|
テーマ:長寿犬と共に(146)
カテゴリ:雑話
昨日兄2人共からメールをもらって、朝に実家のシロが亡くなったって知った。
シロは、もうすぐ20歳になろうとしていた老犬。20歳までは、無理だったなぁ。 日本犬保存会、紀州犬保存会でかつて活躍していた父は、今まで実にたくさんの紀州犬を飼ってきた。 シロは私の実家で生まれ、一度も外へ出ることなく死んでいった唯一の犬。 シロの父親も母親も、私の父のお気に入りの名犬だった。 特に父親は、日本犬保存会の全国大会で一番栄えある賞をもらった、父をあの世界に導いた名犬。・・・と言うより、小さい頃から死ぬまで家にいたので、家族のとっても大切な一員だった。 13歳で老衰。ちょっと早い死だったな。 展覧会ではシロ自身よりも、その子供たちが大活躍していたっけ。 そこでシロに目をつけた人は何人もいたけど、私の父は決してシロを手放そうとはしなかった。 1999年、日本をしばらく離れることになった私に、父が「今度帰ってきたときにはシロはもういないかもしれないから、しっかり顔を見とけよ」と言った。 シロ、当時、12歳。 12歳の犬にそう言うのはちょっと早すぎるよ、なんて思いつつも、名犬が出ると言うことで何度も出産したシロの体は普通の12歳よりも弱っているのでは? なんて思って、一応出かける前にしっかりかわいがった。 その後、日本に帰るたびに父は毎回同じことを言う。 最後に父のあの言葉を聞いたのは2004年。私が最後に里帰りしたとき。 当時17歳だったシロは、もうすでに耳が聞こえず、目も見えず、嗅覚も利かなくなっていた。 2年半ぶりに里帰りした私に、思いっきり敵意丸出しで唸ってた そうだよね、しょうがないよね。もう老犬だし~。 食べ物を差し出して私だよ~と声をかけると、ちょっと分かってくれたみたいで(それとも食べ物が欲しかっただけ!?)、力なく尻尾を振ってくれた。 去年あたりからもう歩くこともほとんどできず、数歩歩いてはバッタリ地面に倒れこんじゃっていたんだそう。 最後の方は、もう立つのもやっとで、私の父が抱きかかえて他の場所に移動させてあげるようにしていたんだって。 一昨日の夜に父が寝床に入れたままの形で、翌日の朝、冷たくなっていたんだって。 兄が夜中に仕事から帰ってきたときには、その形でグーグーいびきかいてたのに。 今は、同じように家で亡くなったシロの父親の横に永眠している。 ここ数年、もうすっかり老犬介護していた実家の家族たち、毎日、頻繁にシロの様子を見ることに慣れていて、こうやってシロがいなくなってしまった後も、ついついシロがいた方に目をやってしまうんだって。 私は物心ついたときからずっと家に犬がいた覚えがある。 今はもう、誰もいない。 シロよりもずっとずっと若かったルミも去年狭心症で死んでしまったし、シロの介護が大変だからと、父ももう他に犬を飼わないことにしていたみたいで。 犬がいない実家の庭か。寂しいな。 長年遠く離れていても、やっぱり家にずっといた犬が死んでしまったのは悲しい。 いつかこの日が来るとは分かっていたけど、やっぱり悲しい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[雑話] カテゴリの最新記事
|