|
カテゴリ:カテゴリ未分類
若くして亡くなったのは悲しむことではない。
君はすべての日々を全うしたのだ。 君はいつもとても頑張っていた。 どうしたらいいのか。 どうしたらよかったのか。 どうすればいいのか。 いまは分からなくても、君はきっと答えをくれる。 いつか、 またいつかきっと会えるよね。 それまでお休み。 長い休暇を取ろう。 ゆっくりお休み。 みんな 君を愛してる。 こんなに愛される猫はそうはいない。 世界でいちばん幸せな猫、のうちの一匹。 君はそういう猫なんだ。 どうか安らかに。 「Liberte(リベルテ)」 ポール・エリュアール ぼくの学習ノートに ぼくの机や木々に 砂に 雪に ぼくはきみの名を書く 読みおえた全てのページに 空白の全てのページに 石に 血に 紙に 灰に ぼくはきみの名を書く 金塗りの肖像に 戦士たちの武器に 王たちの冠に ぼくはきみの名を書く ジャングルに 砂漠に 鳥や獣の巣に エニシダに ぼくの幼い日のこだまに ぼくはきみの名を書く 夜々の驚異に 日々の白いパンに 婚約の季節季節に ぼくはきみの名を書く ぼくのすべての青空のちぎれに カビの生えた太陽の池に かがやく月の湖に ぼくはきみの名を書く 野原に 地平線に 小鳥たちの翼に 影たちの粉挽臼に ぼくはきみの名を書く 夜明けの 吹きつける風に 海に 船に そびえ立つ山に ぼくはきみの名を書く 雲たちの泡立ちクリームに 雷雨の汗たちに 垂れこめる味気ない雨に ぼくはきみの名を書く きらめく ものの形に 色とりどりの鏡に 物理の真理に ぼくはきみの名を書く めざめた森の小径に 末広がる道路に あふれ出る広場に ぼくはきみの名を書く 灯されたランプに 消されたランプに 占領されたぼくの隠れ家に ぼくはきみの名を書く 二つ割りの果実のような ぼくの部屋のひらき鏡に 空の貝殻のぼくのベッドに ぼくはきみの名を書く 食いしん坊のやさしいぼくの犬に ぴんと立ったその耳に ぶきっちょなその脚に ぼくはきみの名を書く ぼくの戸口の踏み台に 慣れ親しんだ家具たちに 祝福された焔のゆらめきに ぼくはきみの名を書く 分かち合う肉体のすべてに ぼくの友たちのひたいに 差し伸べるそれぞれの手に ぼくはきみの名を書く 驚きの顔が映る窓硝子に 沈黙のはるか向こうに 待ち受ける女たちの唇に ぼくはきみの名を書く 破壊されたぼくの隠れ家に 崩れおちたぼくの燈台に ぼくの倦怠の壁に ぼくはきみの名を書く 欲望のない不在に はだかの孤独に 死の階段に ぼくはきみの名を書く 戻ってきた健康に 消え失せた危険に 思い出のない希望に ぼくはきみの名を書く そして ただひとつの語の力を借りて ぼくはまたぼくの人生を歩み始める ぼくは生まれた きみを知るために 君の名を呼ぶために リベルテ(自由)と。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006.12.09 00:02:20
|
|