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ドイツでマルチリンガルを育てる

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2018年11月01日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
夕方ピンポーンと音がした。
にこちゃんが帰ってきたのかと思ってドアを開けたら、お面をかぶった3人の男の子が立っていた。
肩から下げているバックからして、にこちゃんの(元)同級生だとわかった。
すごくびっくりしたふりをしてあげた。
悪さをされたくなかったらお菓子を頂戴、というお決まりの文句を彼らは恥ずかしそうに小声で言った。
ハロウィンには興味ないし、にこちゃんにも「他人の家にお菓子を集めに行ってはいけない。ママはほかの子がうちに来るのも嫌いだから、にこちゃんにもそういうことをしてほしくない。」と伝えてある。だから、お菓子なんて全く用意していなかった。でも手ぶらで返すのも悪いかな、と思って、賢浩がアメリカから買ってきたお土産で、まずいと言って誰も食べないチョコレートがあったので、それを一人に2個づつあげた。すごく喜んでお礼まで言われた。こんなに素直に喜んでくれるなら、ちゃんとしたお菓子を用意しておいてあげればよかったかな、と罪悪感でいっぱい。せめてうちで不人気だったチョコが彼らの口に合いますように!

今日は先週亡くなった同僚の息子さんのお葬式があった。
会社の人はほとんど全員参列するので、今日は仕事は12時までになった。
月曜日に全体ミーティングがあり、その時にお葬式には事務所としてたすき(?)を送ることを決めた。また12月上旬にクリスマス会をレストランで行う予定になっているのだが、子供が亡くなって1か月ちょっとでクリスマス会をするのは酷ではないか?今回は見送って、来年別の形で会を開くのはどうか?という案が出た。みんなが心から楽しめなければ開く意味がないが、残された人の人生は続いていくわけで、いつまでも下を向いてもいられない。どうしたいかは、みんなで話し合ってきめてくれ、と社長が言った。

同僚は山の上の小さな町に住んでいる。私が住んでいる町も小さいが、彼女の住んでいるところは「村」といったほうがふさわしいようなところだった。
お葬式は教会で開かれたが、教会に入りきれない人は中庭に設置されたベンチに座った。ベンチにも座れずに立っている人も大勢いた。私を含め大勢の人が、北風の中、教会の外に設置されたスピーカーから聞こえてくるミサに耳を傾けた。そのあと隣の墓地に移り、穴の中に棺を納め、そこに参列者が水をかけたり花を投げこんだりした。
お子さんの同級生と思われる子も親に連れられたくさん参列していた。
村中の人が参列していたのではないかと思うほど、たくさんの参列者だった。
教会の鐘が鳴り響いた。
2時間以上寒風の中にいたので、体中が冷え切ってしまった。
同僚の息子さんはまだ11歳だった。
半年前までは元気だったのに、5月に腫瘍が見つかってからあっという間だった。

私は息子さんにお会いしたことはなかったが、それでも本当に悲しく思った。息子さんと一緒に遊んだ思い出がある人にとってはもっとつらい別れだっただろう。
同僚の息子さんは素晴らしい家族や友達に恵まれ、幸せな人生だったんだろうな、でももっと生きたかっただろうな、と感じた。
できることは今しておいたほうがいい。
嫌なことを考えるより楽しいと思えることに目を向けたほうがいい。
子供のあらを探すより、長所を見つけてあげるほうがいい。
そんなことを私はお葬式中ずっと考えていた。





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最終更新日  2018年11月01日 03時14分51秒
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