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車筆太

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2006年07月19日
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カテゴリ:マンガ
 はい。何事もなかったかの如く更新です。

 昨日?の『恐怖の巨顔女』に続いて、唐沢俊一の同人誌から『あなたの血が欲しイーイーイー!』です。
 
 「アメリカンバカホラーコミック」と冠された本誌の内容は、前回の同人誌の『HORRIBLY Beautiful』を収録していた『WEIRD』や『TERROR TALES』、『HORROR TALES』などのB級ホラー雑誌を発行していた出版社・EARIE PUBLICATIONSの『HORROR TALES』から3本。
 有名パロディ雑誌『MAD』(これは比較的容易に手に入る)の出版元・EC PUBLICATIONSから出版されていた『Shock SuspenStories』から3本という構成になっている。
 
 さて、前半3本は、上のサイトを覗いてもらえば分かるとおり、素敵な表紙そのままの内容で申し分ない。
 内容は前回の『HORRIBLY Beautiful』とドッコイドッコイなので説明するのもあれなんだが、一応、解説すると、1本目の『VAMPIRES』は5作連続で吸血鬼の役を演じた女優が吸血鬼になり「ガー」っと治療に訪れた精神科医と対決する話。
 最後のオチが本当にどうでもイーイーイー!
 
 はい。2本目。
 『Green HORROR』。
 嫉妬に狂うサボテンの怪奇。
 見所は、楳図ばりの恐怖の表情とマチェット片手に奮迅するサボテンの勇姿か。なにげに残酷描写もシッカリある。

 3本目。『WEB of the WIDOW』。
 蜘蛛女の襲来。ホラーらしいといえば、ホラーらしい一編。
 ここでも、奥さんの恐怖表現が素晴らしい。
 骨以外は全て食べるという蜘蛛も珍しい。
 内容はあってないようなもの。恐らく、最後のオチがやりたかったのだろう。

 後半3本の内、特に、『THE PATRIOTS!』は戦争を皮肉った内容で、読ませる。
 他の、『BEAUTY AND THE BEACH!』『The BIG STAND-UP』も含めて、オチにこだわった内容(前者はグロ、後者はサプライズ)。
 面白そうな雑誌なので入手したい。上のサイトによると、復刻版もあるようなので、買うならそっちか。
 しかし、原本はそこそこの値段なのね(復刻本の3倍)。

 後半の3本は1954年のコミック規制前の作品であるが、前半3本は規制後の1970年の作品。
 以前見たように、規制の根拠自体が曖昧で、マッカーシズムだとか冷戦だとか社会的な情勢を受けたものだったのだから当然と言えば当然なのだが、「規制」とはなんだったのかと。
 
 規制については、ゾーイング(今西生物学で言うところの「棲み分け」)の必要性が言われているが、それはおいといて、規制された側から見ると、人間の不可解さが垣間見えて面白い。
 この辺りをマンガと絡めて本格的に論じると、過去の規制だけでなく、マンネリズム、パクリ、ヤラセなんかも射程に入れなければならなくなってきそうなので、力量も時間もかなり不足。
 なので、唐沢俊一の「恐怖は水や空気と同じく、われわれの生存に必要不可欠なものなのである」をパックっておく。

 さて、ここ2日間で書いた『恐怖の巨顔女』も『あなたの血が欲しイーイーイー!』も『唐沢俊一「一行知識」ホームページ』の「唐沢通販」で購入可能。
 他に、北海道の絶版漫画専門店「じゃんくまうす」でも、200円ほど安く購入できる。
 





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最終更新日  2006年07月20日 00時38分14秒
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