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2004.11.24
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カテゴリ:アート虎の穴
そんなわけで、6年ぶりにオペラ公演会場で、偶然にも再会してしまった私と師匠。

上演後、一緒に食事に行く事と相成りました。
本当は、年明けの同窓会で再会かな?と思いきや、師匠は年末から休暇を取って、オペラ三昧(タイトル覚えてるだけでも6本+バレエ1本)の日々を過ごすんだそうだ。
全く、羨ましい話である。


師匠の最近の近況はというと・・・確か「市民音楽祭」関係で色々と立ち回ったり、今年の「第九コンサート」の歌唱指導・指揮(数年前までは、テナーのソリストとして歌ってた)にあたってる事は知ってたけれど、趣味と実益を兼ねた音楽趣味(フェチ+マニア)っぷりには、予想以上に拍車がかかっていた。


連絡を取っていなかった数年間は、少なくとも毎年2回はヨーロッパに出かけ、オペラ・バレエ・美術館三昧、となんとも羨ましい生活をしてたらしい(県職員なので、給料はしれてるのだが・・・一体何処から捻出するんだろう?妻子もあるのに)。

私からすれば本当に溜息モノの生活・・・。(大体、海外に行くほどの休暇が取れないし、語学力も貧弱としてるし、出かけられたとしても、「女一人」なので何かと物騒だったり。)


出かけた都市は、オーストリア、ドイツ、イタリア、イギリス等など。休暇と演目にあわせて出かけるとかなんとか。
勿論、毎晩がオペラかバレエ。昼間は美術館だそうな。

そんな生活をしてる中で、色々・着々とコネも広げてたみたいで、某L航空会社からオペラハウスの支配人に引き抜かれた方とも、ちゃっかり「お友達」してて、師匠がどうしても見たいオペラが取れなくて困ってる時のこと。
その「お友達」が、傍らにあったダンボール箱を切って、ダンボールの端きれに「自らのサイン」を入れて、師匠に渡し、

「指揮者がオケボックスに入った時をねらって、何処でもいいから前の方の空いてる席に潜り込んで、知らん顔して座ってろ!」
と、いったのだと。そんで、師匠も言われたとおりに実行し、まんまと潜り込む事に成功したのだという。。。。

やっぱ、コネ社会だな。アチラって。私もいいコネを作らなきゃ・・・そう思いながら、ペスカトーレ・ビアンコを口に運ぶ私。



現地逗留中は、夜は音楽、昼間は美術館に行くので、西洋絵画の話もしつつ、今日の公演に関するコメントも頂いた。

師「エルヴィーラがさぁ、のっけからトチってたでしょ?」
私「あ、そうなんですか?歌詞までは覚えきってないからなぁ。でも、印象的だったのはレポレロかな。主人よりも目立ってたし。声が通ってて、役作りもイイ感じだったような。あとはアンナ役かな。結構若くて美人だったし。」

師「そうだね。レポレロの声って、ジョヴァンニよりも本当は低く設定されてるんだけど、今日の人は声が若干高めだったからね。それに、アンナ役の人は上背もあるから見栄えがしたね。あと、残念なのは、ゼリーナ(=ツェルリーナ)役の子かな。体格はいいのに、声が出きっていない。」
私「でもまだ若いから、これから伸びてくる可能性はあるんじゃないですか?体格もいいし(笑)」
師「そうかもね。でも、ドン・ジョヴァンニってなかなかあっちじゃやってないんだよ。何故か判らないけれど、今日も含めて数回しか見たことないなぁ。他の演目は結構色々やってるのに。」
私「海外じゃ、やってないんですか?意外だなぁ。。。」

師「そうそう、今日の演出は「おとなしめ」の演出だったけど、もっと凄いのがあるの。」
私「凄いのって、どんな?」
師「そう・・・もともと面白い演出をする人で有名な人が手がけたモノなんかはね、例えば、劇中でゼリーナを誘惑するシーンがあるでしょ?そこで本当にドレスをガバッツと脱がせちゃったり。」
私「ガバッツ・・・ですか・・・。」
師「それから、最後の騎士長の亡霊を招いて晩餐を取ってるシーンで、料理を裸の女性の身体の上に盛ってるの!で、ジョヴァンニは何食わぬ顔でフツーに食事をしてる。」
私「それって・・・『女体盛り』じゃないですか・・・(汗)」
師「んでもって、地獄の亡霊に連れて行かれた後で、残された人たちが歌うでしょ?『コレが悪党の最後だ』って。で、その後ろで、死んだはずのジョヴァンニが「あの世で女を口説いてる」シーンが繰り広げられるわけ。」
私「凄い演出ですね。なんだか、そういうのを見ちゃうと今日のって何?って感じしますねー(苦笑)」
師「でも、オケは良かったでしょ?(タクト)振ってる姿も見えたんじゃない?」
私「そうですねー。あと、幕間にチェンバロの調律も見たりして。それも、ちょっぴり感激しちゃいましたよ。本物見るのは初めてだったから。」
師「復刻版でしょ?」
私「うん。東京からワザワザ持ってきたみたい。1980年代のものだったし。でもチェンバロって、個人的に好きな楽器だし。復刻だろうがなんだろうがいいですよ、この際。そういや、バンドネオン(アコーディオンと同じ要領で音を出す楽器。形もアコーディオンに似ている。元は教会のミサでオルガン代わりに使われた)も骨董品並の楽器ですね。ピアソラ(リベル・タンゴとかが有名。CMでも多用されてる)繋がりで知った楽器なんですけど。リベル・タンゴの影響でピアソラに嵌った時期があって・・・」

