員」の教師も多く、夏休み期間は「失業期間」になる教師もかなりの数いるらしい。不思議な世界だ。

現在9月から通える可能性のある学校は2つの統合学校。

A校はモダンな建物。かなり田舎にあるのだけど、電車でも通うことはできる。A校の地元に住んでいる同僚にA校の評判を聞いたところ、「私の子供はギムナジウムに通っていたから、A校の評判はわからない」と言われた。別の同僚に先日塾経営者から聞いたA校の芳しくない評判(教師数が足りていなくてしょっちゅう授業が休みになる)の話をしたら、「そういう噂は私もきいたことがある」と言われた。

B校は古い建物で、猫の額ほどの校庭。体育館の壁に漢字で「犯罪者」という落書きがあった。黒いスプレーでデカデカと書かれている。ほとんどの人は意味がわかっていないから気にならないのだろうが、私はそんな落書きがある学校に子供を通わせたくないなーと思った。会社の同僚は「あそこの学校は移民ばっかり。ドイツに移住してきてドイツ語ができない外国人はその学校に行かされる。」といった。私も見に行ったときに「ここはどこ国の学校?」という印象を持った。しかし昨日受付で話を聞いた限りではニコちゃんにあっているような気もした。ここならニコちゃんでも落ちこぼれにはならないと思えたし、もしかして頑張り次第では「できる子」になれて、本人も自分の可能性に自信を持つことができるかもしれない、と感じた。それに私の職場からそれほど離れていないので、朝は一緒に来ることができる。なにかあったときにすぐに駆けつけることもできる。同僚は「確実に登校していることを確認できるのは大切なことだと思うよ。」と言った。

9月からADS児専門の塾に通わせたいと思っていたので、私が塾への送り迎えをしなくてもB校からなら歩いて15分ぐらいだから一人で行ける。「犯罪者」という落書きは気になるが、一番合理的ではあると思った。

しかし、会社の同僚にADS児専門の塾について話したところ「えー、あそこは私だったら通わせない。」と言われた。彼女の子供も二人ともADSと診断され、その塾に通わせた経験があるそうだ。
「あそこはお金儲けのことしか考えてないよ。どんな子にも「アルファベットを低学年のときにきちんと学ばなかったことが原因」「数字の概念を叩き込むことが必要」って言って、アルファベットを指でなぞらせたり、音楽を聞かせたり、おはじきを数えさせたりするのよ。小学校1年や2年ならまだしも、高学年の子供にも同じことを強制するんだよ。うちの息子も娘も「こんなバカバカしいことやってられない」って半年でやめちゃったよ。」と言った。「その半年で変化も見られなかったし、あんな高いお金を払って通わせるぐらいなら、他の塾に通わせたほうが絶対にいいよ。少なくともうちの子には普通に書き取りとかの練習をみてもらったほうが効果があったよ。」と教えてくれた。彼女もいろいろな医者や塾やセラピーに子供を連れて行ったらしい。現在彼女の長男はRealschuleを卒業してギムナジウムに通っており、12年生で留年してしまったものの夏休み明けからは13年生に進級するそうだ。20歳になってもまだギムナジウム生と嘆いていたが、ドイツでは別に珍しい話ではない。
しかし同僚の話はちょっとショックだった。その塾に私は一縷の望みを抱いていたのに、蜘蛛の糸を断ち切られたような気分になった。仕切り直しだなー。
私にはママ友がいないので情報交換をデキる人が同僚しかいない。仕事をしているメリットがここにもある。





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最終更新日  2018年07月29日 15時30分10秒
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