季語と暮らす生活！ 　歳時記で知る日本の四季

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• 秋彼岸

  秋彼岸（あきひがん）【後の彼岸　秋中日】《季　秋》ひがん【彼岸】 仏語。生死の迷いを河・海にたとえた、その向こう岸。悟りの境地をいう。（反）此岸（しがん）あだしの【徒野・仇野・化野】京都市右京区嵯峨、小倉山の麓の野。中古、火葬場があり、東山の鳥辺山（とりべやま）と併称された。名は「無常の野」の意で、人の世のはかなさの象徴としても用いられた。（小学館刊行「大辞泉」より）あだし野の秋の彼岸の仏道　　　倉田紘文あだし野の露、鳥辺野の煙は絶ゆる時しなき、これが浮き世の誠なる（壇浦兜軍記より）。諸行無常とは世の中の一切のものは常に変化生滅し永久不変なものはないという仏教の教えであり、人として生を受けた以上、遅かれ早かれ誰にでも死は訪れるものなのです。多くの方が死とは怖いものと身構えてしまうように思うのですが、なぜかしらこの句からは悟りに導かれていくような穏やかさを感じます。（秋桜歳時記）

  2002年09月20日

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• 子規忌

  子規忌（しきき）【糸瓜忌　獺祭忌】《季　秋》正岡子規の命日。九月一九日。糸瓜（へちま）忌。獺祭（だつさい）忌。（小学館刊行「大辞泉」より）子規のこと少し学びて子規祀る　　　幸数限正岡子規に関する知識は俳人であり、歌人であり、「野球」が子規の本名「升（の・ぼ～る）」からきているらしい等という程度のお粗末なものでしたが、享年が現在の私の齢だという事実を知ると、その培われた功績には、ただただ脱帽するばかりです。（秋桜歳時記）参照：木村功氏のサイト「ＡＲＥＡ　ＳОＳＥＫＩ」内、正岡子規年表より

  2002年09月19日

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• やゝ寒

  やゝ寒（ややさむ）【稍寒　秋寒】《季　秋》秋になって少し寒さを感じること。うそさむ。そぞろさむ。（小学館刊行「大辞泉」より）一人居の振り子の音や秋寒し　　　渡辺照子おお～きなのっぽの古時計♪・・・。最近、平井堅さんも歌っているこの歌は童謡として慣れ親しんでいた事もあり心をなごませてくれますが、保富康午氏による歌詞の内容には悲喜こもごもに綴られた人生のドラマがあります。そして、ただでさえ人恋しさを覚えてしまう秋という季節に聞く振り子の音は、独りの淋しさを際立たせてしまうのです。（秋桜歳時記）

  2002年09月18日

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• 囮

  囮（おとり）【媒鳥】《季　秋》《「おきとり（招き鳥）」の音変化か》鳥や獣を捕らえようとするとき、誘い寄せるために使う同類の鳥・獣。（小学館刊行「大辞泉」より）かゝりたる鳥に驚く囮かな　　　千本木溟子いけないとは思いつつも思わず頬が緩んでしまいます。一体どんな鳥がかかったのでしょうか？私の想像では一つ籠の中に閉じこめられた獰猛な大鳥とそれに怯える小振りの囮の姿が思い浮かびます。早く助けてあげて欲しいものですが、夢のある、恋人との再会であった事を願います。（秋桜歳時記）

  2002年09月17日

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• 秋の雨

  秋の雨（あきのあめ）【秋霖　秋黴雨　秋雨】《季　秋》しゅうりん【秋霖】秋の初めに降りつづく雨。（小学館刊行「大辞泉」より）泣けと云ひ泣くなとも云ひ秋霖に　　　茂上かの女ひとしきり泣いてしまえば抱えている悲しみに対する胸の痛みも和らぐかもしれない。けれど、それで悲しみが拭い去れるというわけではない。その涙が喜びに流れる涙と変わるまでは決して泣くわけにはいかない。だけど・・・堪えるとはとても辛いこと・・・。きっと、今この瞬間も数多く心の秋霖が降っているのでしょう。（秋桜歳時記）

  2002年09月16日

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• 敬老の日

  敬老の日（けいろうのひ）【老人の日　としよりの日】《季　秋》国民の祝日の一。九月一五日。老人をうやまい長寿を祝う。「老人の日」を昭和四一年（一九六六）から祝日として改称・制定したもの。（小学館刊行「大辞泉」より）敬老の日の焼津港もやひ船　　　渡辺照子いつもは漁で勇ましく活気に溢れている港も、敬老の日の今日は人気もなく繋がれた船が静かに波に上下しています。皆から忘れられた船の淋しさも感じますが、それよりも祖父祖母を囲んでの家族団欒というほのぼのとした一日を思います。日本という国がそのような社会をいつまでも築き続けていけるよう、政治家の先生方には今後ともその責任と国民からの信頼を堅持していただきたいと願っています。（秋桜歳時記）