(それからピアソラについて、実に長ーい話が続いたので、ちょっとその部分は割愛。)

その後は、トドメに「モーツァルト談義」。
大体、モーツァルトのオペラは、ほとんどが色恋沙汰をテーマに描かれている。
師匠に言わせれば、彼は同時代の作曲家よりもより人間的な部分を持っていて、人間の愛や欲望をそのままに描きたかったんじゃないかと言う(私もこの点については、激しく同意)。

良く言えば、人間味のあふれる物語と、情感を刺激する音楽性。
こき下ろすならば、俗っぽく下品(「げぼん」と読むべし)。
人が人でありつづける限り、色恋沙汰は避けては通れないし、所詮世の中には男と女だけ・・・そんな話から、アルコール抜きでお互いの人生観を語り、今度は絵画の話へ。


なんだか、久しぶりに「知的な会話をした気分」になった(あくまで、師匠の話を聞いては、茶々入れてただけなんだけどさ)。
気分だけでなく、ちょっと知識も増えたような気もしないでもないが。


私「それにしても、どこかに先生が来てるだろうなぁ・・・と思ってたらあそこでバッタリ、だもの。ビックリ!ほんと偶然ですよね。」
師「入り口を入る時、後姿を見て『なんだかキレイな人がいるな』と思って振り返ったら、君がそこで手を振っててくれたから。」
私「またまたー(苦笑)相変わらず、口が巧いなぁ。」
師「そういえば君は・・・昔から、独特の内的な世界を持ってたよね。できれば僕が関わった皆に、そうであって欲しいと思ってるんだ。」
私「確かに、独特。個性的な方でしたよね、当時から(苦笑)」
師「18年経ったんだな、あれから。それにしても、今日はオペラや音楽、美術に人生の事・・・色々な部分で合致しててとても楽しい夜だったよ。今日は、実にいい日だった。また、音楽や美術系の催しも一緒に行きたいね。勿論、それだけじゃなく、お酒でも飲みながら色々と語ってみたい事もあるし。」
私「そうですね。最近、催事に出かけるときはいつも一人なんで。誘ってくださると嬉しいです。お互い感じた事を共有して、語り合うのも楽しいし。」

そして、すっかり食事をご馳走になった後、私が車を停めてるパーキングまで送ってくれて、
「又何かあったら、事務所に電話してね。今日は本当に楽しかったよ、有難う!長話の分だけ駐車場代が高くなったかもしれないけど、ゴメンね!」
そういって、笑って右手を差し出す。
「いえいえ。お食事、ご馳走様でした。もうそれだけで充分なんで。とにかく、会えてお話できて良かったです。また、近いうちに・・・それから、レマン湖のほとりのオペラハウスの写真、送ってくださいねー☆」
そういって、握手して別れた。

師匠は、今日もレストランのところでエスコートしてくれたり、椅子を引いてくれたり、なにかとやることがスマートでカッコいいのだ(やっぱ、場数を踏んでるだけはある)。

自分が男だったら・・・できるだろうか。つか、これだけこなせたらカッコいいだろうなぁ(笑)


それにしても気になったのは、西洋にも「女体盛り」という概念があったということ。

そんな「面白い演出」があるなら、1度といわず、同じ演目でも何度か脚を運んでみるもんだなぁ、と思った一日でありました。
(あとは、「ヨーロッパのコネ社会」に思いを馳せながら、黒い野望も抱きつつ(爆)

PS.そんな師匠も、私がかつて1度だけ手にした「プラチナチケット(因みに3大テナーの一人、ホセ・カレーラスの独唱)」は羨ましがってました。
まだまだ日本では敷居が高い感じのするオペラですが、ヨーロッパのオペラハウスでは、「天井桟敷席」があり、そこならわずか数百円(!!)で見られるとの事。
やっぱ、本場は違うなぁ。。。憧れるっす(その前に台詞とお話はある程度押えなきゃいけないんだけど;)。





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最終更新日  2004.11.26 21:06:07


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