カテゴリ:本
三浦しをんによる元気な下町じじ小説。
隅田川を舞台に、正反対と言っていいほど生きかたも考えかたも違うが、ずっとつきあいが続いている 川沿いの問屋に商品を卸すつまみ簪職人である源二郎(73)・ 大学を出て銀行に入って定年となった有田国政(73)の幼なじみ、 2年前に源二郎に弟子入りした吉岡徹平(20)、徹平の彼女の美容師・マミなども加わり、 楽しいばかりではないけれど、なんだかのどかな!?生活が、しをん節で描かれる。 つまみ簪・・・祇園の舞妓や文楽の人形、七五三の時などに挿す簪。 ----------------------------- 一、政と源 源二郎はマミに染めててもらった赤髪で告別式に参列。国政苦笑。 源二郎は40代に最愛の妻を亡くし、お見合い結婚した国政の妻は数年前に家を出て長女一家と暮らしている。 弟子入りする前に悪さをしていた徹平は元仲間にお金を取られたり、襲われたりしていた。 話を聞いた源二郎と国政は徹平に元仲間を呼び出させ、大立ち回り後に盛りこみの脅しをきかけて撃退成功。 社会科の授業で小学生が源二郎の工房を見学に来たりもする。 二、幼なじみ無線 源二郎は集中している時とずぼらの時の差が激しい。 子供のいない源二郎だったが、今は徹平がかいがいしく世話をやいたりそばにいる。 孫娘の七五三のお祝いにも呼ばれない自分と比べてしまって国政は面白くない。 源二郎のもとを訪れなくなっていたある台風の夜、 ぎっくり腰になった国政は様子を見に来た源二郎に助けられ看病される。 国政が用意したお祝いの商品券を誤って水没させてしまった源二郎は 代わりにお祝いのつまみ簪を作る。 三、象を見た日 お目見え通商店街の裏手にある水路に思いをはせたり、国政に孫娘の七五三の写真が届いて喜んだり、 マミとの結婚を考える徹平が、親に結婚もつまみ簪のことも認めてもらえず悔しい思いをしたり、 独自のアクセサリーを作って上野で売ったり、絡まれて逃げたり、ロマンについて考えてみたりする年の瀬。 四、花も嵐も 正月、源三郎の家でのんびりおせちをつまみ、カップルと幼なじみそれぞれ初詣へ。 参拝を待つ間の話しているなかで妻が出て行った原因が分からずイラついた国政は源二郎に八つ当たり。 ひどいことを言ったことを国政が後悔しながら思い起こすのは、 源二郎が教師をしている花枝に惚れ、駆け落ちの手伝いをした日のこと、その後の幸せだったであろう暮らしのこと。 お互いに謝罪。源二郎は国政にうじうじせずに一度かみさんに会いに行ってみろと助言。 国政は自分と妻・清子がお見合いしてから平凡かもしれないが円満な家庭を振り返り、 仕事ばかりで家庭を妻に任せきりだったが、不満はないのだろうと思っていた。 五、平成無責任男 国政は娘一家の家にいる妻に会いに行くが、疎外感にさらされ、 妻からは不満を伝えていたが何もしてくれなかったと責められ、戻るつもりはないと告げられる。 落ち込む国政を徹平らは励ます。 父親に結婚を反対されていた徹平は、一部上場企業に勤めていた父がきちんとした仲人を立てることを条件に挙げられ、 銀行に勤めていた国政に頼む。清子に連絡した国政だが、一蹴される。 六、Y町の永遠 徹平からの仲人の依頼は断りきれず、さらに清子はいまだ説得できない国政は、 清子に毎日手紙を送ることに。根負けした清子は出席を承諾。 家族の幸せを願いつつも清子は自分とは暮らせないということを痛感しつつ、確認できたことをよしとする。 徹平・マミの結婚式は楽しくつつがなく。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
March 17, 2014 01:23:09 AM
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