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瀬戸内シーカヤック日記

瀬戸内シーカヤック日記

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February 13, 2007
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祭りの片付けが終わると、『じゃあ、そろそろ行こうか!』というわけで、その方の家へと向う。

『じゃあ、おじゃまします』

***

窓からは、瀬戸内海の眺望が楽しめる最高の酒席。

『ビール飲みます?』 『おお、もらおう』 ということで、まずはビールをプシュッと開ける。
グビリ、グビグビ! うーん、旨い。

今日は、横断隊ピッチで漕いで来たし、御手洗で楽しい話しも聞けたし、祭りを見て、参加して、片付けも手伝って、ほんとうに充実した良い一日だった。

『酒、飲むか?』 『ええ、いただきます』

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出てきたのは、『越乃寒梅』
有名なので、さすがの私でも名前は聞いたことがあるが、一度も口にした事が無い。 『いいんですか?』 『もちろん、ええよ』

ひとくち口に含むと、あっさりさらり、さらさらりと喉を通り、すっきりとしたおいしいお酒だ。 うーん、こりゃあ美味い。 『はじめて飲んだけど、こりゃあ美味いですね』

『越乃寒梅』を飲みながら、四方山話で盛り上がる。
初めて見た岡村島の祭りの話し、昔の岡村島の話し、今年の漁の様子。 横断隊が来た時の思い出話、水中土木で日本各地を旅されていた時の話し。

『そういえば、今日は御手洗で観光協会に行って、町おこしの面白い話しを聞いてきたんですよ』 『ああ、そいつは知っとる。 儂の連れじゃ。 今度行ったら、聞いてみい』

(あ、またつながった!) 『そうですか。 やっぱり顔が広いですねえ』

***

自家製の赤ナマコの酢漬け。 鯒(こち)のフライ。 真珠貝の貝柱とネギの炒め物。 ウマい肴をつまみに、日本酒を飲み、話す。

『あんたは一人モンか?』 (うーん、今日はなんだかこんな話題が多いなあ)『いいやあ、子供も二人居るんですよ。 高校生と中学生』
『ほうか。 わしゃあ、あんたは一人モンじゃとばっかり思っとったわ』

***

『それにしても、いろいろとありがとうございます』『いやあ、なーんか、お前の事が気に入ってのう』

ありがたいことだ。 あやしい容貌の40過ぎのおっさんが独り、手漕ぎのフネで島にふらりとやってきて、こうやって地元の人にお世話になる。

結婚し、子供もできて、30半ば過ぎて初めて『深夜特急』を読んだ時は、なんでこの本に、若い独身の時に出会わなかったのだろうと、悔し涙を流したものだ。 だが実際には、瀬戸内海や山陰の日本海という限られた地元の海とはいえ、幾つになっても、こういう旅はできるんだなあ。

***

この日は、浜にテントを張ったものの、夜は家に泊めていただいた。 だからタイトルが、『岡村島キャンプ【?】ツーリング』なのだ。

***

翌朝、目が覚めると、もうその方は出掛けていた。 昨日の夜、明日も早くから仕事だと言っておられたので、お礼のメモを残して、浜に戻る。

バーナーでお湯を沸かし、うどんに玉子を落として朝食にする。

結局泊らなかったテントを片付け、シュラフを畳み、荷物をパックして、町に缶コーヒーを買いに行く事にした。

***

いつもの海沿いの道を歩いていると、少し沖に出ている防波堤の所で、きのう片付けの時に居られたおじいさんが、タコ壷を準備していた。

『おはようございます』 『おお、どこ行くんじゃ?』 『昨日は○○さんの所に泊めてもらったんですよ。 今から、缶コーヒーを買いに行く所です』 『そうか』

再び歩き始めると、おじいさんが、『おい、この自転車使うてもええぞ』と声をかけて下さった。
『ありがとうございます。 すぐそこなんで、散歩がてら歩いて行きますよ。 本当にありがとうございます』

昨日出会ったばかりの私に、自転車を貸してやろうという。 本当にありがたいことだ。 岡村島が、ますますお気に入りの島になった。

***

フェリー乗り場の近くの自動販売機で缶コーヒーを買い、浜に戻ろうとすると、軽トラックが止まった。 見ると、泊めていただいた方が運転席に。

『おはようございます。 昨日は本当にありがとうございました』 『もう、帰るんか?』 『ええ、帰ります。 起きたら居られなかったんで、メモだけ残してきたんですよ』

『乗れや。 浜まで送っちゃろう』

***

軽トラックから降り、ドアを閉めると、おじさんも降りてきた。
海を見て、『今日はニシが少し吹きよるから、北側を通って帰れよ』 (確かに、見ると少し白波が立ち始めている)『ええ、そうします』
『ちょうど潮もええ』 『そうですね、もうそろそろ潮止まりですね』

さすが、地元の海で仕事している方。 的確なアドバイスが飛んでくる。

『本当にありがとうございました。 また遊びに来ます』

***

岡村島と大崎下島の間の狭い海峡を北上。

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岬を廻って、大崎下島の北岸を戻る。 ここから先は、ずーっと向かい風だ。 風が少し強めなので、ショートカットはせず、岸沿いに漕ぎ進んで行く。 豊島を越え、上蒲刈島の北西端から県民の浜へ。

帰りは、遠回りの北側ルートであったのに加えて、向かい風でスローダウン。 結局、休憩無しで、まるまる3時間漕ぎっぱなしだった。 ふう、これは久々に鍛えられた!

***

3連休の週末。
土曜日は、妻と二人、ロードスターで映画『それでもぼくはやってない』を観に行き、日曜~月曜は、大崎下島の御手洗~岡村島で様々な方にお世話になった、とても思い出深いシーカヤックの旅を堪能した。

家に帰ってから、家族そろっての夕食では、写真を見ながら、ツーリングの時の様々なエピソードを話して盛り上がる。

『旅するシーカヤック』 シーカヤックで旅をしていて、本当に良かった。





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Last updated  February 14, 2007 06:03:07 PM
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