今週2本目の映画。
新海誠監督の作品を劇場で見るのは「君の名は」に続いて2作目ですが、やはり素晴らしい出来でした。
あの映像美、音楽、キャラクターのやり取り。どれも文句の付けようがない。
「天気の子」は「君の名は」よりもファンタジー色の強い作品だと思いましたが、それでも多くの人が楽しめるだろうと思えるこの安心感は一体、何なんでしょうね。作品のバランスが良い、というか。
私も新海誠監督の作品をすべて鑑賞したわけではありません。
ただ、これまでに見てきた監督の作品群でもっとも好みだと感じたのがこの「天気の子」でした。
雨が降り続けるようになってしまった東京。空に見える巨大な何か。
行き場のない高校生を助けてくれた大人達との忙しなくも楽しい日常。
不思議な力を秘めた少女との劇的な出会い。彼女達と始める新しい生活。
力の代償。明かされる人間関係。この世界と大切な人を秤にかけた上での行動。そして、顛末。
すべてが私好みでした。そしてまた、各シーンの長さが程よく良い。
前半の日常シーンはこれより短いと物足りなかったでしょうし、帆高が
警察に追われるシーンや陽菜の元へと向かおうとするシーンはこれ以上長いと逆にくどいと感じた筈。
特に後半の
空の上の世界や東京の水没 についてはもっと時間をかけたり、悲惨に描いたりできそうですが、見たいのは帆高とその周囲の人達の心の動き なので、これでよいのだと思います。
あの顛末は人によっては受け入れ難いのではないかと思いますが、私は好みでした。帆高の選択も、それに対する描き方も。
映画を見終わった後、書店で小説版をぱらぱらと眺めました。
最後のくだりを思い返すためだったのですが、あとがきで本作に対する新海誠監督の想いを読めて、思わずニヤリ。
映画では直接描写されていない各キャラクターの内面についても描かれてますので、一見の価値ありですね。
須賀さんも好きですけど、夏美も良いキャラしてるんですよねぇ……。