カテゴリ:本
キリスト系列の小説の大御所とでも言えば良いのでしょうか。とにかくこの人の著作物は親父が好きだったらしいので親父が自分に進めて来たので手に取る機会が出来た次第。この数奇なめぐり合わせに感謝。何億冊、いや、何兆冊等、とうに通り越すほどに本が氾濫している時代に一冊の本との出会いは至高以外の何物でもないと信じておりまする。
前置きはこのくらいにして、とにかく今回、俺が読んだ本はコレでした。 まずカトリックの神父であるクリストヴァン・フェレイラが島原の乱が収束して間もない頃にその日本で過酷な弾圧に棄教したと書かれている手紙がローマに届いた。知らせを聞いたフェレイラの弟子であったセバスチャン・ロドリゴ、他二名は、日本へと旅立つというのが最初に書かれている内容です。 そして、今後、ローマへとあてた手紙のような形式の元、物語は描かれていきます。そして情勢が苦しくなり、手紙すらかけない状態に陥って初めて、この物語は主人公であるロドリゴを俯瞰するような形になります。 一番の見所はロドリゴが牢屋に捕らえられて、棄教を迫る拷問『穴吊り』執行前夜。この日に、ロドリゴは真実の意味での神の教えを知り、彼はある決意をする。この時の心理描写と背景描写の見事さは語りつくせないほどであり、思い出すだけで心がおどる一品でした。満足、満足。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.02.17 23:33:35
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