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車筆太

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2006年08月08日
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カテゴリ:マンガ
 こういう作品を「セカイ系」と呼ぶらしい。
 精神世界や感情、「キミとボク」の関係性が、社会的コミュニティをスッパリと切り落として、世界に直結することで、主人公の行動が直接に世界の存亡に関わることになる。
 つまり、内と外が短絡して物語となる。
 
 骨子だけを観れば、低予算のために密室劇に近くなったB級ホラー、SF、特撮で見慣れた設定のような気もする。
 ただし、これは方法論だけの類似であり、「ナゼ(特定されるのか)」に回答する枠組みだけを残して、登場人物、設定に上記のような「セカイ系」っぽさが加わることが必要なようだ。
 
 定義自体が曖昧なだけでなく、世界観が世界観だけに、様々な「読み」が可能だが、『エヴァ』すら観てないので、これ以上は藪蛇。
 
 さて、今更なので、概要は省くが、とにもかくにも初々しく、青臭く、感傷的で、恥ずかしい。
 岩井俊二の『スワロウテイル』などに似た、懐かしい自意識だけが先行する物語の変則的なリバイバルとでも言えるだろうか。
 
 外縁となる背景が曖昧模糊としていて、リアリティが欠如しているためか、単なる背景と化している「戦争」によってもたらされる悲劇的な状況がうまく「本物っぽさ」を獲得していないように感じる。
 これは人間関係(当人にとっての問題の本質)にも言える。 
 ふわふわと浮遊する人間関係が社会を参照せず、胎内回帰的にセカイの終焉をむかえるのは、どうかと。
 これらの弱点は、演出にも波及していて、物語進行のために紡がれる言葉の数々が上滑りしている感は否めない。
 
 だが、外縁となる背景を詳細に設定すれば「本物っぽさ」(納得、あざとさを感じさせないこと)を獲得できるかというと、これも少し違う。
 また、「恋愛」にだけ注目すれば、説明不足や矛盾もさほど気にならない。「なぜゾンビになったのか」が分からなくても、『NOTLD』はやはり恐ろしいと感じるだろう。

 極めれば、高校生の恋愛モノなので、当然、SEXである。悶々。
 2週にわたるSEXシーンなどはまずまず。
 ほとんどコメディな長ゼリフ(死なないのよ)や照れ隠しのようなデフォルメ描写も、戦争シーンやシリアスな場面では鼻白むが、ここではいい効果になっている。
 しかし、やるだけやったら地球が滅ぶって、ノーテンキでいいなぁ。

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 <追記>
 社会と個人の齟齬が、社会に対して反抗的に反映されるか、その苦悩と孤独感が内省して社会をそのままあるようにあるだけとして(強弱はあるにしろ)拒絶する。
 自意識の苦悩、怒りといったものが鬱屈するにしろ、社会を参照するにしろ、自意識に関する物語が「青春」である。
 
 社会コミュニティの手触りが喪失し、セカイと自意識が直結するのが「セカイ系」であれば、社会との格闘をあらかじめ放棄して、認識の範囲(つまりはセカイ)と直接やりあう「青春」と見ることも可能だろう。
 
 唯我論が理論上では正しいように、自意識の死はセカイの死を招く。
 正否、好嫌はとくとして、バカ(未熟)も青春における重要な構成要素の1つということだろう。                
  
                                  8.11付





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最終更新日  2006年08月09日 20時29分14秒
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