テーマ:旅するシーカヤック(153)
カテゴリ:あるく、みる、きく
2007年8月23日。 今日で、ブログを始めて1000日だそうだ。 これを機会に、自分のカヌーライフの原点を振り返ってみた。
*** 野田知佑氏の言葉より *** やはりカヌーの面白さは、『川を下る』ことに尽きる。 それも、『日帰り』の川下りではなく、何日かかけて川を旅する『リバーツーリング』がいい。 この中に、アウトドアの楽しさがすべて含まれている。 カヌーをただ漕ぐだけでは楽しみに幅がないし、底が浅い。 カヌーに色々な遊びをとり入れると面白さが倍加する。 カヌーに釣り、潜り、泳ぎ、山菜採り、野生の草花を見、食べること、キャンプ、旅行をつけ加えたものが『リバーツーリングである』 *** 1992年、約15年前にカヌーを始めた頃、広島にはカヌー専門店もなく、本を読みながら知識を身に付け、実際に川を下り、海を漕ぎながら、経験を積んで行った。 当時はカヌーに関する本もほとんどなく、私にとっての貴重な教科書は、原語の『SEA KAYAKING (John Dowd)』、後に手に入れた日本語版(訳:堀田貴之、ローリーイネステイラー)の『SEA KAYAKING (John Dowd)』、そして『カヌーリバーツーリング入門(1986年発行、小学館)』であった。 インターネットも普及しておらず、地方都市である広島の書店には、原語版の『SEA KAYAKING (John Dowd)』がなく、注文して船便で到着するまで、何ヶ月か待ったことを懐かしく想い出す。 上記の野田さんの言葉は、『カヌーリバーツーリング入門(1986年発行、小学館)』に書いてあったものだが、カヌーを始めたばかりの私にとっては、カヌーの旅とはそういうものだということが、心に刻み込まれたことを覚えている。 それに対して、『SEA KAYAKING (John Dowd)』は、特に後半部分(7章の災害以降)からは、書かれている内容がかなり高度で、冒険のレベルも初心者からはかけ離れていたため、身近な教科書と言う感じではなかったが、いつかはこの本に書いてある内容が約に立つレベルに達したいものだと思って読んでいた。 *** 再び、野田知佑氏の言葉より *** 最後に、カヌーツーリングの良いところを百パーセント味わうには、『単独行(ソロ)』がいい。 集団で仲間たちと下るのも楽しいけど、単独行の深い味わいには比較できない。(中略) メダカのように群れ集まり、画一的な集団生活を余儀なくさせられている多くの日本人にとって、一人で暮らすこと、単独行は貴重な体験になるはずだ。 *** 『SEA KAYAKING (John Dowd)』より *** カヤッカーに一人で海へ出るな、というのは、山へ一人で行くなというのに似ている。 それは慎重なアドバイスだが、実際はシーカヤッキングにのめり込むほど、一人で行きたくなるものだ。 危険は高まるかもしれないが、それ相当の見返りがある。 置かれた状況の判断力や意識のレベルは、そのパーティの人数によって減少するものだと私は思う。 頼れる人がだれもいないところで自らを試す。 (後略) *** 今、私はソロの旅が多いが、実は一番楽しいのは家族でのカヤックツアーである。 子供たちがまだ幼稚園や小学校に通っていた頃は、家族四人で、あるいは息子と二人で/三人で、江の川や錦川、四万十川のキャンプツーリングに行っていたし、瀬戸内や日本海も漕いでいた。 もちろんソロも楽しいが、なんの遠慮もない家族と、川下りやシーカヤックの楽しさ/感動を共有化できることは、なによりの喜びであった。 かれらが高校生、中学生となった今では、たまにしか一緒に漕げないけれども、やはり最高に楽しいひとときであることに変わりはない。 *** そして最近では、尺取り虫方式での瀬戸内横断から、古代人ツアーで始まった日本海北上編。 そして、瀬戸内の島々や、日本海の港町を巡る、『あるく、みる、きく_旅するシーカヤック』が、私のライフワークとなっている。 決して、人に私の価値観やシーカヤックのスタイルを押し付けるつもりは全くない。 また、安全第一であるということは、当然のことである。 ただ、自分が一番楽しいのは、『あるく、みる、きく_旅するシーカヤック』である、というだけのことである。 もしかしたら、カヌー/シーカヤックを始めた頃に読んだこれらの本に刷り込まれたのかもしれないし、あるいは自分自身の性格が、もともとそうだったのかもしれないが、今これらの本を読み返してみると、『うん、まさにそうだ!』と頷くことばかり。 *** 最後に、再び野田知佑さんの言葉 *** さて、諸君、ここまで教えたからにはすぐ今からパドルを握って野に出たまえ。 暖衣飽食は老人にまかせて、少し辛いがスリルに満ちた荒野を一人で漕いで行きたまえ。 あらゆる面白いこと、そしてたくさんの苦難が諸君の上にふりかかることを祈る。 *** この言葉は、中年になってしまった今でも、私に旅するモチベーションを与えてくれるし、自分の息子たちにも、この志しを、旅を続ける自分の後ろ姿で伝えて行きたいと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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