彼方からの使者
いよいよ怪談シリーズのラストを飾るのはこの話を聞いたら・・・と言うタイプのものです夜中に窓を閉め切る人や、この手の話が苦手な人は例によってスルー推奨です何故なら・・・戦時中の話です南方の島に送られた鹿島さんという兵隊がいました彼の仕事の一つに日本から届いた手紙を兵隊達に配るというものがありました三ヶ月ぶりに手紙が届いたので自転車に乗って、司令部から離れた前線部隊に向かいました突然、雷のような轟音が響きました「敵機だ!敵機来襲!敵機来襲!!」鹿島さんは叫びながら必死に自転車をこぎ逃げましたしかし敵の戦闘機に見つかってしまいました鹿島さんは大事な手紙を持っているのですここで殺されるわけにはいきません鹿島さんは必死に逃げ回りました近づいてきた戦闘機は機銃掃射を始め山ほどの機銃弾を鹿島さんに浴びせました「う、うわああああ!」弾丸が鹿島さんの右足をもぎ取り身体中にめり込みます鹿島さんは手紙の入った袋を握り締め、ばったりと倒れました「足、俺の足が無い」鹿島さんは最後の力を振り絞り体を引きずりながらなおも手紙を届けようとしたのですがついに力尽きて死んでしまいましたどんなに無念だった事でしょうその後この前線部隊では「鹿島さんの亡霊が出る」と噂が流れましたしかも、その姿を見た人は右足を負傷して死んでしまうというのです鹿島さんの霊が手紙を配るために右足を求めてさ迷っていたのでしょうさてこの話を聞いてしまったあなた・・・三日後に鹿島さんが貴方のところにやってくるそうですもし来てしまったらこの言葉を言ってあげてください「カシマ!去れ!」鹿島さんの帰り道も必要ですこの言葉で鹿島さんは消えますが部屋の戸は開けておいてくださいコレを忘れると鹿島さんに足を奪われて死ぬそうです本当かどうかはわかりませんだって私もこの話昨日聞いたばかりなのですからえーと、あの呪文なんでしたっけ?さっきまで覚えてたのに・・・確か・・・カシ・・・あなたはちゃんと覚えてますか?