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カテゴリ:アート虎の穴
そんなわけで、1階席10列目左端の席をGETして、事前に予習(教材は、山岸漫画「アラベスク」笑)までして。
今日の演目は「白鳥の湖」。 今回の日本公演は主に「白鳥の湖」だったみたいですが、「ドン・キホーテ」「海賊」「ジゼル」「眠りの森の美女」「くるみ割り人形」なども上演されたみたいです。 とにかく凄かったです。ゲスト・ソリストとして、草刈民代(「Shall We Dance?」でダンサ-役を演じ、後に周防監督と結婚しちゃった、世界的プリマ)や、あのルジマトフ(この世界屈指のプリンシパル)が舞ったステージもあったらしいです。 ビックネームのソリストの舞にお目にかかることはなかったですが、やっぱり凄い。滅多に涙腺が緩まない私が、「半泣き」してましたから(恥)。 判りやすいあらすじ(ネタバレありです)。 1幕 ジークフリート王子の誕生日。村の若い娘や青年たちも歌い踊り、王子のお祝いをしている。 祝宴の終わった夜。王子は白鳥狩りに誘われて森へ。 悪魔ロットバルトに追い掛け回される白鳥達は、夜の帳の中で次々に乙女の姿に変わっていく。何事かと見ている王子の前にひときわ美しい乙女が現れ、一目で王子は心を奪われる。 その乙女、王女オデットは、魔法で姿を変えられた哀しい身の上話を語って聞かせる。献身的な深い愛がこそが、ロットバルトの邪悪な力を退ける事ができることも。 そして、王子はオデットに変わらぬ愛の誓いを立てて、別れる。 2幕 王子の花嫁を選ぶために舞踏会が催される。 王妃は花嫁候補を連れてくるが、王子は首を縦に振らない。 其処に何故かロットバルト登場。しかも傍らにはオデットそっくりの乙女を伴って。しかし、その乙女オディールをオデットと取り違え、王妃に歩み寄り「彼女を花嫁に」と申し出る。 あまりの事態に王妃は卒倒。 企みが巧く運び、満足げな表情のロットバルト。 そして、王子はその時初めて欺かれた事を知る。 3幕 白鳥の乙女たちはオデットの帰りを待ちわびているが、オデットから、誓いが裏切られた事を聞き、共に嘆き悲しむ。 王子も駆けつけるが、誓いが破られた以上はオデットを救う事は出来ない。再びロットバルトが現れて高らかに勝どきを上げる。 湖は朝を迎え・・・王子と王女の愛と自己犠牲により、乙女たちの呪いが解ける。 みどころ(独断) ・1幕の1場、小椅子やメイポールまがいのものを使った若い男女の郡舞。この小道具を使った演出は珍しい。バレエ団によっては、この演出をカットしてるところもあるそうな。 ・1幕2場。此処は見所満載。トロックスで必ず演じられる「4羽の白鳥の踊り」も2場の見所の1つ。乙女たちの2人ないし3人での踊り(パ・ド・トロワって言うんですかね?)もいいし、主役2人のパ・ド・ドゥ(で、あってます?マダム?)に、ハープと弦の混じった哀しげな旋律には、否が応でも胸が締め付けられます。(哀しげに寄り添う所なんて半泣きでした) ・2幕 花嫁候補の踊りもさることながら、他の外国の踊りも良いです。 お国によって衣装がカラフルで、曲調も違うので面白い。 最大の見せ場は、オディールの32回転(グラン・フェッテ・アン・トールナンというらしい)。 3幕 王子と王女のパ・ド・ドゥ。これに尽きますね。 今回も生オケで、音響も良かったです。 ただ、楽器にハープが入るために「打楽器サマご一行」がオケ・ボックスから追い出される羽目に(これってワザとなんですかね?)。1階席のオケ・ボックスの傍らで職人の如くシンバルを鳴らしたり、タンバリンを鳴らしたり・・・お疲れ様でした; これはパンフからのウケウリなのだけれど、レニングラードの「白鳥の湖」は原典に忠実な演出がなされてるとか。 例えば、1幕の小道具を使った群舞や、2幕の各国の踊りの舞踏手たちは、ヒールのある靴を履いて躍っている、とか。 初演から現在にいたるに、演出も色々といじくられた経緯があるらしく、最後のオチも原典とは異なる「ハッピーエンド版」が存在するらしい。 これはこれで観てみたい気もするけれど。。。 それにしても、皆様やはり身体そのものが芸術品。 舞踏してる方というのは皆姿勢がよく、ぱりっとしてますが、バレエはラインの美しさ(止めの動作、踊りの動作全てが美しく見えるように)にごまかしが効かない分だけ、厳しく節制されてるとのこと。 そのうえ、爪先だけで数10秒も静止したり、跳躍・回転(男性の場合これに女性を持ち上げる「リフト」が加わる)など、かなり筋肉がシッカリしていないと出来ないのです。 例えば、トゥ・シューズで跳躍しますよね。 ソリストクラスになると、着地の時に「音がしない」んです。 (群舞で固めてた方の中で、ちょっと靴音がしましたが。ちょうどスリッパかミュールで歩いてるようなパタパタした音がする) 着地のその瞬間まで脚の力を抜いていないからこそできるのだそうです。これだけでも、すごいと思いません? あと個人的感想。 悪魔ロットバルト役の方が妙にカッコ良かったです(かなり萌えました)。「カストラート」のファリネッリみたいな感じの方。 最初の1幕1場の登場シーンも、舞台中央から舞台左端に向って大きめの跳躍で、「しゅたっつ!」とポーズ決めて着地ですから。 もう、この時点で王子役の方は目に入りませんでした(ゴメンナサイ;でも、王子は、2場にならないと本格的なソロを躍らないのであんまり目立ちません)。 プロフィールを見ると 「マラト・シェミウノフ:身長195cm、かかとからウエストまでが124cmという。」 面立ちも好みだったけれど、その「長さ」にはビックリ・・・。124cmって、一体どうよ?ジーンズは特注なんだろうか?とか余計な妄想を膨らませてました(苦笑) しかもサーヴィス精神もあり、幕が閉じた後も幕間から例のジュッテで愛想を振り撒き、主役2人を引っ張り出して拍手に応えてくれました(しかも3回も!) 彼は「白鳥の湖」ではロットバルトをやってますが「ドン・キホーテ」ではタイトルロールもこなす実力派。 いつか、彼の演じるドン・キホーテも観てみたいものです。 あ、ルジマトフの「海賊」と「ボレロ」もね♪←DVD出てますがやっぱ、生で観たい!!しかも射程距離で(・・・何の?)。 最後に今回のメイン3人のキャストをご紹介。 オデット/オディール:オリガ・ステパノワ(98年、入団したばかりでオデット/オディールに抜擢された期待のプリマ) ジークフリート王子:アルチョム・プハチョフ(80年生まれ。18歳で入団したばかりでジークフリートに抜擢された。テクニックが確かな期待の若手) ロットバルト:マラト・シェミウノフ(長身、手足長ーい!化粧も映える☆) 夏にはトロックスの公演が決まったので(これまたラッキーな事にウィークエンドの夕方☆)、観に行こうか考え中。 トロックスで一人だけ、日本人で頑張ってるユリカ(勿論芸名)は元気かなぁ。。。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005.02.07 00:40:11
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