いまだに、私の『子供に見せたいアニメ』の筆頭であるガンバの冒険に劇場版があったなんて知りませんでした。
といっても、TVシリーズの編集版ですが。
TVシリーズ全26話を90分余りに収めようってのが所詮無理な話でね…。(^_^;)

ぶっちゃけ、『冒険』シーンである途中のエピソードがまるっきりカット（ツブリはラストで必要なのでチラッと出てくるけど）で、７匹の出会いと船に乗り込んで『海』に出るシーンから、その船が沈没して海に投げ出され、さまよいながらテング岩を見つけてノロイと決闘！
って流れでした。

それでも、テング岩の辺りからは昔の記憶が蘇って、反射的に緊張してしまう私なのでしたが…。
あ、ノロイが出てきても裏切り者の太一の話は全く出てきませんでした。
まぁ、長くなっちゃうから仕方ないのかなぁ？良い話なんだけどねぇ～。

ノロイとの決闘シーンは、たっぷり堪能できます。
子供の頃、ノロイが怖かったなぁ～。あの笑い声がめっちゃコワイんだよぉ！


TVシリーズを観た上で、『あ～、ガンバが観たいなぁ～。』って時に手軽に観るのにはイイかも？って感じ。
やっぱりTVシリーズありきでしょー！
だってエピソードもキャラも素晴らしいものが満載だもの！

人間は、ネズミにとってもの凄く恐ろしい存在だから作品中、白黒で描かれて顔が見えないんだけど、唯一ガンバ達と交流を持つ人間がいるんだよね。
ケガしたガンバを助けてくれるの。優しい人間がいて、安心したなぁ。（私も人間なんだけどさ）


そして、やっぱり特記すべきは背景の素晴らしさでしょう！
オープニングのポップさも新鮮だったし、太陽や海等の自然の表現の仕方がアートなんですよね。
美術監督の小林七郎氏の作品という事なのかなぁ？
同時期の元祖天才バカボンも背景が独特で大好きだったんだなぁ～と思って調べてみたらビックリ！
この小林七郎氏、タダものぢゃーなかった！

『ルパン三世　カリオストロの城』　『はじめ人間ギャートルズ』　『エースをねらえ！』　『キテレツ大百科』
最近ではダンナの好きな『少女革命ウテナ』　『剣風伝奇ベルセルク』や『レジェンズ　甦る竜王伝説』　『のだめカンタービレ』他多数の美術監督を務める人であった！

いやー、素晴らしい！
またガンバやバカボンみたいな、自然と視覚を刺激する作品を描いて欲しいなぁ～。


で、またエンディングも独特だったねぇ～。
あの頃のアニメのエンディングって、割と変わった歌が多かったけど、ガンバは格別でした！
きっと、私のマイナーコード好きにかなりの影響を与えたハズ。
静かに始まって『カモメは～歌～う』から盛り上がりを見せ、『けれど夕陽は～』からまた静かに何かを含みながら終わっていくという、あの短い間にドラマがある！
素晴らしいっ！名曲！
ちなみに、オープニングの歌を歌ってるのは、強面だけど実はおしゃべりで愉快なオヤジの河原さぶ（当時は河原裕昌）なんですよ。


と、話がちょっとズレましたが。

ガンバには、勇気や友情、『人として大切なモノ』『成長するという事』がしっかり描かれている気がします。
噂によると、残酷なシーンが多いから、という理由で地上波では放映できないとか？
以前、知り合いが「今のアニメは血が出せない」から脚本を書くのが大変だ、と嘆いていた。
人を殴った事がなければ、殴られた痛みも殴った痛みも分からないのに。
見せないんじゃなく、見せて教える、体に覚えさせるのは大事だと思いますよ。


そーいえば、劇場版でどーにも納得できない事がありました。
それは、

ラストにシジンの詩が無いっ！

あり得ないでしょーっ！
あの詩が私の号泣ポイントなのに！
それまでの、シジンの詩がなかなか完成しないってシーンはちゃんとあるんだよ。
なのに、最後まで詩が出来上がらないで終わっちゃったらダメでしょーっ！

ちなみに、私の大好きなシジンの詩がコチラ。

こんなに広い海　こんなに大きい海
海　海　海　海　海
私達は小さなネズミです　だから余計わかるのです
この素晴らしい広さを　この素晴らしい大きさが
おしっこをしても許してくれますね
大粒の涙をこぼしても許してくれますね
私達は旅を続けます
見ていてください
私達の小さな小さな　小さな冒険を

あ～、書きながら泣きそうになっちゃった。

また、ガンバのTVシリーズを通して観たいなぁ。
地上波が無理なら、スカパーでお願いします！



ガンバのアニメ画像入りで、独自の切り口で解説してくれる面白いページがありました。
ノロイとの対決からなんですが、結構笑えるのでお好きな方は是非！

ガンバの冒険　ノロイ様「黎明編」
ガンバの冒険　ノロイ様「飛翔編」
ガンバの冒険　ノロイ様　大往生！