テーマ:旅するシーカヤック(153)
カテゴリ:あるく、みる、きく
この週末は、久し振りのキャンプツーリング。 海水浴シーズンは、出艇できる浜が限られるので、少し遠いが、海もきれいで静かな島の点在する上関付近を漕ぐ事にした。
*** 馬島、刎島、佐合島、牛島、尾島。 この辺りの海には年に何度か訪れるのだが、本当に静かで良い所だ。 また去年の夏には、次男と一緒に刎島にキャンプツーリングに来た、想い出の場所でもある。 荷物をパッキングし、海に漕ぎ出す。 ↑ 出発時は少し曇りがち 夏はこれくらいの天気が暑すぎず、パドリングにはちょうど良い 小潮の向い潮の所為もあるが、やはり数週間振りのパドリングで最初は体が馴染まない。 それでもしばらく漕いでいると、ようやく漕ぐための筋肉と関節に油が行き渡り、いつものリズムに戻った。 うん、これだ! *** 馬島の海水浴場を越えた所で、目の前に一艇のシーカヤックが現れた。 近づいてゆき、挨拶を交わす。 初めてお会いする方だ。 『今日はこの辺りを漕がれるのですか?』と聞いてみると、『牛島へ渡ってみようと思っています』との事。 そうか、じゃあその方の邪魔をしないように、今日は牛島に行くのはやめよう。 予定を決めていない、風の吹くまま気の向くままの、のんびりゆったりキャンプツーリング。 では、刎島か佐合島でテントを張るとしよう。 *** 刎島の南岸を越え、佐合島の南から東端をグルリと回って、冒険学校のある漁港に一旦上陸。 冒険学校を覗いてみたが、残念ながら今日は姿が見えないようだ。 再びシーカヤックを漕ぎ出し、テントが張れそうな浜へ向う。 ↑ このころから晴れてきて夏の日差し ちょうど昼過ぎ。 まずは日陰に入って、ビールと弁当で昼食。 プシュッ! グビグビ、グビリ! ↑ 夏はやっぱりメッシュテント 美しいシルエットがお気に入りのMSR 食事が終わると、カヤックから荷物を降ろしてテントを張る。 この時期は、MSRのメッシュテント。 夏はメッシュじゃないと暑くて眠れない。 テントを張り、荷物を片付けると、さっそく海に入って体を冷やす。 あー、気持ち良い! だれも居ない静かな浜、透き通る海に一人浸かってのんびりまったり。 やっぱ夏はこれに限る。 *** 海水浴で体を冷やした後は、散歩に出掛ける。 ↑ 心和む、海沿いの散歩道 ギラギラと照りつける夏の日差しの中、今日は佐合島の東の端から西の端まで歩いてみよう。 ↑ 漁港の防波堤から 瀬戸内の島らしい良い眺め 途中の小さなお店でペットボトルのお茶を買い込み、テクテクと海沿いの道を歩く。 集落が途切れ、しばらく歩くと刎島が目の前に見える西端へ。 ここでUターンし、テントを張った浜まで再び歩いて戻る。 浜に戻ると、木陰にマットを敷き、寝転がって本を開く。 涼しい木陰、さわやかな海風、静かに打ち寄せる波の音。 小さな浜が、贅沢な図書館になる。 *** 夕方5時。 さて、夕食の準備に掛かるとするか! 一人のキャンプは、いつものように簡単な食事。 今日は、レトルトのチキンカレーと野菜サラダ、そして焼き肉。 小さなスキレットで肉を焼き、たれにつけて頬張り、ビールを喉に流し込む。 うーん、たまらん! 目の前の海には、網を流して漁をする漁船や、釣りをする小舟。 船と海を眺めながら、おいしい夕食を楽しむ。 *** 食事を終え、海を眺めながらワインを飲んでいると、釣りを終えて帰ろうとする小舟から声が聞こえて来た。 どうやら私を呼んでいるようだ。 『おーい、おかずは足りとるか?』 『ええ』 『魚、やろうか?』 『ありがとうございます』 手招きされるまま、浜に降り、近づいて来た小舟に乗ったおじさんから、魚をいただく。 キスとアジだ。 『釣りたてじゃけえ食え。 塩焼きがええんじゃないか?』 『いやあ、これはウマそうですね。 ありがとうございます』 『じゃあの』 *** 見ず知らずの私に、釣りたての魚をやろうという。 瀬戸内の島々を、そして日本海をシーカヤックで旅していると、こんな親切な方々に出会う事が少なくない。 本当にありがたいことだ。 ↑ 既に締められていた、釣りたてのキスとアジ 浜で拾ったきれいなザルを海水で洗い、いただいた魚を入れる ビクトリノックスを取り出し、内臓を抜き、鱗を取り、アジはゼイゴを削ぐ。 残念ながら網は持って来ていないので、スキレットにオリーブオイルを垂らし、クレージーソルトをパラリと振って焼く。 新鮮なキスとアジ、そしてワイン。 うん、美味い。 *** ワインを飲みながら、夕暮れの浜辺に独り。 またまた人の親切に出会う事のできた、夏の佐合島キャンプツーリング。 今日も楽しい一日だった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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