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カテゴリ:マンガ
徳川家康、服部半蔵、真田十勇士など史実を交えつつ、石川賢独自の世界観を展開する『虚無戦史MIROKU』。
「分身の術」が「分裂の術」、重力を自在に操り、空間を飛ばして斬り、意識に乗って移動など想像を絶する忍術の数々。 最後には、宇宙を喰うものとの時空を超越した永劫の戦いにまで及ぶあまりに壮大すぎる物語。 死闘の方法も、肉体を破壊する絶技合戦から「空間の奪い合い」へと発展。挙句には、小宇宙まで作り出すに至る。 そして、それを盛り上げる「日本列島の下に眠る竜」「それを操る無限器」「全ての空間を喰らう無限空間、生物兵器ドグラ」「ラ=グース宇宙」などの設定が、荒唐無稽ながら思想・哲学を持って世界観を築き上げている。 ダイナミックプロの作品は、マンガよりもアニメで観ていて、『デビルマン』ですら読んだのはかなり後年だった。 アニメよりもマンガの方がエグイのは周知の通り。 大人となった今、当然、マンガの方が見ごたえがある。 この『MIROKU』も深読みすると色々と読めそうだが、それよりも、これだけの荒唐無稽な題材を用いながら、作品として成立させたことに意義がある。 内側から湧き出てくるような暴力衝動のビートに乗って、全宇宙的に繰り広げられていく物語のドライブ感に酔うのが、正しい愉しみ方なのかもしれない。 実際、全5巻をあっと言う間に読破できた。 このようなダイナミズムを兼ね備えたアクションものは、かなり希有な存在と言えるだろう。 この作品の世界観は、『虚無戦記』シリーズとして連綿と続く壮大なもののようだ。 永井豪の『バイオレンス・ジャック』みたいなものだろうか。 他の作品も読んでみたいと思う。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年05月23日 23時55分45秒
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