  2002年09月15日

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• 案山子

  案山子（かがし）【鹿驚　かかし】《季　秋》竹やわらで作った人形。蓑（みの）や笠をつけて田畑に立て、人に見せかけて鳥などが作物を荒らすのを防ぐ。もと、鳥獣がその臭気を嫌って近づかぬよう、獣肉や毛髪などを焼いて竹などに付け立てたもの。「かがせるもの」の意で、「かがし（かがせ）」といったところからいう。おどし。かがせ。（小学館刊行「大辞泉」より）双肌を脱ぎし案山子も里姿　　　立石千代健やかに育った稲穂の只中にすっくと立った無垢な案山子の姿が思い浮かびます。そこに住む里人もきっと健康的で朗らかな人達なのでしょう。（秋桜歳時記）

  2002年09月14日

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• 障子貼る

  障子貼る（しょうじはる）《季　秋》障子貼るはり込む一葉何にしよ　　　渡辺しづ障子を貼り替えているのですが、その傍らには集めてきた色取りどりの紅葉が用意されています。あれこれと配置や色合いのバランスを考える事を楽しみながら障子枠の中に紅葉を貼り込んでいるのです。以前、ＴОＫＩОもダッシュ村で障子貼りをしていましたが、その時は和紙を作る行程で紅葉入りの障子紙を作っていたように記憶しています。私にはこのような経験はありませんが（そういえば現在の私の家には障子がない！！）、その紅葉の飾られた部屋の情景を思い浮かべると日本古来の情緒深さに心が暖かくなります。（秋桜歳時記）

  2002年09月13日

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• 夜なべ

  夜なべ（よなべ）【夜業　夜仕事　夜なべ妻】《季　秋》《夜、鍋で物を煮て食べながらする意からという》夜、仕事をすること。また、その仕事。（小学館刊行「大辞泉」より）このドラマ終れば夜なべするつもり　　　稗田富貴子今日中にやらなければならない作業を抱えているのですが、たとえ夜なべをすることになろうが、どうしても今日この時に見たいドラマがあるのです。「今やろうと思ったのに、言うんだもんナァ～！」これは以前、西田敏之さんが出演していたＣＭで一世を風靡した名台詞ですが、きっと誰もが経験したことのあるエピソードだと思います。しかしながら、立場をかえて母親に注意するということは滅多にないのでは？母は強し？・・・（秋桜歳時記）

  2002年09月12日

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• 霧

  霧（きり）【朝霧　夕霧　川霧　海霧　濃霧　さ霧　霧雨　夜霧】《季　秋》霧の谷何も見えざる大いさよ　　　高野素十おそらく、とてつもなく深い谷なのでしょう。が、そこに見える筈のその谷は完全に深い霧の中に包まれてしまっています。私の脳裏に思い浮かぶ深い谷の荘厳さといい、さらにその谷を埋め尽くしている濃霧の姿といい、なんとも自然の雄大さを感じずにはいられません。（秋桜歳時記）

  2002年09月11日

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• 身に入む

  身に入む（みにしむ）【身に沁む】《季　秋》身に入むや風切れば風起こるなり　　　上島顕司作者の句集である「湾岸道路」のタイトルが強く印象に残っているため、どうしても湾岸道路を疾走するバイクと吹きつける冷たい海風を連想してしまいます。なぜかしら、ちょっぴりの切なさと、それに立ち向かう力強さを感じます。（秋桜歳時記）

  2002年09月10日

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• 芙蓉

  芙蓉（ふよう）【花芙蓉　白芙蓉　紅芙蓉　酔芙蓉　芙蓉咲く　芙蓉閉ず】《季　秋》 アオイ科の落葉低木。暖地の海岸近くに自生。葉は手のひら状に裂けていて、先がとがる。夏から秋、葉の付け根に淡紅色の大きな五弁花を開き、一日でしぼむ。園芸品種には白・紅などの花色や八重のものもある。きはちす【木蓮】。（小学館刊行「大辞泉」より）ひと雨のとほりすぎたる芙蓉かな　　　鈴木参保子通り雨が上がり、塵が払われた街はしっとりとして爽やかな空気に包まれています。ふと見ると（私のイメージでは純白の）芙蓉の花に先程の雨の雫が伝っていて、その花の瑞々しさとともになんとも艶めかしい芳香を匂い立たせています。（秋桜歳時記）

  2002年09月09日

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