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瀬戸内シーカヤック日記

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August 1, 2007
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2007年8月1日 今日は、周防大島の東和総合センターで『宮本常一、生誕百年記念の集い』が行われる。

一生に一度のこの機会。 有給休暇を取り、ロードスターの屋根を開け、クルマの少ない山陽自動車道を快適に走り抜けて周防大島に向う。

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13時半、記念式典が始まる。 会場にぎっしりと並べられた椅子は満席となったが、少し早めに到着したので、運良くほぼ中央、前から3列目の絶好の席に座る事ができた。

主催者の方によると、北は北海道から南は鹿児島まで、日本全国から宮本常一を慕う数百人の人々が集まったそうだ!

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14時からは、佐野眞一さんの特別講演、『宮本常一から学んだ事』

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13年ほど前から、宮本常一の取材で周防大島を訪れるようになったという佐野さん。 当時は、地元大島の人も、宮本常一の事を知っている人は少なかったとの事。
『まあ、今でもそれほど知られている訳ではないですが』との一言。 確かに職場で聞いてみても、宮本常一を知っている人はほとんど居ない。

佐野さん曰く、『今日は、僕が見た宮本常一、僕が学んだ宮本常一についてお話しします』

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宮本常一は、4つの顔を持っているという。

離島振興法を成立させるために走り回った、『政治的オーガナイザー』としての顔。
周防猿回しや、佐渡の鬼太鼓座など、郷土芸能の復活や活性化に尽力した、『芸能プロデューサー』としての顔。
佐渡の八珍柿生産を奨励した、『農業技術指導者』としての顔。
郷土大学を創り、若者の教育に力を入れた、『社会教育者』としての顔。

また、丹念に取材し、だれにでも分かるように紹介する、『優れたジャーナリスト』でもあったという。

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『宮本のすごさは、一枚の写真、何気ない風景から、そこに住む人々の意思を読める事だ』

『宮本常一は家を空ける事が多く、家庭人としては失格だったかもしれない。 彼は、すごい知識を身に付けた ”フーテンの寅” であった』

『すばらしい笑顔も含めて、絶品としか言い様のない聞き取り技術』 『人の言葉を引き出す力』

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『宮本の意思を継ぐ事が大事だ。 趣味で宮本常一の足跡を辿る事は、やらないよりは良いかもしれないが、あまり意味のある事ではないと思う』

『それよりは、自分にとって宮本の意思を継ぐ事はどういう事かを考えて、実践する事が大切だ。 それは例えば、 自分の子供をどう育てるか? ということかも知れないし、もしあなたが漁師さんであれば、 この漁法をどう工夫し、伝承して行くか? ということであるかもしれない』

『宮本常一は歩きすぎた。 宮本常一は、多くの事に手を出してとっちらかしすぎた。 彼がやり残した事、見残した事は多くある。 私たちは、彼がやり残した事をやり、見残した事を見て行くことが大切ではないか』

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『宮本に注目した、その先こそが大切だ。 宮本常一は、私たちに絶妙のパスを出している。 私たちは、その凄いパスを見ているだけでなく、それぞれの立場で、宮本から受けたパスを蹴らなければならない』

『人として大切なことの一つは、次に渡して行く事。 自分がやったことを、少しでもいいから次の世代に継承して行く事だと思います』

宮本常一が、ホクレアが、瀬戸内カヤック横断隊が、そして先日の海洋文化セミナーが、奇しくも同じベクトルを示している!

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宮本常一の父、善十朗が常一に授けた珠玉の十か条の最後の言葉、『人の見のこしたものを見るようにせよ。その中にいつも大事なものがあるはずだ。あせることはない。自分のえらんだ道をしっかり歩いて行く事だ』

そう、宮本常一がやり残した事、見残した事は、まだまだたくさん有るのだ!

私にとって宮本の意思を継承する事とは、旅するシーカヤックを通じて、瀬戸内の島々を、そして日本海の小さな漁港を訪ね、そこに住む人々に会い、話しを伺い/話し合い、記憶し、記録に残し、それを私の子供達に、そして次の世代に少しでも伝えて行く事だと思う。

佐野眞一さん。 拝見するのも、お話を伺うのも初めてでしたが、今日は来て良かった!
本当にありがとうございました。

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15時45分からは、坂本長利さんの一人芝居、『土佐源氏』

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↑ 公演中は撮影禁止なので、終わってから挨拶される坂本さん

初めて見る『土佐源氏』

火の灯されたろうそくの炎がゆらめく、簡素な舞台。 モノローグで織り成される土佐源氏の世界。 坂本さんが身に付けている鈴の音さえも、すばらしい舞台装置になる。

動と静。 ついゴクリとつばを飲み込んでしまう、絶妙の間合い。
土佐源氏を演じて1000回を越すという熟練の演技に、会場全体が引き込まれて行く。 鳥肌が立つとは、まさにこのことだ。

あっという間に時間が過ぎた。 惜しみない拍手。
すばらしい。 これまた、今日この場で見る事ができて幸せである。

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2007年8月1日 これも縁である。
決して忘れる事のできない、一生に一度の大切な8月1日になった。 周防大島に来て良かった!

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Last updated  August 3, 2007 05:39:05 AM
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