121847 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

片桐早希 おむすびころりん

片桐早希 おむすびころりん

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

片桐早希

片桐早希

Calendar

Comments

総徳@ あんれ~? もう1ヶ月! なんだ、なんだ? ど…

Favorite Blog

インクレディブル・… New! ジャスティン・ヒーハーフーさん

本を読もう!!VIV… viva-bookさん
FLOWER GARDEN 2 小山千鶴さん
2009.08.07
XML
カテゴリ:カテゴリ未分類
 紀子は小中高生の学習教材の販売や学習塾を開いている会社に、長い間勤務している。

 小学生のための学習塾の講師の仕事が主で、子どもたちに勉強を教える楽しさを江利に

よく話した。そういう時の紀子は生き生きとして、聞いている江利まで明るい気持ちになった

ものだ。

 その紀子が、仕事の話になったとたん意気消沈しているように見える。

 江利は言葉を失い、そのまま黙って座っていた。


 紀子はしばらくして、大きなため息を一つつくと、言葉を選びながら最近のことを話し始め

た。


「長い間一緒に働いていた人が、仕事を辞めたの。二人同時にね・・・・。一人はだんなさん

が実家を継ぐために引っ越さなくてはならなくなったため。もう一人は親の介護のため。しょ

うがないよね、私たちはそういう年になってしまったんだから。」


 紀子はそこまで言うと、立ち上がり紅茶を煎れ、空色のカップを江利の前に置いた。


「淋しい気持ちはあったけれど、それはそれで避けられないことなんだから、それぞれの道で

がんばろうって言い合ったんだけれど・・・・・、彼女たちがいない職場は何だか調子が違う

のよね。今までなら、スムーズにできていたことができなかったり、話がこんがらがった

り・・・・、会話がかみ合わなかったり、常識を疑いたくなる行動がやけに目についた

り・・・・。何だかそんなことばっかり続いて、急に仕事の意欲がなくなっちゃたのよね。」


 肩を落としてぼそぼそ話す紀子に、江利は驚く。



「こんなこと考えるなんてね・・・・・・。」











お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009.08.07 20:21:41
コメント(5) | コメントを書く



© Rakuten Group, Inc.
X