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テーマ:海外生活(7772)
カテゴリ:イタリア生活
今朝、子供を幼稚園に送って行った帰り、ふと道の真ん中になにやら丸いものが落ちているのが目に入った。
目の錯覚か? 移動しているように見える・・・。←私は視力が弱いので遠くにあるものはよく見えない。 近づいてみると、カタツムリだった。 一生懸命道路を渡っていたところだった。 こんなところを歩いていると、車にひかれちゃうよー、とカタツムリを拾い上げ、ちょっと先の野原に放してやった。 そういえば、今は、カタツムリが出てくるシーズンなんだっけ。 カタツムリと言うと思い出すことがある。 それは、夫がカタツムリを見ると「美味しそう」と思うこと。 最初の頃、私にとってそれは異常だった。 だって、私にとってカタツムリはテントウムシのようなもので・・・決して食べるものではない。 私がまだピエモンテに来たばかり、まだ結婚してなかった頃のこと。 夫の祖母の家へ遊びに行ったら、ちょうど祖母や親戚が遅いランチをしているところだった。 そのときまさに食べようとしていた料理が、カタツムリの料理。 トマトソースで煮たカタツムリの殻・・・からなにやらカタツムリらしきものがニョロっと出ている。 うっわ~、かわいそ~。 祖母や親戚はシチリア人なので、自分が食事中に人が訪ねてくると、自分の分を訊ねてきた人に分けて食べさせるのが常識。こちらが「ランチしたばかりでお腹いっぱいだからいらない」と言っても無駄。「まあまあ、味見しなさい」とこんもり皿に盛って振舞ってくれる。 振舞われたが最後。振舞われたものは食べなきゃならない。 最初の頃は私、断れなくて、しぶしぶ食べてた。けど、すぐにコツを掴んで、振舞われる前に何かしら適当な理由をつけて「絶対食べない」ということを強調、「食べないけど後でコーヒー入れて。コーヒーなら喜んで頂くから」と後で何かを振舞わせる約束をするとスムーズに行くと言うことが分かって、以来実行している。 シチリア人に何も振舞わせないと傷つかれる。相手はこちらのことを思ってどんどん振舞う気でいる。そこで、何はいらない、何が欲しい、とこちらから要望を言うと、欲しいものを喜んで持ってきてくれる。 最初はそれが、ずうずうしいことだなぁ、と思っていたんだけど、振舞いを断るよりずうずうしくお願いしちゃう方が、彼らにとってはよっぽど礼儀正しいことらしい。 さて、話はカタツムリに戻って・・・彼らが食べようとしていたカタツムリ、振舞われた。夫もすっかり食べる気で、私にも美味しいから食べるよう勧めた。 かわいそう・・・だけど、食べない気はしない。私は食べ物にはあんまり抵抗がないから。他の人たちが食べているものなら、一度自分の舌で確かめて、美味しくなかったらもう食べなければいいと思うから。 そういうわけで、カタツムリも食べた。 ・・・・・・何かコリコリしてて不思議な味。カタツムリの姿を見るとかわいそうだけど・・・いや、これがなかなかイケる。 どんな味か、例えようがない。カタツムリはカタツムリの味。コリコリしてて、粘り気があって・・・独特な味なの。 フランス料理でエスカルゴってあるけど、食べたことなかったし、まさか普通に家庭でトマトソースで煮るものだとも思ってなかった・・・。 翌年夫が職場近くで大量のカタツムリを見かけたから拾ってきた、と家に持って帰ってきた。 私に料理してくれと言う。 冗談じゃない。生きている貝を熱湯の中に放り込むのとはわけが違う。うごめいて、助けを求めるカタツムリを熱湯に放り込むなんて行為、私にはできない! ちなみに夫の祖母が教えてくれたカタツムリの調理法はこう。 まず、捕ってきたカタツムリを空気口のあるフタつきの箱の中に5日間放置して、内蔵をキレイにさせる。 5日が過ぎたら水洗いして熱湯の中に放り込んで湯がく。ここで灰汁がかなり出るらしい。 湯がいたカタツムリを今度は熱したオリーヴオイルにニンニクとたまねぎを入れ風味を出させ、トマトソース、カタツムリ、塩を加えて煮て出来上がり。 熱湯に放り込む段階が私にはできないからと、夫の祖母に調理を頼んだ。 と言うのも、イタリアでもカタツムリを食べるのは普通のことではないから、調理する人も少々限られてくるものらしい。 夫の母はカタツムリは食べないし、叔母達もひとりを除いてカタツムリを調理する人はいない。そのため、祖母に頼んだ。 調理はできないけど、カタツムリ・・・美味かった・・・。 美味しいけど、でも、私はカタツムリを見かけると美味そうだとは思えないよ。 夫はカタツムリを見かけると、すぐ美味そうだ、って思うんだよね。 今年も夫はカタツムリを拾ってくるのかな???? お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
Apr 29, 2008 06:08:29 PM
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