『溺れる人魚/島田荘司著』
溺れる人魚島田荘司著表題作「溺れる人魚」他、前4篇の短篇集。1篇を除いては”人魚”がキーワードになっている。それぞれは独立した短篇なのだと思うけど医療に関する話、昔の出来事に関する話など微妙に繋がっているような・・・。語りは”ハインリッヒ”。「ネジ式ザゼツキー」に登場する人物だ。エゴン・マーカットも名前が出てくる(少しだけ)御手洗の話なのか時々わからなくなりつつ、やっぱり最後は御手洗が〆る感じ。石岡先生もちらりと登場する。知る名前が次々出ると読んでいて面白い。ただ各物語の内容は決して愉快なものではない。歴史に詳しくないのでどこまでが事実でどこまでが島田荘司の脳内なのか・・・。どちらにしろ、読み進めたくなるのは変わりない。個人的には表題作が好みだけれど評価は色々みたい。「海と毒薬」という4篇目もタイトルは好き。