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片桐早希 おむすびころりん

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2009.08.04
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カテゴリ:カテゴリ未分類
 紀子の家の勝手口は、開けっ放しになっていた。

良の伝言を紀子に電話で伝えることもできたのだが、江利は久しぶりに紀子に会いたくなり

やってきたのだった。紀子は平日は仕事をしているので、土曜日を選んだ。


 江利は家の中をそっとのぞき、こんにちは、と声をかけた。すると、台所の奥でうずくまっ

ている人影がゆっくり立ち上がった。


「まあ、江利さんじゃない・・・・。いらっしゃい。」

 江利に向けられた笑顔はいつもの紀子だが、服装が違う。エプロン姿の紀子を、江利は初め

て見た。それにどうやら紀子は台所の掃除をしていたようだ。掃除をしている紀子を見るのも

初めてのことだった。紀子は自他共に認める家事嫌いなのだ。


 三年前の六月、江利は良と一緒にこの高階家に仕事にやってきた。

 最初、江利は紀子のことをとっつきにくい人かな、と思ったのだが、すぐにそうではない

と思い、親しく話すようになった。

 紀子は仕事をしている良を見て、凛々しい姿だねえ・・・・、としみじみとつぶやいた。

 その言葉は江利の心の一番奥にそっと入り、それからずっと大切にしまわれているのだっ

た。


 
 





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Last updated  2009.08.05 19:02:16
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