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車筆太

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2006年07月27日
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 少し前にVHSデッキが壊れて、DVD生活の真っ只中なのだが、どうもDVDデッキの方の調子も悪い。
 ブロックノイズがチラチラと。さらに、変な音が聞こえなくもない。 
 そろそろ買い替え時か?

 さて、昨日に引き続き、怪談映画から『四谷怪談 お岩の亡霊』。
 
 日本の怪談の原型ともいえる鶴屋南北『東海道四谷怪談』を名匠・森一生が映画化。
 とはいえ、『続・座頭市物語』『大魔人逆襲』『皆殺しのスキャット』、そして、畳針でブスリとやる『必殺仕掛人』の元ネタ?『ある殺し屋』ぐらいしか観てないんですけれどね。
 そう言えば、勝新主演のコメディ映画で、名前だけは有名な『まらそん侍』とかも撮ってますね。
 
 閑話休題。
 『四谷怪談』については後日やるとして、モチーフとして用いたものまで含めると、数限りがない。
 映画に限らず、舞台、アニメ、マンガと至る所にお岩の亡霊を見つけることができる。
 少し前も、『怪~ayakasi~』でアニメ化されていたようだ(残念ながら『化猫』しか観ることができなかったが、作品としてのデキも良かったし、怪猫モノは代表的な怪談の1つなので、これはこれで満足。)

 さて、内容だが、基本的には南北のものを踏襲して、若干のアレンジを加えてある。
 昨日の『怪談』もそうだが、オープニングがいい。
 伊右衛門とお岩の初夜の閨に飛び込んできたヘビを叩き斬る不吉なシーンから始まるオープニングでは、水の中で黒髪がゆらゆらと揺らめき、おどろおどろしい音楽が、恐怖心を煽る。
 日本の怪談のイコンはやっぱり黒髪。これは今でも同じで、貞子も伽椰子にも受け継がれている。茶髪では締まりがない。

 特殊メイクもなかなかで、特に、伊勢屋にいる伊右衛門に会いに行くために、身形を整え、べっ甲の櫛で髪を梳くと、ブツブツと音をたてて髪の毛が抜け落ちるシーンでは、生理的にも恐怖心を駆り立てる。
 お岩を演じた稲野和子の声や雰囲気もソレらしくて、怖い。

 出演者で言えば、佐藤慶がいい。
 立身出世のためなら人を欺き、殺しも厭わず、無慈悲で冷徹な伊右衛門を好演している。
 聡明で、人を人とも思わない伊右衛門が、お岩を殺すことで、罪悪感が生まれることに四谷怪談の真骨頂がある。
 追い詰められても己を曲げず、高笑い1つで跳ね除ける、そういう人を見下したような演技があってこそ、最後のシーンが映えるのだ。

 おやっさんこと小林昭二も直助役で、珍しく悪人の役をやっているが、あぁ、やっぱり悪い人には見えないなぁ。
 最後も伊右衛門の居場所を教えたりして、どことなく憎めないユーモラスなキャラだが、小悪党としてはハマリ役と言えなくもない。
 昨日の『怪談』にも、「茶碗の中」で集まってくる武士の中に混じって出演。姿はほとんど見えないが、声で直ぐに分かる。
 
 四谷怪談 お岩の亡霊怪~ayakasi~四谷怪談(初回生産版)怪~ayakasi~化猫(初回生産版)ある殺し屋





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最終更新日  2006年07月28日 00時51分03秒
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