カテゴリ:ガンダム
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■ガンダム・センチネル ALICEの懺悔 ・ZガンダムとZZガンダムの間を繋ぐサイドストーリー ・ティターンズの地球至上主義に共感して叛旗を翻した地球連邦軍教導団と、それを討伐する為に送り込まれた地球連邦軍α任務部隊の戦い ・主人公は不良としていわくつきのリョウ・ルーツとSガンダムの人工知能ALICE 白:学生時代にはたくさん、ガンダムの小説を読んだけど、一番印象深かったのは多分これ。これを好きになったあたりから、「あぁ、自分はこういう話が好きなんだー」と他の人との趣味の違いが良くわかるようになりました(苦笑) 黒:本作には普通のガンダムの小説とは大きな違いがある。1つ目は、極めて軍事的な描写が多いこと。2つ目はニュータイプやサイコミュといった概念がほとんど登場しないこと、3つ目は女性キャラが一切、存在しないこと。その為、恋愛が一切存在しない。それらの要素が普段見ているガンダム作品とは極めて異なる印象を本作に与えてくれているな。 白:あれ?ALICEは女性扱いじゃないの?女性思考だし、台詞もそうだったけど……。 黒:あれは例外過ぎるわ。そう、ALICEの成長も本作の大きな要素と言える。不良兵士であったリョウがSガンダムのパイロットを務め、激戦を潜り抜けて一人前のパイロットとして大きく成長していくと共に、ALICEもまた戦いの中で「人間」という物を学習していく。ここで面白いのは、ALICEは誰とも交流しないということ。誰もALICEの存在を認知しておらず、戦いを傍観者として見つめながら、ALICEは一人で悩み続けるのだ。例えば、月面で後退した敵に対して追撃しようとするリョウをALICEが自動制御で後退させる。 この時のALICEの判断は、戦術的に見ても間違いなく、合理的であった。しかし、その直前に戦友達を殺されたリョウは激しい怒りから苛立ち、自分の意思に反して勝手に反転したSガンダムを激しく罵倒する。リョウはSガンダムに意思のようなものがあるような気はしていたが、それが人工知能だということは気づいておらぬ。つまり、これはリョウ自身の愚痴に過ぎない。しかし、罵倒されたALICEはショックを受ける一方で、人間の持つ感情……合理性を無視した思考について考え、学び取っていくのよ。物語において大事なのは成長であると私は考えている。そういう意味では、本作はしっかりとしたテーマ性を持っていると言えよう。 白:リョウもALICEも好きなんだけど、他にも好きなキャラクターが結構、一杯いたね。私は特にジョッシュ・オフショーが好きだったかなぁ。ジェリドとかイザークもそうだけど、ああいう真面目さと傲慢さの入り混じった男って結構嫌いじゃないんだよね……なんか放っておけない感じがする(苦笑)最後の戦いでほぼ失明の状態で意地からゼク・ツヴァイに乗り込んでSガンダムに切りかかるんだけど、その時の『俺をコケにする資格は貴様には無いんだッ!素人が、素人が、素人がぁぁ!うわぁぁぁぁ!』って台詞がもうね……すごいドキッと来た(笑)あぁいう男には、マウアーとかシホみたいな自立していて、かつ支えあっていける女が似合うと思うよ、私は。 ■機動戦士ガンダム ハイ・ストリーマー(1)~(3) ・劇場版「逆襲のシャア」の原作。映画の一年ほど前から映画のラストまでが描かれている ・地球連邦軍の新設部隊ロンド・ベルとシャア・アズナブルによって再興されたネオジオン軍の戦い ・主人公は因縁の敵シャアを追うアムロ・レイ 黒:Z、ZZ、F91、W、SEEDと読んできたが、アニメの原作となる小説では私は一番好きな作品であるぞ。 白:シャアも嫌いじゃないけど、とくにアムロが好きだなぁ、私は。昔より、軍人としても人間としても成長していて大人の渋みがでてきてるし。アリョーナっていう叛乱組織から抜けさせた女の子がいるんだけど、身元引受人になってやって色々な世話をしっかりと手伝ってあげるんだ。それに対してアリョーナが『今夜の食事、わたしが作って食べさせてあげます。なんのお礼もできなかったんだもの』って自宅に招いたりするのが妙に微笑ましくて好き(笑)まぁ……その深夜の呼び出しで、5thルナを巡る戦いに入っていくことになって、アリョーナとは今生の別れになっちゃうんだけどね……自宅でアムロが帰ってくるのをずっと待ってるアリョーナを想うと……ちょっと切ない(;; 黒:全ての人間にとってハッピーエンドに終わるとは限らない。実際の所はそういうものよ。この話を読むと、Zから逆襲のシャアに至るまでのアムロとシャアの考えの違いを見て取る事ができるな。Zの頃はまだ人類に希望を抱いていたシャアが未だに変わろうとしない人類に絶望して地球の寒冷化を目指す様になっていく一方、アムロはZ時代の頃の迷いを捨て去って一人の軍人として成長を遂げるといった対比がまた面白い。 白:あと、地球連邦軍のガンダムに対する考え方が面白かったなー。ガンダム、Zガンダム、ZZガンダムは核兵器並の機密事項として封印されていて、百式ですら取り寄せて貰えないとかね。それより新型ガンダムを設計したほうが手っ取り早いみたいなメカに関しても政治的配慮みたいな物がしっかり書かれてるのはやっぱり面白いと思う。特にお気に入りなのは、再開したアムロとブライトがリガズィについて語り合うシーン! ブライト『ああ、あの改造モビルスーツか? アムロ、つまらんことに精力を使うんじゃない』 機械オタクだったアムロが趣味をしっかり実益に反映させてて面白いよねー(笑) 黒:他にもクェスやハサウェイについてもかなりしっかりと描かれておる。個人的には映画版を見て、次に本作を読む事をお勧めするぞ。その方が、映像が想像しやすくて楽しめると思うのでな。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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