先日、セールで見つけて購入。
どの掲載作品もそれぞれに個性がありましたが、個人的には「彼岸花」というお話が一番好み。
一見すると、女学校の上級生と下級生が交換日記で語り合っているような形式なのですが、死妖という吸血鬼らしき存在の目線で語られていることや、嗜血機関という不気味な技術の道具が当然のように使われているなど、とにかく街並から夜景まで含めて、頭の中に浮かぶ光景がすべて真っ赤に染まっているようなお話でした。その結末まで含めて、本当に好きな作品です。
他にも冷戦下のソ連において、エスパーの素質を見出された孤児の姉妹と収容先の施設で出会った女将校が辿った数奇な運命を描く「月と怪物」、四十九日だけメールで死者とやり取りできるようになった現代日本における一組のカップルの「四十九日恋文」が特にお気に入りです。「四十九日恋文」は先日アニメ化された「スライム倒して300年、知らないうちにレベルMAXになってました」の森田季節先生の作品ですね。