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車筆太

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2008年04月04日
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カテゴリ:マンガ
 表現の自由がらみでもう一つ。
 二ヶ月ほど前、鳩山邦夫法相が児童ポルノ規正法改正に関連して「児童ポルノを単純所持だけで処罰する」と発言し一部で物議を醸した。
 一方で、同法相の死刑問題への発言は、朝日などを中心に問題化しようと散々取り上げられたが、死刑制度賛成が多数の日本において、いまいち盛り上がりに欠けた。
 
 ところで、児ポ法について考えるときに気になることがいくつかある。
 一つは、この手の話に必ず出てくる「犯罪に与える影響」。
 これについてはいくつかの研究がある。
 しかし、実写とマンガ・アニメ・ゲームなどの創作物との区別が曖昧だったり、結論もさまざまに揺れている。
 少なくとも、日本ではポルノグラフィーすなわち男女の交接をあからさまに写したものなどは禁止だし、実写の児童ポルノも違法とされている。
 また、逆に、対象となった児童が心体ともに被害を受けるとする研究もあまりにも周知のこととされているためか、踏み込むにはあまりにナイーブなためか、自己選択という問題が横たわるためか、大きく取り上げられることはない。
 極端には「被写体にされ、その後殺害される」といった実被害を除くと、ひょっとすると研究自体が未だないのかもしれない。
 
 さらに、実際に被害を受けたとして禁止、処罰されたものと既に流通しているものを一緒くたに規制するというのにも合点がいかない。
 これは「児童ポルノとは何か」という定義の曖昧さに起因するものでもある。
 例えば、少女ヌード写真集は当初は芸術的な目的だったものが、後年にはロリコン向けになっていったわけだが、清岡純子の写真集などは児童ポルノ認定を受け、国立国会図書館ですら閲覧不可とされている。
 これらはさらに、「疑似児童ポルノ」の問題へと波及する。
 すなわち、児童に見える成人によるもの、合成写真やCGによるもの、そしてマンガ・アニメ・ゲームなどの創作物などだ。
 
 今現在、児童ポルノ規正法に対して、日本ユニセフ協会による運動が行われている。
 
 上記のような点を含め、不明な点の多い児ポ法について、『エロマンガ・スタディーズ』の永山薫と昼間たかしによる「マンガ論争勃発のサイト」に日本ユニセフ協会へのインタビューが載っているので読んでみる。
 
 (財)日本ユニセフ協会インタビュー
 【第1回】外国からも「声」が届いている
 【第2回】児童ポルノ問題には国際的な一致が必要
 【第3回】アメリカ司法省「警察はそれほど暇じゃない」
 【第4回】「状況が悪化しているとはいっていない」
 【最終回】「単純所持規制は待ったなし」
 (財)日本ユニセフ協会の「見解・説明」について

 うーん、何だか児童ポルノへの嫌悪感と子どもの人権を至上命令としているだけで、法律関連のデータも不足しているし、数字についても弱い。
 これをぱっと読んだだけでも議論の余地は有り余るほど、ある。
 これからも知見を深めていきたいと思う。





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最終更新日  2008年04月04日 22時22分58秒
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