テーマ:旅するシーカヤック(153)
カテゴリ:あるく、みる、きく
『プシュッ!』 エビスビールの缶を開け、『グビリ』と飲る。 美味い! 漕いだ後のビールは最高だ。
日が暮れて、しだいに暗くなりつつある雰囲気の良いキャンプ場のベンチに座り、簡素な夕食を摂る。 レトルトカレーに、ツナとカイワレのサラダ。 サラダには、藻塩をパラリと振りかけ、オリーブオイルをタラリと一垂らし。 そして仕上げに、ブラックペッパー。 *** 食後はヘッドランプを灯し、レイモンドカーヴァーを開く。 ビールを飲みながら、『CARVER'S DOZEN(村上春樹訳)』 この本も再読だが、読み直してもやはり面白い。 『でぶ』、『大聖堂(カセドラル)』、『ささやかだけれど、役にたつこと』 *** だれもいない静かなキャンプ場の夜。 本を読みつつ、ビールから日本酒に替わった頃、暗闇の中を走るバイクの音が聞こえて来た。 『キキキキイッ』 そのバイクが近くで停まる。 がさごそと音がして、生け垣の間から人が現れた! 管理人さんだ。 『こんばんは。 これ、夜のつまみにして』とパックが差し出される。 ヘッドランプを照らしてみると、『たけのこと鶏肉の煮しめ』だ。 まだ炊きたてで、ホカホカと温かい。 『旨そうですね。 じゃあ、遠慮なくいただきます。 ありがとうございます!』 管理人さんは、『じゃあね、また明日』と、すぐにバイクに戻り、ピューッと家の方に戻って行かれた。 まるで風のようにやって来て、サッサと用事を済ませると、再び風のように戻っていかれたのだ。 私の目の前には、ホカホカと湯気が立ちのぼり、香ばしい匂いがただよってくる『”差し入れ”のタケノコ』 少し涼しい夜。 シャキシャキとした食感がたまらない、まだ温かいタケノコをつまみに日本酒をグビリと飲る。 これ以上の贅沢があるだろうか。 *** 翌朝、シュラフの中で目を覚ます。 外はまだ薄暗く、まだ起きだすには早いようだ。 もう少しゴロゴロしていよう。 i-Podを取り出し、スイッチを入れる。 聞こえて来るのは『EXILE』 『Everything』、『Yell』、『Lovers Again』。。。『道』 いいなあ。 *** 朝食は、サンドイッチと、具沢山にしたみそ汁、そしてゆで卵。 食事を終える頃、ポツポツと雨が落ち始めた。 急いでテントを畳み、シュラフを片付ける。 *** ベンチに座ってコーヒーを飲んでいると、雨は上がり、晴れそうな気配さえただよってきた。 カヤックを浜に運び、朝のお散歩ツーリングへ。 ↑ 因島と生口島を結ぶ橋、生口橋 ↑ 因島は造船の島である ↑ 海上にある『龍神宮』 ここではいつも、航海の安全をお祈りする ↑ 平内島 こんなに波穏やかな内海なのに、多くの洞窟があるのは不思議だ 1時間半ほどの、ゆったりまったりお散歩ツーリング。 *** フネを浜に揚げ、芝生広場まで運んでいると、管理人さんが来られていた。 散歩している地元の方と話しをしておられるようだ。 『おはようございます。 昨日はありがとうございました。 シャキシャキして、本当においしかったですよ!』 フネをカートップし、道具を片付けると、しばし四方山話。 数年後に完成予定の上島町の島々を結ぶ橋のこと。 上島町の島の一つである魚島のこと。 桜で有名な積善山のある岩城島のことなどなど。 楽しい一時。 *** 『じゃあ、そろそろ帰ります。 いつも、本当にきれいにされているし、静かだし。 ここではとても気持ち良く過ごさせてもらえるので、すごくうれしいですよ。 ありがとうございました』 『また来て下さいね。 では気を付けて』 しまなみの楽園、生名島。 ぜひまた遊びに行きたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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